さて、お気に入りの噺家の一人、古今亭菊之丞が中野で独演会を開催するというので、先日出かけてきた。中野といえば、中野ZEROが有名だが・・・
えっ、なかの芸能小劇場? どこだい、ここ・・・って、調べたら中野ブロードウェイのすぐそばで、中野区の施設のようだ。
行ってみると座席110というこじんまりした会場で、落語にはちょうどいい感じ。しかもしっかり階段状になっているので、とても見やすい。
さて、開口一番は駒六。始めたのは「道具屋」だった。馬生のところのお弟子さんで、2015年から前座という。
道具屋は最近前座噺としてあまり聞かないが、元気にやってくれるのがいいし、声も出ている上になかなかいい。
そして菊之丞の一席目だ。おっ、この酒のマクラは・・・やはり「酢豆腐」だった。この噺って、三遊亭や柳家は「ちりとてちん」だが、古今亭は「酢豆腐」でやる。
もちろん、ストーリーもいくらか違うが・・・おっ、かつて志ん朝がつややかにして華やかな演出をしていたが、菊之丞なりの描き方にして、きっちり古今亭の型だ。
特に、イヤミな知ったかぶりの演出は、菊之丞のフラが出て、なかなか絶品である。菊之丞のこの噺は初めて聞いたが、やはりいいなあ。
ここで中入りとなるが、次回の会のチケットを購入してしまった。そして再開後、再び菊之丞の登場だ。
おっ・・・この身障者のマクラということは・・・おお、「景清」だ。菊之丞のこの噺は今までも何度か聞いているが、十八番のひとつといっていいだろう。
ツッパッて粋がっている主人公が怒り、落ち込み・・・そして・・・という描写もキメ細かく、かつクサくならないきれいな形は口にあう。
大満足しながらも、お腹いっぱいにならなかった。この会が、午前からトリプルヘッダーということで、時間もコンパクトだったし、席も聞きやすいしなかなかいいぞ。
最近どうも歳のせいか、長々とマクラをやったり、過剰な演出で20分で済む噺を40分掛けるなんていう落語に嫌気がさしていて、こんな会は気持ちいい。
それにしてもますます菊之丞は充実しているなあ。
でも、中野にこんな劇場があるなんて知らなかったぁ
では、機会ございましたらセッティングしましょう。よろしくお願いします。