前稿で温泉を絶賛した高湯温泉「吾妻屋」だが、どんな人にも絶賛されるお宿かと言われると否定的になるだろう。
お宿は10室で、大きなお部屋はなさそうだから、最高4人くらいかなと・・・和室で、決して今どきの快適設備が揃っているわけではない。
初めてきたときから比べれば、経年変化も感じるが、館内がレトロな感じなのは隠せない。とはいえ「かど半」とか「こまゆみの里」ほどではない。
料理は家庭的なもので、刺身や鮎の塩焼き、それに牛しゃぶなど一通りあるものの、派手な演出はなく、ご主人とご子息で作られているという。
以前は、部屋食でのサービスもあったが、今では食事処での提供になっている。ボリューム的には不満もなく、1万円台前半の基本価格からみれば、満足度は高い。
朝食も、基本は地味なもので、ご飯を美味しくいただけるようなものが並ぶ。
小生はここで調子に乗って食べると、帰りの車が辛くなるので注意が必要だ。
そして毎回書いているが、こちらの名物女将のホスピタリティあふれる対応も、お宿のもてなしを支える大きなポイントだ。
だが、個人的に大きなポイントだと思っているのは、放置プレーなところだ。基本食事の対応以外は、家族経営のようで、いい意味で放置プレーになっている。
常連さんが多いため、チェックイン後、我々も含め、多くのお客様はセルフでお部屋に行く。館内の説明なども不要という・・・
温泉が強烈なため、季節にかかわらず汗をかくこともあり、浴衣・バスタオルはセルフで自由に替え放題だ。地味にこれが嬉しい。
また飲み物は共用冷蔵庫があり、そこからセルフで持ち出し、自己申告で精算というのもこのお宿らしい。
我々はチェックイン後、温泉に入ってから、缶ビールをいただき、夕食時はワインというのがパターンだ。
そんなことで、基本マイペースで「何もしない」を楽しめるのがこのお宿のポイントとなっている。
したがって、豪華な施設や派手な料理などを求める向きにはお勧めしない。温泉に癒しを求める向きにはお勧めしたい。
その一方で、夕食時にふとんを敷き、朝食時にふとんを上げるというレトロなサービスもある。
スマホの電波は強くないものの入るが、数年前から部屋でWi-Fiも使えるようになった。その一方で、今回写真撮影で他のお客様や車などを写した状態でSNSなどに上げないようメッセージが入っていた。
レトロなお宿だが、こんなところには少しずつ変化も出ていることを感じてしまう。今年も常連さんからいただいたという鈴虫がロビーで鳴いていた。
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