ご不幸があったときに忌引きを取る・・・のは普通ではない、そんな時代になったのだろうか。こんな記事を見て「えっ? と思ったが、言われてみれば」と。
まずは記事の中身から見てみよう。「親が交通事故で亡くなり、忌引きを取った人がいたが、『こんな忙しい時期に死ぬなんて、空気が読めない一家だな』という発言をした上司が遠くに飛ばされた」というもの。
飛ばされたということは、社長にはその発言が遺憾と思ったわけで、そこは救いだ。
だがそのトンデモ上司の発言とその心理は、きわめてわかりやすい。「自分はどんな時でも仕事最優先にものを考えてますよ。」なんてポーズだ。
だが、小生のいた会社でも似たような話を聞いたことがある。他人事ではないぞ・・・ちなみに小生がいた会社ははたから見ればブラックではない、むしろ優良企業という印象だろうが、上司によってウルトラブラックでもあった。
小生の同期の男は、土曜日にあった叔父の葬儀に行こうとして「叔父の葬儀ごときで会社を休むなんてとんでもない」と言われ行けなかった。
ちなみに土曜日は勤務日ではない。その上司の元では、年間の休日は三が日だけだったという。当然夜は最低21時までは勤務で、昼休みもなしだ。
また小生のところにいたベテランの役付は、管下の派遣社員に対し「体調不良で休むのは許しません。休日に体調が悪くなるようにしなさい」と言ってのけた。
派遣社員からの訴えでこれを聞いたときは唖然とした。が、本人は「会社のためを思って一生懸命やってるのに何が悪い」と・・・
小生が体調を崩したのも、こうした・・・っとと、この件はやめておこう。話を展開させていただこう。
忌引きで検索したらこんな画像(右写真)も出てきたくらいで、今や親の葬儀で休みなんて取らせるものか・・・という時代になったのだろうか。
他の人の迷惑になるから? とか理屈はあるのかも知れない。根本でみると「忌引きは突然発生するため、シフトや代替の予定が立てられない」という事情のためか。
以前、あるお坊さんにお聞きした話を紹介しよう。
「皆さん、忌引きは兄弟姉妹だと何日とか、両親だと何日とか規定があるでしょ。でも実態として満額取る人はほとんどいないはずです。でも、これは仏教的にはとんでもないことで、忌引きとは『穢れた身を清める期間』であって、忙しいからと一部返上するのは穢れを職場に持ち込むことになるんですよ」というものだった。
そんなもの社畜の上司からすれば関係ないだろうが、そういう職場の空気は間違いなく淀むということを言いたい。
さらにこんなのまで記事になっていた。胃がんの手術に休暇を申請したら、Skypeで立ち会えと・・・この国の国民は休むことは悪だと思っているから、そうなるのか。
働き方改革でテレワークが普及するといい・・・と思っていたら、とんでもない運用になりそうだ。
どこが働き方改革か・・・事態はますます悪化してないか・・・この国の現場の心と身体の疲弊度は増しているようにしか思えない。
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