◆紀元前2千年頃、エジプト人は宇宙を四角い箱の中に閉じ込めようとしました。ギリシア時代になるとアルキメデスやプトレマイオスが天球儀を考案し、やがて18世紀のヨーロッパでは惑星や月の動きを精密に表現する機械となりました。現在のようなレンズを使ったプラネタリウムはドイツのカールツァイス社が1923年に試作したものです。日本では1937年に大阪の電気科学館に輸入第1号が設置され、1958年には甲子園阪神パークにミノルタの国産第1号が登場しました。現在、世界の大半のプラネタリウムは日本製です。そして、当館のミノルタMS-10は世界中で使われている投映機です。
◆地球は太陽の回りを公転しています。そして地球自身も自転しています。これらの回転の組み合わせで星空の動きを再現することができます。さらに、観測地点の緯度を変えれば地球上のどこの星空でも表現できます。プラネタリウムはこの年周運動、日周運動、緯度変化とさらに歳差運動という4つの軸で構成されています。これらが複雑に連動して、いつの空でも、どこの空でも見ることができるのです。
◆特徴的な2つの大きな球体は恒星投映球というプラネタリウムの心臓部です。ここにはミクロンサイズの穴があいた原板が入っています。この中の強力な電球の光が原板を通り、レンズで拡大された星がドームいっぱいに映し出されます。さらにその付近には5つの惑星や月、太陽、銀河、薄明、夕焼などの投映機がずらりと並んでいます。興味のある方はぜひ機械をご覧下さい。