「ダンジョンズ&ドラゴンズには「勝ち負け」は存在しない──最低でも、その言葉が普通に理解されている形では。集まって、DM とプレイヤー達は、命に関わる危険に直面する勇気ある冒険者達の興奮する物語を作り出す。時に冒険者達は獰猛なモンスター達によって調子を崩すか極悪な悪役達に消耗させられて恐ろしい終わりを迎えるかもしれない。たとえそうであったとしても、他の冒険者達が彼らの死した仲間達を復活させるために強力な魔法を探すことができるし、プレイヤーは継続して遊ぶために新たなキャラクターを創造することを選択するかも知れない。そのグループは冒険を成功に導くことに失敗することもあるかも知れないが、誰もが良い時間を過ごしたり思い出に残る物語を作り出せたなら、彼らは全員勝者なのだ。」
ここに来られる方ってのは、おおよそ検索を辿ってこられた、ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D / Dungeons and Dragons)についてご存じの方ばかりじゃないかと思います。
私はクラシックと3版、3.5版、4版を主に遊んできた世代ですから、私よりもD&Dにお詳しい方も多いんじゃないかと思いますけど、至らぬ所はご容赦下さればと思います。
ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ第五版(Dungeons and Dragons 5th edition)、公式には版の表記が無くなってダンジョンズ・アンド・ドラゴンズなのですけど、検索してもあまりこのゲームに関する情報もないようですから、何かしら紹介記事やTIPSでも書いていこうかしらというノリで、ブログを立ち上げました。
もしダンジョンズ・アンド・ドラゴンズについてよくご存じでない方は、株式会社ホビージャパンという会社の公式サイト上で無料公開されてますベーシック・ルールという物をご参照下さればよいかと。
ここ最近やたらと繋がりにくいため、アクセスしにくいかもですけどね。
http://hobbyjapan.co.jp/dd/news/5th_dnd_pg/index.html
http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/files/5e_pbr_jp.pdf
http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/files/5e_dmbr_jp.pdf
本家のサイトはこちらです。
http://dnd.wizards.com/
Wikipediaの説明はこちら
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BA%26%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%82%BA
遊んでる様子はこんな感じです。
日本語化に向けた署名や
多言語展開に向けた署名も行われています。
どんなゲームかと言えば、オーソドックスなファンタジーRPGを、コンピューターを使わずに人と人とが集まって話ながらルールに則りながら、皆でひとつの物語を紡ぎ出そうというゲームです。
そしてD&Dの第五版(D&D 5e / D&D 5th)では、基本ルールとなるプレイヤーズ・ハンドブックに9つの種族、12のクラスという物が選択できます。
今回のエントリーではその種族とクラスについて少し語っていきましょう
まず種族です
エルフ
北欧神話の妖精アルファルが元々のモチーフらしいのですけど、トールキンによって今のイメージが定着したようです。
耳が尖っていて、吊り目気味のスレンダーな森や妖精郷に住み、7世紀ほどを生きる超長命な種族です。
暗視を持ち、知覚力に優れ、1日4時間程度の瞑想を睡眠の変わりとし、魔法で眠ることが無く魅了にも強い、おまけにロングソードやロングボウといった武器にも習熟しています。
亜種族として、一般的にエルフの代名詞としてよく知られたハイ・エルフ、森の中で暮らすウッド・エルフ、悪の女神を信奉する黒い肌銀の髪のドラウがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
ダンジョンマスターズ・ガイドには亜種族の作成例として、テレポートできるエラドリンというより高位のエルフ(スター・エルフとも)のデータが紹介されています。
敏捷で、ハイエルフとエラドリンは知性が高く、ウッドエルフは洞察力に長け、ドラウは魅力的です。
ドワーフ
鉱山で働く小人族。白雪姫に出てくる七人の小人(原語ではまんまドワーフです)で有名なこの種族は、北欧のドヴェルグに出自を持つ由緒正しい妖精族です。
いちおう人間と同じ中型サイズながら、背が低くがっしりとした体型で、男性は長い髭を蓄えています。エルフほどではありませんが、3~4世紀ほど生きる長命な種族です。
暗視を持ち、毒に強く、石工道具か鍛冶道具か醸造道具に習熟し、石像物の由来に関する歴史判定に有利を持ち、アックスやハンマーといった武器にも習熟しています。
亜種族としてヒットポイントが増えるヒル・ドワーフ、軽装鎧と中装鎧に習熟しているマウンテン・ドワーフがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
また、第五版の公式世界設定であるフォーゴトン・レルムのソードコースト沿岸をメインとした設定本ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには悪のドワーフとも言うべきドゥエルガルという亜種族も紹介されています。
タフで、ヒル・ドワーフは洞察力に長け、マウンテン・ドワーフは怪力です。
他の種族が主要能力ひとつを2点、次善の能力ひとつを1点上昇させるのに対して、マウンテンドワーフだけ次善の能力も2点上昇する驚きの特性を持ちます。
ハーフリング
ホビットの別名です(笑)
世界最初のRPGがこのダンジョンズ・アンド・ドラゴンズなのですけど、ハーフリングは初出時にホビットとなっていて、トールキン側からクレームが来てハーフリングというホビットの別称に変わったというお話を聞きます。
イメージはだいたいホビットのままで、小さくすばしこく隠れるのが得意で勇敢かつ幸運な種族です。寿命は150年ほど。
亜種族は毒に強く頑丈なスタウト・ハーフリングと自分よりサイズの大きなクリーチャーの背後に隠れる才能を持つライトフット・ハーフリングがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドにはテレパシーを使うゴーストワイズ・ハーフリングという亜種族も紹介されています。
すばしっこく、ライトフット・ハーフリングは魅力的で、スタウト・ハーフリングはタフです。
ヒューマン
我々人類をモチーフとした種族です。
世界に広く分布していて、満遍なく能力値が高く、様々な外見・体型の人間が分布しています。
特殊能力が一切なく、全部の能力値が1点ずつ上がるという非常に使い勝手の悪い種族になってます。
亜種族はありませんが、特技という要素を使って良いことにしていれば選べるバリアント・ヒューマンは、能力値がふたつだけ1点上昇するかわりに特技ひとつと技能ひとつを任意に修得できます。バリアント・ヒューマンは特技ひとつのお陰でやたら強力な種族になっていて、極端ですよ。
これが主要4種族(亜種族含めれば11種族+ヒューマン・バリアントです)。
そして滅多に出会わない種族として以下の種族も使えます。
ティーフリング
アスモデウスの血が混ざった、角と尻尾のある種族。
暗視を持ち、[火]ダメージに抵抗を有し、地獄の血筋に由来する魔法を扱います。寿命は人間とほぼ変わらず。
前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには、別の悪魔の血が混ざってるティーフリングという説明で、バリアントが紹介されています。
能力値の上昇具合を違う形に変化させたり、魔法を扱う能力を別の魔法に置き換えたり、魔法を使う能力の代わりに翼を生やして飛行できたりします。
ちなみに公式のゲームプレイレギュレーションAdventurers Leagueにおいては飛行能力がNGな模様で、この能力だけ選択できないという十字架を背負っています。
魅力的で理知的。バリアントで能力値をいじる場合は機敏で知的。
ドラゴンボーン
魔法的な儀式によって生み出された人型の竜族です。でもゲーム上の生物種別は明記されておらず不明。
初出だったと思われるRace of the Dragonでは竜族だったと思うんですけど、あれ?
祖先となるドラゴンの種類に応じたダメージ抵抗とブレス武器を持ちます。寿命はヒューマンよりも気持ち短命。
怪力で魅力的。
ちなみに、ドラゴンとヒューマノイドの混血であるハーフ・ドラゴンとはまた違い、モンスター・マニュアルにはこのハーフ・ドラゴンも収録されてますので、誤解無きよう。
ノーム
幻術に長けた陽気で人なつっこい小人族。出自はパラケルススの四大精霊からでしょうか。
暗視を持ち、魔法に対する知識が豊富でおよそ5世紀くらいの寿命を持ちます。
亜種族として、幻術に適正を持ち動物と簡単な意思疎通ができるフォレスト・ノーム、工芸や発明が好きで、機械仕掛けの小物を作る能力を持つロック・ノームがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドやエレメンタル・イーヴル・プレイヤーズ・コンパニオンという無料のサプリメントには、より強力な暗視を持ち医師のような肌質から石に擬態できるディープ・ノーム(スヴァーフネブリン)という亜種族も紹介されています。
その見た目や態度と裏腹に知的で、フォレスト・ノームやディープ・ノームはすばしっこく、ロック・ノームはタフです。
ハーフエルフ
エルフとヒューマンの間にできた子供で、どちらの社会にも適応できない寂しい種族。
エルフ由来の暗視と魔法で眠らない能力、魅了に強い耐性、そしてヒューマン由来の能力値の自由度(魅力を主要能力として、2つの次善能力を選択できる)と技能への適正を持ちます。寿命は180歳ほど。
前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには、エルフの親によって得られる能力値が変わるという説明で、バリアントが紹介されています。
技能に対する習熟を捨て去る代わりに、エルフの知覚力と親エルフ亜種族の指定された特徴ひとつを得ます。
ハーフオーク
オークとヒューマンの間に生まれた種族で、オーク部族に適応するか適応できずに冒険者となる道を選ぶような感じの種族です。
暗視を持ち、威圧に長け、大休憩という8時間の休息を得るまでの間に1度ならヒットポイントが0になっても1で持ちこたえる能力や、クリティカル・ヒットが出れば武器のダメージ・ダイスを1個増り足せる能力を持ちます。寿命は人間より気持ち短いくらい。
怪力で、タフ。
加えてダンジョンマスターズ・ガイドというゲームマスター向けのガイド本では自作種族の例としてアアシマールが紹介されています。
アアシマール
ティーフリングと対極的に、天界の生物の血を引く種族。欠点のない肌を持つ光り輝く人間のように見えるそう。
暗視を持ち、[光輝]ダメージと[死霊]ダメージに抵抗力を持ち、天界の血筋に由来する魔法能力も持っています。寿命はヒューマンより数年ほど長生きとのこと。
魅力的で、洞察力に長けています。
また、前出のエレメンタル・イーヴル・プレイヤーズ・コンパニオンという無料のサプリメントには以下の種族が掲載されています。
アアラコクラ
鳥人間。風の精霊界からやってきた種族です。
歩くのが遅い(25フィート)代わりに飛行速度50フィートを持ち、1d4ダメージを持つ自らの鉤爪に習熟しています。寿命はなんと30歳。
老化や寿命に関する明確なルールが存在していませんから大丈夫ですけど、なかなかシビアですね^^;
ちなみに公式のゲームプレイレギュレーションAdventurers Leagueにおいては飛行能力がNGな模様で、使用種族として選択できないという十字架を背負っています。
機敏で洞察力に長けています。
ゴライアス
出自は旧約聖書に登場するペリシテの巨人ゴリアテの模様です。
高山地帯に住む、ギリギリ中型サイズの巨人の一種で(でもドラゴンボーン同様種別は不明です)、運動能力に長け、ダメージを減少させる能力を持ち、サイズを一段大きいものとして荷物を持ち運んだり重量物を扱うことができ、寒冷な環境にも強い種族です。
3.5版や4版に比べると、割合格好良くなりました。
怪力でタフです。
ジェナシ
地水火風の四大精霊の血筋を持つ種族です。
四大元素に対応したアース、ウォーター、エア、ファイヤーの4種の亜種族に分かれ、それぞれ対応する元素に応じた能力を持ちます。
タフで、アース・ジェナシは怪力、エア・ジェナシは機敏、ウォーター・ジェナシは洞察力に長け、ファイヤー・ジェナシは知的です。
これが現在プレイヤー向けの種族として選択できる、亜種族まで含めると22種族+バリアント3種です。
プレイテスト中ではありますけど、エベロンという世界に登場する種族も紹介されていますので、選択肢はまだまだ増えそうな感じですよ。
そしてクラス。
今回の5版では、クラスとしての主要な成長は同じながら、特殊な能力を選択的に伸ばして行くサブクラスというものがあり、キャラクター作成の段階である程度はサブクラスの成長まで見据えて作った方が良さそうですよ。
クラスの種類は以下の12種あります。
ウィザード
呪文書に魔法を記録して運用する、ザ・魔法使い。
呪文書に記載してある「儀式」タグ付きの呪文は準備も無しに儀式発動できます。便利呪文使いとしては唯一無二の存在。
1日に1回、1時間の休息である小休憩中に自分のウィザード・レベルの半分に等しい合計レベルの呪文スロットを回復できるので、額面よりも少し魔法を多く使えます。
2レベルからサブクラス選択ができ、呪文の系統である幻術、召喚術、死霊術、心術、占術、変成術、防御術、力術のいずれかに特化して行きます。
旧版のように特化したから使えなくなる系統が出て来るなんて事はありません。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドではエルフとハーフエルフのみが選べるブレードシンガーという近接戦もこなせるようになるサブクラスも紹介されています。
ウォーロック
異界の存在との契約により魔法を使える、ウィッチ的な魔法使い。
異界の存在はアーチフェイ(大妖精)やグレート・オールド・ワンやフィーンド(魔族)。
契約する相手によって、取得できる魔法のリストが拡張され、貰える特殊能力も変わってきます。
加えて、契約の証となるものを本か使い魔か剣という形で具現化でき、それによって運用方法が変わってくる、ちょっと趣味的なクラスの印象です。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドではアンダイイング(不死者)との契約も追加され、年を取らなくなったり、ちぎれた身体部位をくっつける能力を得たりと、フレーバー的な部分が充実しています。
呪文スロットがどれだけレベルを上げても5レベル以下の呪文が最大4回分で6-9レベルは大休憩までに1回ずつ、小休憩か大休憩で5レベル以下の呪文の使用回数は全回復するのですけど、ちょっと息切れしやすいクラスに感じます。
クレリック
神に仕える聖職者。仕える神の持つ領域に即した領域呪文や特殊能力を使うことができます。
選択できる領域は欺き、嵐、死(ダンジョンマスターズ・ガイドに掲載)、自然、生命、戦争、知識、光、魔術(ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドに掲載)
基本的には単純武器と中装までの鎧と楯にしか習熟していませんが、選ぶ領域次第で重装鎧に習熟したり軍用武器に習熟したりします。
お勧めは回復力にブーストの掛かる生命領域か、武器防具を万全に整えられて自分に攻撃を当てた相手に2d6ダメージの稲妻を浴びせる嵐領域でしょうか。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには中立や善の嵐神も存在しますので、プレイヤーズ・ハンドブックを見て「嵐領域は邪神しかいないじゃないか!」と嘆く必要もありませんよ。
強い弱いに関わらず、パーティーには必須のクラスです。
ソーサラー
生まれ持った才能で魔法を使う、いわゆる天才魔法使い。
ソーサリー・ポイントという物を使って魔法を変化させたり一時的に呪文スロットを増やしたりできます。
ですけど、プレイヤーズ・ハンドブックで選択できるサブクラスが、ドラゴンの血を受け継ぎ身体に鱗が生えたり竜の翼が生えたりするものか、呪文を使う度にはた迷惑なワイルドマジック表なるものを振ることになる可能性が出てきくるもの(まあd20を振って1が出た時か自発的に起こす場合くらいしか振りませんけど)かの選択となるのが難点でしょうか。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには嵐の力を操るソーサラーのサブクラスが収録され、ようやくまっとうにソーサラーで遊べるかなあと感じています。
あとは持てる呪文のレパートリーが非常に少ないのも、ちょっと気になるところですよ。
ドルイド
自然との調和を大事にする魔法使い。変身能力を持っています。ややクレリック寄りながらウィザードとの間くらいにいる感じのクラスです。
金属的な鎧を身につけてはならないため、防御面でやや不安が出るクラスですけど、選択次第であまり問題は出ないような感じです。
サブクラスは魔法能力を強化させるものか、変身能力を強化させる物になります。
変身能力の強化は、低レベルの間はいきなりファイターやバーバリアンよりも火力の出る熊やダイア・ウルフや特殊能力が恐ろしいジャイアント・スパイダーなどになれるため、前衛的にも後衛的にも活躍できること間違い無しです。
でも脅威度がレベルの1/3(最低1、端数切捨)までの動物に限られるため、伸び悩んでくるのが考え物でしょうか。
魔法強化方向のドルイドは、ウィザード同様の呪文スロット回復能力を持ち、準備可能な呪文とは別に常に準備状態の呪文リストを持てます。
こちらは割と普通な感じです。
バード
楽器演奏と歌唱で仲間を鼓舞する魔法戦士。アイルランドの伝承に登場する、まんまバードがモデルでしょう。
大休憩までの間に自分の【魅力】修正値に等しい回数まで、味方を鼓舞し、鼓舞された相手は10分以内に行う1回の判定に鼓舞のダイスを加算できます。
バードのレベルが上がる毎にこのダイスの種類は大きな物に変わり、小休憩でも回数が回復するようにもなります。
また、10レベル、14レベル、18レベルに、あらゆるクラスの呪文から修得可能なレベルの呪文を2つずつ修得できるため、パーティーに求められる魔法使い成分に合わせられるのもメリットです。
サブクラスは敵の攻撃を妨害したり呪文数を6レベルで2つ増やしたりする歌と魔法の強化方面か、中装鎧と楯と軍用武器に習熟して、鼓舞のダイスをダメージにも適用できるようにしたり、攻撃回数が増えたり、呪文を発動したターンにボーナスアクションで1回攻撃を行えるようになる戦闘力強化の道があります。
バーバリアン
自然の力と怒りの力を戦闘力に変えて戦う狂戦士。
防具を着用しないことで(楯は持てる)【耐久力】を防御力に転換でき、大休憩までに特定回数だけ突入できる「激怒」という能力によって最長1分間、ダメージにバーバリアンレベルで決まる激怒ボーナスを加算でき、[殴打][斬撃][刺突]に対する抵抗を持てます。レベルが上がると、自発的に1ラウンド1回の攻撃に有利を付ける代わりに、そのラウンド中のあらゆる敵からの攻撃にも有利が付く能力や、クリティカル・ヒットが出た時のダメージダイスが本来の2倍から3倍4倍と増えてゆき、最終的には5倍にまで達する能力も身に付きます。
一見攻撃回数が少なく激怒による追加ダメージも大きくないため、あまり攻撃力が高く無さそうに感じるかも知れませんけど、1ラウンド1回有利を付けられたりクリティカルでダイスが増えるのが地味に強く、案外強力なクラスです。
サブクラスは激怒を強化する代わりに消耗状態を招くものと、動物の祖霊をトーテムとし、そのトーテムの加護による特殊能力を得るものの2種類があります。
個人的にはトーテムお勧めですよ。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドにはドワーフ専用のバトルレイジャーというサブクラスが追加されています。スパイクト・アーマーの使いこなしに長けるクラスですけど、微妙な感じがしますね。
パラディン
神に愛される聖戦士。己に誓約という戒めを課す代わりに、強力なスマイトという能力を持ち、状態異常に対する防御のオーラを放ち、クレリックに近い呪文を使用できるクラスです。
サブクラスは正当なパラディンとしての道を進むもの、自然の守護者として進むもの、そして神罰の代行者として悪を追いかけ回し、最後には天使と化すものの3つがあります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには人に仕えることで力を発揮するものが追加されています。一対一の戦闘を仕掛けたり、仲間を応援してヒットポイントを回復したり、防御力が上がるような感じですが、今一つインパクトには欠けるかもしれません。
ダンジョンマスターズ・ガイドには制約を破った事と引き替えに、魔族やアンデッドを従えたり強化する能力を持つオース・ブレイカーというサブクラスも掲載されてます。
ファイター
純粋な戦士です。
1レベルから、制限のないアクションを1回、小休憩までの間に増やすことができることと、11レベルから3回、20レベルで4回の攻撃を持てるようになる、肉弾戦のエキスパートです。
アクションを1回増やせるということは、小休憩までに1度きりとは言え、6回攻撃とか8回攻撃が行えるので、安定して強力なクラスです。
サブクラスは特に突出した特殊能力を持たない代わりにクリティカル値が唯一低下するもの、様々な戦闘技術を技巧ダイスというダイスを消費することで放ち、追加ダメージも与えられるもの、そして最終的に4レベル呪文までではありますが、ウィザード呪文を扱うことができる魔法戦士があります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには自分のヒットポイントを回復する「底力」を使った時に仲間のヒットポイントも回復し、仲間を鼓舞してリアクションを使った行動を行わせたり、自分が失敗したセーヴィングスローを再ロールする時に、同じ効果でセーヴに失敗した1体の仲間も再ロールさせることができるパープル・ドラゴン・ナイト(レルム以外ではバナレット騎士)というものが加わっています。
第四版で言うところのウォーロード的なサブクラスですね。
モンク
いわゆる格闘家です。完全な徒手空拳で戦うクラスではなく、中国の武侠映画のようなイメージでしょうか、モンク武器というショートソードと重武器でも両手武器でもない単純武器を用いて戦います。
また、「気」という能力を持ち、それを使うことで色々と特殊なこともできます。
サブクラスはあくまでカンフー的な戦い方を貫く流派と、元素の力を用いて遠隔攻撃を行ったり飛んだり土壁を作ったりできる流派と、影から影へと跳び回るニンジャ的な流派があります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには光の玉を作って相手にぶつけたりするサン・ソウルという流派や死に関わることで特殊な効果を得たり致死的なダメージを与えるロング・デスという流派があります。
旧来の版では色んな能力値を高めないといけないクラスでしたけど、敏捷力と判断力さえ上げておけば戦えるクラスになりましたし、かなり強い部類ですよ。
レンジャー
得意な地形と得意な敵という2つの柱に注力する野戦の専門家。
得意な地形では〈生存〉技能を使って見つけられる食料の量が倍になるという、野外で迷った時に使える能力を持ってます。
得意な敵は、その相手の知識やその種別のクリーチャーが扱う原語を豊富に持てるのが強みです。
ここ以外のどこにもルール上明記されてませんが、モンスターに関する【知力】判定でモンスターの情報を得られるようなことも示唆されていて、レンジャーは得意な敵に対するその判定と追跡のための判定に有利を持ちます。
選択できるサブクラスは火力(どちらかというと対集団向けの)を強化して行くものと、動物の相棒を従えるもの。
動物の相棒を連れ歩くレンジャーは、全クラス&サブクラス中最も微妙かもしれません。
一点集中的な火力では、おそらく前衛職中で最もダメージ出力が弱いかも知れませんけど、野外冒険と集団戦では輝くような、そんなイメージです。
ローグ
直訳すると「悪漢」ですが、とりあえず罠の探索やお宝の鍵開けなどで重宝する盗賊系クラスです。
範囲攻撃の回避能力や、判定の信頼性強化など、冒険で役立つ能力が上がっていきます。。
同時に、発動条件があるものの、攻撃が命中すれば1ターンに1回大ダメージを与える「急所攻撃」を持ちます。
アタッカーとしてはファイター5レベルを混ぜて2回攻撃にし、二刀流を駆使して1ターン3回攻撃とすれば、ファイターに匹敵するくらいの火力が出せる強クラスに化けました。
サブクラスとしては、盗賊としての能力を純粋に強化し、魔法のアイテムの使用条件を誤魔化す能力を持つ道と、暗殺者としての方向を強化する道、メイジ・ハンドを起点とした便利魔法を修得していく魔法泥棒の道があります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには一対一の戦闘と華麗な身ごなしに重きを置いたスワッシュバックラーと、遠隔支援や自分に対する攻撃の誤爆、思考のブロックと誤情報の提供を行うマスターマインドが追加されています。
と、ざあっと流れで紹介しましたけど、どんなもんでしょうか?
これだけだとよく分かりませんよね^^;;
ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ第五版に関してのご質問や、こんな事を紹介して欲しいなどのご要望があればコメント欄にでもお書き下さいませ。
素のルールですと、割とドラクエやウィザードリィ的な味方勢力対敵勢力のような単純な運用から、グリッドを用意して位置関係を詳細に把握しながら戦うような運用までできますので、そういったところもご紹介できればなあとは思います。
さしあたって次回更新ではキャラクターを作成するところをご紹介しましょうか。
ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ、プレイヤーズ・ハンドブック序文より
ここに来られる方ってのは、おおよそ検索を辿ってこられた、ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D / Dungeons and Dragons)についてご存じの方ばかりじゃないかと思います。
私はクラシックと3版、3.5版、4版を主に遊んできた世代ですから、私よりもD&Dにお詳しい方も多いんじゃないかと思いますけど、至らぬ所はご容赦下さればと思います。
ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ第五版(Dungeons and Dragons 5th edition)、公式には版の表記が無くなってダンジョンズ・アンド・ドラゴンズなのですけど、検索してもあまりこのゲームに関する情報もないようですから、何かしら紹介記事やTIPSでも書いていこうかしらというノリで、ブログを立ち上げました。
もしダンジョンズ・アンド・ドラゴンズについてよくご存じでない方は、株式会社ホビージャパンという会社の公式サイト上で無料公開されてますベーシック・ルールという物をご参照下さればよいかと。
ここ最近やたらと繋がりにくいため、アクセスしにくいかもですけどね。
http://hobbyjapan.co.jp/dd/news/5th_dnd_pg/index.html
http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/files/5e_pbr_jp.pdf
http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/files/5e_dmbr_jp.pdf
本家のサイトはこちらです。
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Wikipediaの説明はこちら
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遊んでる様子はこんな感じです。
日本語化に向けた署名や
多言語展開に向けた署名も行われています。
どんなゲームかと言えば、オーソドックスなファンタジーRPGを、コンピューターを使わずに人と人とが集まって話ながらルールに則りながら、皆でひとつの物語を紡ぎ出そうというゲームです。
そしてD&Dの第五版(D&D 5e / D&D 5th)では、基本ルールとなるプレイヤーズ・ハンドブックに9つの種族、12のクラスという物が選択できます。
今回のエントリーではその種族とクラスについて少し語っていきましょう
まず種族です
エルフ
北欧神話の妖精アルファルが元々のモチーフらしいのですけど、トールキンによって今のイメージが定着したようです。
耳が尖っていて、吊り目気味のスレンダーな森や妖精郷に住み、7世紀ほどを生きる超長命な種族です。
暗視を持ち、知覚力に優れ、1日4時間程度の瞑想を睡眠の変わりとし、魔法で眠ることが無く魅了にも強い、おまけにロングソードやロングボウといった武器にも習熟しています。
亜種族として、一般的にエルフの代名詞としてよく知られたハイ・エルフ、森の中で暮らすウッド・エルフ、悪の女神を信奉する黒い肌銀の髪のドラウがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
ダンジョンマスターズ・ガイドには亜種族の作成例として、テレポートできるエラドリンというより高位のエルフ(スター・エルフとも)のデータが紹介されています。
敏捷で、ハイエルフとエラドリンは知性が高く、ウッドエルフは洞察力に長け、ドラウは魅力的です。
ドワーフ
鉱山で働く小人族。白雪姫に出てくる七人の小人(原語ではまんまドワーフです)で有名なこの種族は、北欧のドヴェルグに出自を持つ由緒正しい妖精族です。
いちおう人間と同じ中型サイズながら、背が低くがっしりとした体型で、男性は長い髭を蓄えています。エルフほどではありませんが、3~4世紀ほど生きる長命な種族です。
暗視を持ち、毒に強く、石工道具か鍛冶道具か醸造道具に習熟し、石像物の由来に関する歴史判定に有利を持ち、アックスやハンマーといった武器にも習熟しています。
亜種族としてヒットポイントが増えるヒル・ドワーフ、軽装鎧と中装鎧に習熟しているマウンテン・ドワーフがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
また、第五版の公式世界設定であるフォーゴトン・レルムのソードコースト沿岸をメインとした設定本ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには悪のドワーフとも言うべきドゥエルガルという亜種族も紹介されています。
タフで、ヒル・ドワーフは洞察力に長け、マウンテン・ドワーフは怪力です。
他の種族が主要能力ひとつを2点、次善の能力ひとつを1点上昇させるのに対して、マウンテンドワーフだけ次善の能力も2点上昇する驚きの特性を持ちます。
ハーフリング
ホビットの別名です(笑)
世界最初のRPGがこのダンジョンズ・アンド・ドラゴンズなのですけど、ハーフリングは初出時にホビットとなっていて、トールキン側からクレームが来てハーフリングというホビットの別称に変わったというお話を聞きます。
イメージはだいたいホビットのままで、小さくすばしこく隠れるのが得意で勇敢かつ幸運な種族です。寿命は150年ほど。
亜種族は毒に強く頑丈なスタウト・ハーフリングと自分よりサイズの大きなクリーチャーの背後に隠れる才能を持つライトフット・ハーフリングがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドにはテレパシーを使うゴーストワイズ・ハーフリングという亜種族も紹介されています。
すばしっこく、ライトフット・ハーフリングは魅力的で、スタウト・ハーフリングはタフです。
ヒューマン
我々人類をモチーフとした種族です。
世界に広く分布していて、満遍なく能力値が高く、様々な外見・体型の人間が分布しています。
特殊能力が一切なく、全部の能力値が1点ずつ上がるという非常に使い勝手の悪い種族になってます。
亜種族はありませんが、特技という要素を使って良いことにしていれば選べるバリアント・ヒューマンは、能力値がふたつだけ1点上昇するかわりに特技ひとつと技能ひとつを任意に修得できます。バリアント・ヒューマンは特技ひとつのお陰でやたら強力な種族になっていて、極端ですよ。
これが主要4種族(亜種族含めれば11種族+ヒューマン・バリアントです)。
そして滅多に出会わない種族として以下の種族も使えます。
ティーフリング
アスモデウスの血が混ざった、角と尻尾のある種族。
暗視を持ち、[火]ダメージに抵抗を有し、地獄の血筋に由来する魔法を扱います。寿命は人間とほぼ変わらず。
前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには、別の悪魔の血が混ざってるティーフリングという説明で、バリアントが紹介されています。
能力値の上昇具合を違う形に変化させたり、魔法を扱う能力を別の魔法に置き換えたり、魔法を使う能力の代わりに翼を生やして飛行できたりします。
ちなみに公式のゲームプレイレギュレーションAdventurers Leagueにおいては飛行能力がNGな模様で、この能力だけ選択できないという十字架を背負っています。
魅力的で理知的。バリアントで能力値をいじる場合は機敏で知的。
ドラゴンボーン
魔法的な儀式によって生み出された人型の竜族です。でもゲーム上の生物種別は明記されておらず不明。
初出だったと思われるRace of the Dragonでは竜族だったと思うんですけど、あれ?
祖先となるドラゴンの種類に応じたダメージ抵抗とブレス武器を持ちます。寿命はヒューマンよりも気持ち短命。
怪力で魅力的。
ちなみに、ドラゴンとヒューマノイドの混血であるハーフ・ドラゴンとはまた違い、モンスター・マニュアルにはこのハーフ・ドラゴンも収録されてますので、誤解無きよう。
ノーム
幻術に長けた陽気で人なつっこい小人族。出自はパラケルススの四大精霊からでしょうか。
暗視を持ち、魔法に対する知識が豊富でおよそ5世紀くらいの寿命を持ちます。
亜種族として、幻術に適正を持ち動物と簡単な意思疎通ができるフォレスト・ノーム、工芸や発明が好きで、機械仕掛けの小物を作る能力を持つロック・ノームがプレイヤーズ・ハンドブックに紹介されています。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドやエレメンタル・イーヴル・プレイヤーズ・コンパニオンという無料のサプリメントには、より強力な暗視を持ち医師のような肌質から石に擬態できるディープ・ノーム(スヴァーフネブリン)という亜種族も紹介されています。
その見た目や態度と裏腹に知的で、フォレスト・ノームやディープ・ノームはすばしっこく、ロック・ノームはタフです。
ハーフエルフ
エルフとヒューマンの間にできた子供で、どちらの社会にも適応できない寂しい種族。
エルフ由来の暗視と魔法で眠らない能力、魅了に強い耐性、そしてヒューマン由来の能力値の自由度(魅力を主要能力として、2つの次善能力を選択できる)と技能への適正を持ちます。寿命は180歳ほど。
前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには、エルフの親によって得られる能力値が変わるという説明で、バリアントが紹介されています。
技能に対する習熟を捨て去る代わりに、エルフの知覚力と親エルフ亜種族の指定された特徴ひとつを得ます。
ハーフオーク
オークとヒューマンの間に生まれた種族で、オーク部族に適応するか適応できずに冒険者となる道を選ぶような感じの種族です。
暗視を持ち、威圧に長け、大休憩という8時間の休息を得るまでの間に1度ならヒットポイントが0になっても1で持ちこたえる能力や、クリティカル・ヒットが出れば武器のダメージ・ダイスを1個増り足せる能力を持ちます。寿命は人間より気持ち短いくらい。
怪力で、タフ。
加えてダンジョンマスターズ・ガイドというゲームマスター向けのガイド本では自作種族の例としてアアシマールが紹介されています。
アアシマール
ティーフリングと対極的に、天界の生物の血を引く種族。欠点のない肌を持つ光り輝く人間のように見えるそう。
暗視を持ち、[光輝]ダメージと[死霊]ダメージに抵抗力を持ち、天界の血筋に由来する魔法能力も持っています。寿命はヒューマンより数年ほど長生きとのこと。
魅力的で、洞察力に長けています。
また、前出のエレメンタル・イーヴル・プレイヤーズ・コンパニオンという無料のサプリメントには以下の種族が掲載されています。
アアラコクラ
鳥人間。風の精霊界からやってきた種族です。
歩くのが遅い(25フィート)代わりに飛行速度50フィートを持ち、1d4ダメージを持つ自らの鉤爪に習熟しています。寿命はなんと30歳。
老化や寿命に関する明確なルールが存在していませんから大丈夫ですけど、なかなかシビアですね^^;
ちなみに公式のゲームプレイレギュレーションAdventurers Leagueにおいては飛行能力がNGな模様で、使用種族として選択できないという十字架を背負っています。
機敏で洞察力に長けています。
ゴライアス
出自は旧約聖書に登場するペリシテの巨人ゴリアテの模様です。
高山地帯に住む、ギリギリ中型サイズの巨人の一種で(でもドラゴンボーン同様種別は不明です)、運動能力に長け、ダメージを減少させる能力を持ち、サイズを一段大きいものとして荷物を持ち運んだり重量物を扱うことができ、寒冷な環境にも強い種族です。
3.5版や4版に比べると、割合格好良くなりました。
怪力でタフです。
ジェナシ
地水火風の四大精霊の血筋を持つ種族です。
四大元素に対応したアース、ウォーター、エア、ファイヤーの4種の亜種族に分かれ、それぞれ対応する元素に応じた能力を持ちます。
タフで、アース・ジェナシは怪力、エア・ジェナシは機敏、ウォーター・ジェナシは洞察力に長け、ファイヤー・ジェナシは知的です。
これが現在プレイヤー向けの種族として選択できる、亜種族まで含めると22種族+バリアント3種です。
プレイテスト中ではありますけど、エベロンという世界に登場する種族も紹介されていますので、選択肢はまだまだ増えそうな感じですよ。
そしてクラス。
今回の5版では、クラスとしての主要な成長は同じながら、特殊な能力を選択的に伸ばして行くサブクラスというものがあり、キャラクター作成の段階である程度はサブクラスの成長まで見据えて作った方が良さそうですよ。
クラスの種類は以下の12種あります。
ウィザード
呪文書に魔法を記録して運用する、ザ・魔法使い。
呪文書に記載してある「儀式」タグ付きの呪文は準備も無しに儀式発動できます。便利呪文使いとしては唯一無二の存在。
1日に1回、1時間の休息である小休憩中に自分のウィザード・レベルの半分に等しい合計レベルの呪文スロットを回復できるので、額面よりも少し魔法を多く使えます。
2レベルからサブクラス選択ができ、呪文の系統である幻術、召喚術、死霊術、心術、占術、変成術、防御術、力術のいずれかに特化して行きます。
旧版のように特化したから使えなくなる系統が出て来るなんて事はありません。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドではエルフとハーフエルフのみが選べるブレードシンガーという近接戦もこなせるようになるサブクラスも紹介されています。
ウォーロック
異界の存在との契約により魔法を使える、ウィッチ的な魔法使い。
異界の存在はアーチフェイ(大妖精)やグレート・オールド・ワンやフィーンド(魔族)。
契約する相手によって、取得できる魔法のリストが拡張され、貰える特殊能力も変わってきます。
加えて、契約の証となるものを本か使い魔か剣という形で具現化でき、それによって運用方法が変わってくる、ちょっと趣味的なクラスの印象です。
また、前出のソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドではアンダイイング(不死者)との契約も追加され、年を取らなくなったり、ちぎれた身体部位をくっつける能力を得たりと、フレーバー的な部分が充実しています。
呪文スロットがどれだけレベルを上げても5レベル以下の呪文が最大4回分で6-9レベルは大休憩までに1回ずつ、小休憩か大休憩で5レベル以下の呪文の使用回数は全回復するのですけど、ちょっと息切れしやすいクラスに感じます。
クレリック
神に仕える聖職者。仕える神の持つ領域に即した領域呪文や特殊能力を使うことができます。
選択できる領域は欺き、嵐、死(ダンジョンマスターズ・ガイドに掲載)、自然、生命、戦争、知識、光、魔術(ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドに掲載)
基本的には単純武器と中装までの鎧と楯にしか習熟していませんが、選ぶ領域次第で重装鎧に習熟したり軍用武器に習熟したりします。
お勧めは回復力にブーストの掛かる生命領域か、武器防具を万全に整えられて自分に攻撃を当てた相手に2d6ダメージの稲妻を浴びせる嵐領域でしょうか。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには中立や善の嵐神も存在しますので、プレイヤーズ・ハンドブックを見て「嵐領域は邪神しかいないじゃないか!」と嘆く必要もありませんよ。
強い弱いに関わらず、パーティーには必須のクラスです。
ソーサラー
生まれ持った才能で魔法を使う、いわゆる天才魔法使い。
ソーサリー・ポイントという物を使って魔法を変化させたり一時的に呪文スロットを増やしたりできます。
ですけど、プレイヤーズ・ハンドブックで選択できるサブクラスが、ドラゴンの血を受け継ぎ身体に鱗が生えたり竜の翼が生えたりするものか、呪文を使う度にはた迷惑なワイルドマジック表なるものを振ることになる可能性が出てきくるもの(まあd20を振って1が出た時か自発的に起こす場合くらいしか振りませんけど)かの選択となるのが難点でしょうか。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには嵐の力を操るソーサラーのサブクラスが収録され、ようやくまっとうにソーサラーで遊べるかなあと感じています。
あとは持てる呪文のレパートリーが非常に少ないのも、ちょっと気になるところですよ。
ドルイド
自然との調和を大事にする魔法使い。変身能力を持っています。ややクレリック寄りながらウィザードとの間くらいにいる感じのクラスです。
金属的な鎧を身につけてはならないため、防御面でやや不安が出るクラスですけど、選択次第であまり問題は出ないような感じです。
サブクラスは魔法能力を強化させるものか、変身能力を強化させる物になります。
変身能力の強化は、低レベルの間はいきなりファイターやバーバリアンよりも火力の出る熊やダイア・ウルフや特殊能力が恐ろしいジャイアント・スパイダーなどになれるため、前衛的にも後衛的にも活躍できること間違い無しです。
でも脅威度がレベルの1/3(最低1、端数切捨)までの動物に限られるため、伸び悩んでくるのが考え物でしょうか。
魔法強化方向のドルイドは、ウィザード同様の呪文スロット回復能力を持ち、準備可能な呪文とは別に常に準備状態の呪文リストを持てます。
こちらは割と普通な感じです。
バード
楽器演奏と歌唱で仲間を鼓舞する魔法戦士。アイルランドの伝承に登場する、まんまバードがモデルでしょう。
大休憩までの間に自分の【魅力】修正値に等しい回数まで、味方を鼓舞し、鼓舞された相手は10分以内に行う1回の判定に鼓舞のダイスを加算できます。
バードのレベルが上がる毎にこのダイスの種類は大きな物に変わり、小休憩でも回数が回復するようにもなります。
また、10レベル、14レベル、18レベルに、あらゆるクラスの呪文から修得可能なレベルの呪文を2つずつ修得できるため、パーティーに求められる魔法使い成分に合わせられるのもメリットです。
サブクラスは敵の攻撃を妨害したり呪文数を6レベルで2つ増やしたりする歌と魔法の強化方面か、中装鎧と楯と軍用武器に習熟して、鼓舞のダイスをダメージにも適用できるようにしたり、攻撃回数が増えたり、呪文を発動したターンにボーナスアクションで1回攻撃を行えるようになる戦闘力強化の道があります。
バーバリアン
自然の力と怒りの力を戦闘力に変えて戦う狂戦士。
防具を着用しないことで(楯は持てる)【耐久力】を防御力に転換でき、大休憩までに特定回数だけ突入できる「激怒」という能力によって最長1分間、ダメージにバーバリアンレベルで決まる激怒ボーナスを加算でき、[殴打][斬撃][刺突]に対する抵抗を持てます。レベルが上がると、自発的に1ラウンド1回の攻撃に有利を付ける代わりに、そのラウンド中のあらゆる敵からの攻撃にも有利が付く能力や、クリティカル・ヒットが出た時のダメージダイスが本来の2倍から3倍4倍と増えてゆき、最終的には5倍にまで達する能力も身に付きます。
一見攻撃回数が少なく激怒による追加ダメージも大きくないため、あまり攻撃力が高く無さそうに感じるかも知れませんけど、1ラウンド1回有利を付けられたりクリティカルでダイスが増えるのが地味に強く、案外強力なクラスです。
サブクラスは激怒を強化する代わりに消耗状態を招くものと、動物の祖霊をトーテムとし、そのトーテムの加護による特殊能力を得るものの2種類があります。
個人的にはトーテムお勧めですよ。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドにはドワーフ専用のバトルレイジャーというサブクラスが追加されています。スパイクト・アーマーの使いこなしに長けるクラスですけど、微妙な感じがしますね。
パラディン
神に愛される聖戦士。己に誓約という戒めを課す代わりに、強力なスマイトという能力を持ち、状態異常に対する防御のオーラを放ち、クレリックに近い呪文を使用できるクラスです。
サブクラスは正当なパラディンとしての道を進むもの、自然の守護者として進むもの、そして神罰の代行者として悪を追いかけ回し、最後には天使と化すものの3つがあります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには人に仕えることで力を発揮するものが追加されています。一対一の戦闘を仕掛けたり、仲間を応援してヒットポイントを回復したり、防御力が上がるような感じですが、今一つインパクトには欠けるかもしれません。
ダンジョンマスターズ・ガイドには制約を破った事と引き替えに、魔族やアンデッドを従えたり強化する能力を持つオース・ブレイカーというサブクラスも掲載されてます。
ファイター
純粋な戦士です。
1レベルから、制限のないアクションを1回、小休憩までの間に増やすことができることと、11レベルから3回、20レベルで4回の攻撃を持てるようになる、肉弾戦のエキスパートです。
アクションを1回増やせるということは、小休憩までに1度きりとは言え、6回攻撃とか8回攻撃が行えるので、安定して強力なクラスです。
サブクラスは特に突出した特殊能力を持たない代わりにクリティカル値が唯一低下するもの、様々な戦闘技術を技巧ダイスというダイスを消費することで放ち、追加ダメージも与えられるもの、そして最終的に4レベル呪文までではありますが、ウィザード呪文を扱うことができる魔法戦士があります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには自分のヒットポイントを回復する「底力」を使った時に仲間のヒットポイントも回復し、仲間を鼓舞してリアクションを使った行動を行わせたり、自分が失敗したセーヴィングスローを再ロールする時に、同じ効果でセーヴに失敗した1体の仲間も再ロールさせることができるパープル・ドラゴン・ナイト(レルム以外ではバナレット騎士)というものが加わっています。
第四版で言うところのウォーロード的なサブクラスですね。
モンク
いわゆる格闘家です。完全な徒手空拳で戦うクラスではなく、中国の武侠映画のようなイメージでしょうか、モンク武器というショートソードと重武器でも両手武器でもない単純武器を用いて戦います。
また、「気」という能力を持ち、それを使うことで色々と特殊なこともできます。
サブクラスはあくまでカンフー的な戦い方を貫く流派と、元素の力を用いて遠隔攻撃を行ったり飛んだり土壁を作ったりできる流派と、影から影へと跳び回るニンジャ的な流派があります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには光の玉を作って相手にぶつけたりするサン・ソウルという流派や死に関わることで特殊な効果を得たり致死的なダメージを与えるロング・デスという流派があります。
旧来の版では色んな能力値を高めないといけないクラスでしたけど、敏捷力と判断力さえ上げておけば戦えるクラスになりましたし、かなり強い部類ですよ。
レンジャー
得意な地形と得意な敵という2つの柱に注力する野戦の専門家。
得意な地形では〈生存〉技能を使って見つけられる食料の量が倍になるという、野外で迷った時に使える能力を持ってます。
得意な敵は、その相手の知識やその種別のクリーチャーが扱う原語を豊富に持てるのが強みです。
ここ以外のどこにもルール上明記されてませんが、モンスターに関する【知力】判定でモンスターの情報を得られるようなことも示唆されていて、レンジャーは得意な敵に対するその判定と追跡のための判定に有利を持ちます。
選択できるサブクラスは火力(どちらかというと対集団向けの)を強化して行くものと、動物の相棒を従えるもの。
動物の相棒を連れ歩くレンジャーは、全クラス&サブクラス中最も微妙かもしれません。
一点集中的な火力では、おそらく前衛職中で最もダメージ出力が弱いかも知れませんけど、野外冒険と集団戦では輝くような、そんなイメージです。
ローグ
直訳すると「悪漢」ですが、とりあえず罠の探索やお宝の鍵開けなどで重宝する盗賊系クラスです。
範囲攻撃の回避能力や、判定の信頼性強化など、冒険で役立つ能力が上がっていきます。。
同時に、発動条件があるものの、攻撃が命中すれば1ターンに1回大ダメージを与える「急所攻撃」を持ちます。
アタッカーとしてはファイター5レベルを混ぜて2回攻撃にし、二刀流を駆使して1ターン3回攻撃とすれば、ファイターに匹敵するくらいの火力が出せる強クラスに化けました。
サブクラスとしては、盗賊としての能力を純粋に強化し、魔法のアイテムの使用条件を誤魔化す能力を持つ道と、暗殺者としての方向を強化する道、メイジ・ハンドを起点とした便利魔法を修得していく魔法泥棒の道があります。
ソード・コースト・アドベンチャラーズ・ガイドには一対一の戦闘と華麗な身ごなしに重きを置いたスワッシュバックラーと、遠隔支援や自分に対する攻撃の誤爆、思考のブロックと誤情報の提供を行うマスターマインドが追加されています。
と、ざあっと流れで紹介しましたけど、どんなもんでしょうか?
これだけだとよく分かりませんよね^^;;
ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ第五版に関してのご質問や、こんな事を紹介して欲しいなどのご要望があればコメント欄にでもお書き下さいませ。
素のルールですと、割とドラクエやウィザードリィ的な味方勢力対敵勢力のような単純な運用から、グリッドを用意して位置関係を詳細に把握しながら戦うような運用までできますので、そういったところもご紹介できればなあとは思います。
さしあたって次回更新ではキャラクターを作成するところをご紹介しましょうか。
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