カヤックと過ごす非日常

大人は水辺で子供に返ります。男は無邪気に、女はおバカに。水辺での出来事を通してそんな非日常を綴っていきます

969.知る人ぞ知るの湖岸 ― 久しぶりのキャンプ

2021年08月20日 | Weblog

夏休みが始まってからあっという間に1ヶ月が過ぎた。去年からの自粛生活も板についた頃、やっと自由の身になったと思っていると、また自粛要請が出た。湖岸の園地や駐車場も閉鎖され、楽しみにしていた湖水遊びも意気消沈。しかし、遠出の自粛要請が出ても、記録の自粛が出た訳ではない。そう言えば、まだびわ湖を楽しめていた頃、みんなでキャンプに行ったこと、記録ができていなかったことを思い出した。おぼろになって来た記憶を紐解いて、貴重なびわ湖の記録を記さなければ。と、書き出した日。

 

夏になり、やっと湖岸が解放され、待ってましたとばかりに水辺のキャンプ場はどこもいっぱい。区画された有料サイトは当然無理だが、フリーサイトは若干の余裕があった。しかしフリーサイトはこの時季、過密になるのは必至。隣のテントの張り綱が交差するような所もある。たとえコロナでなかったとしても、そんな狭い所はまっぴらごめん。かと言って、せっかくの夏にキャンプをしないなんて、それも許せない。ではどうするか・・

と、相談されて、「知る人ぞ知る」のとっておきの湖岸に案内した。

すでに先客が10組ほどいたが、広い木陰にテントがぽつりぽつり。立派な湖岸の園地だが、ここを知る人はかなりの通だ。カヤックでは何度か利用したことがある。シャワーも温水便座も自動販売機もないが、散策に良し、釣りに良し、水遊びに良し、キャンプにも大いに良しの穴場の水辺。その分、キャンパーのモラルが問われる所でもある。早速テントを張る。

無地のタープと思っていたがどうやら違っていた。これはメーカー特製限定商品。商品名「木の葉のざわめき」。時が移ると模様も変わると言う、プラネタリウムのようなタープだ。 サイト作りや水遊び、夕食作りや林の探索。写真を撮る暇もない。

向こうのテントで焚火の火が揺れている。こちらのテントはそろそろ寝る準備が始まった。私はいつもの「おにぎりテント」。今年は2回しか立てていないが、秋には大いに活躍してもらいたいものだ。

キャンプの朝はいつも早い。夜明け前の薄明かり、鳥の声、遠くのテントの人が何かを蹴飛ばした金属音、かすかな波の音、朝もやの匂い・・

久しぶりに日の出を見た。

暁の空が紫からピンク、オレンジと色を変え、一瞬光ったかと思うと瞬く間に火の玉となる。日の出までの30分ほどは、まだかまだかと待つ太陽も、出始めるとあくび1つで昇って行く。穏やかなびわ湖だ。対岸までは短ければ12キロ程。今日は漕いでも気持ちいいだろう。

陽が昇って来ればお待ちかねの水遊び。

プカリプカリと浮かべば全天独り占めの青い宇宙が覆いかぶさる。この辺りにはジェットスキーもモーターボートも来ない。ややこしい釣り人もいない。子供たちも安心して遊べる所だ。

小さな魚が足元に群がってくる。えいっ!やっ! と挑んでも素手ではなかなか、いや、全く捕まえられない。それも又良しのびわ湖。

今日も穏やかなびわ湖。多景島が見える。沖の白石もくっきりと浮かぶ。GPSなどなくても真っすぐ一直線に行かれる日だ。今年は白石に行かなかった。いや、まだ過去形にするには早すぎる。秋には、冬にも行きたいものだ。

コロナ禍の今、一族全員集合とはいかなかったがとりあえずのキャンプと湖水遊びができた。設営や片付けに活躍した人。遊ぶことに活躍した人。たくさんの荷物を運ぶのに活躍したのはこのお二人だっただろうか。

この後何日かして、また湖岸が閉鎖された。良い時に行ったものだ。そんないい日、いいびわ湖、いいキャンプの記録。今頃、記した。

 

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