⑤オカンとチビの会話 5 「 罪」（ミカエル森 作）

オカンとチビの会話 5 「 罪」

ﾁﾋﾞ「何でりんご１つで天国からおいだされるん？」

ｵｶﾝ「何やて？」

ﾁﾋﾞ「食べたらイカンのに食べたから  おいだされたんやって教わったん」

ｵｶﾝ「ああ、アダムとエバか」

ﾁﾋﾞ「なんだかかわいそうやん」

ｵｶﾝ「かわいそうやと 神さまも思うたんやで」

ﾁﾋﾞ「でも、天国からおいだしたやん」

ｵｶﾝ「天国からやないで 地上楽園や」

ﾁﾋﾞ「ちがうのん？」

ｵｶﾝ「違うとおぼえておけ」

ﾁﾋﾞ「でもかわいそうなら なんでかんにんしてやらなかったん？」

ｵｶﾝ「削除してもよかったんやで」

ﾁﾋﾞ「ｻｸｼﾞｮ？」

ｵｶﾝ「もう 何もかんも消してしまって なかったことにするんや

        例えばお前が わしの言うこと聞かんかったら こんな不出来は

　　いらんゆうて 消してあたらしい子と暮らすわ いう事や」

ﾁﾋﾞ (・ω・；)

ｵｶﾝ「そうせなんだのは 作った人間がかわいかったからやろ」

ﾁﾋﾞ (；・ω・)

ｵｶﾝ「何かたまっとるんやお前」

ﾁﾋﾞ「お、おれはちゃんとごめんなさいゆうで」

ｵｶﾝ「アダムやエバは言うとらんな」

ﾁﾋﾞ「あ、ほんまや」

ｵｶﾝ「造られたときから 神さまと親しいて 何もへだてなく 

         素直に暮らしとったのになあ変わり果ててもうて」 

ﾁﾋﾞ「かわりはてて？」

ｵｶﾝ「まあ初めての事やったし 悪い事した→謝るっちゅう回路ができて

　　なかったのもあるやろけど」

ﾁﾋﾞ「ごめんなさいが  まだ無いころやったんか」

ｵｶﾝ「それにしてもな、アダムは ” 神さんのよこした女がくれた

　　せいやで ” ってとんでもない言い訳しとるな」

ﾁﾋﾞ「あー」

ｵｶﾝ「あれなあ  わしが冷凍庫のガリガリ君まだ食うな言うてたのに何で

　　喰った？って叱ったらオカンが買ってきたからやないか、て言い返す

　　ようなもんやで」

ﾁﾋﾞ (・ω・;)

ｵｶﾝ「それに比べるとエバはまだ正直やな

        ヘビにうまいことやられた、って分かったんやろうな

        だまされました、言うてるし　

       でも、やっぱりしてはいかんことして申し訳ない、とは言わなんだ」

ﾁﾋﾞ(;・ω・)

ｵｶﾝ「だからな、悪かったことを悪かったと分かってごめんなさい

　　言えることは  ありがたいことなんやで

       そういうの分かりもせんで  謝ることもできんとなると 

       もうどうしようもなく  こじれる事あるんや神さま

       相手だと よけいやな」

ﾁﾋﾞ「で、でもガリガリ君、あ、ちゃう りんご１個でそんなんなって

　　しまうん？」

ｵｶﾝ「あれりんごと違うんやけどな善悪の分かる木の実やそれ喰うたら

　　死ぬ、と神さまは言っておいたんやがヘビは ” そやないそやない、

　　神さまは自分の都合でそう言うとるだけや ” って

　　そやなぁ、わしらがおらんすきに お前んとこに  どこかのにいちゃんが

　　来てなオカンとかオトンがｲｶﾝ言うた？ そりゃ親は子供が言うこと聞く

　　ようにしておきたいからや(笑)  とかかましてお前にﾜﾙｲｺﾄさせよういう

　　ようなもんや」

ﾁﾋﾞ(・ω・;)

ｵｶﾝ「ようなあ、麻薬っちゅう怖い薬があるんやがにいちゃんらはこう言う

　　あー大丈夫やなんも悪いもんやないんやが ｸﾆが自分らの物にしときた

　　いよって出回らんようにさせてるんやｗｶﾞｲｺｸでは サブリ感覚でやっ

　　とるんやでおまえも早うｵﾄﾅになりや、とか言うてな わしやオトンが 

　　お前をいいように飼うときたいから あれに近づくなと言いきかせた、

　　とぬかすんや　もしも」

ﾁﾋﾞ「もしも」

ｵｶﾝ「お前がおもろがって ﾏﾔｸやってもうたら、それはにいちゃんの言う

　　事ほんとにしてうちのオカンとオトンはろくでもないもんや、と 

　　信じたいうことになるんやで」

ﾁﾋﾞ (;◎ω◎;) 

ｵｶﾝ「だからな、神さまがこの世のもの全部おまえのもんや、とまで

　　言うてなにもかもええもんを下さったのにそういう ひどい裏切りを

　　な・・・何や」

ﾁﾋﾞ「オ、オカンおれ」

ｵｶﾝ「何やお前、何や？」

ﾁﾋﾞ「(´>ω<｀)   か、かんにんや、かんにんして（泣」→

ｵｶﾝ「何やこら、何やらかしたん？」

ﾁﾋﾞ「かんにんするゆうて 泣」

ｵｶﾝ「またこの子は」

ﾁﾋﾞ「おれごめんなさいするから  おれオカンがおれのことちゃんと大事や

　　おもうてゆうとるんやって知ってるそやけど、つい」

ｵｶﾝ「何やらかしたこら、言うてみ」

ﾁﾋﾞ「おれ  

        ガリガリ君  食ってしもたん (´；ω；`)」

ｵｶﾝ  (=ﾟωﾟ)

ﾁﾋﾞ「オカンが今日は寒いから 夕食の鍋のあとで食え言うてたけど

　　おれ あずきの大好きやねん ちょっと食べたかったねん」

ｵｶﾝ（冷凍庫を開ける）「あ、無い」

ﾁﾋﾞ「(´；ω；`)　ごめんなさいかんにんして」

ｵｶﾝ「しょうもないやつやなあ」

ﾁﾋﾞ「おれアダムみたいやないから かんにんしてや」

ｵｶﾝ「分かった分かった」

ﾁﾋﾞ「ほんま」

ｵｶﾝ「しかし 明日はおやつぬきや」

ﾁﾋﾞ「えーーーー」

ｵｶﾝ「償いや  それから めでたしを3回」

ﾁﾋﾞ「・・・うん、するする」

ｵｶﾝ「ああ何かとおもったわ

        ほんままあアイスくらいならまだかわいいもんや

        ﾏﾔｸとかいうたら もう冗談ではすまんわなあ

       それはまだはやかろうが  最近はﾏﾝﾋﾞｷしようとかいう子らもおるからな」

ﾁﾋﾞ「おれ  そんなことせん」

ｵｶﾝ「よっしゃよっしゃ」

ﾁﾋﾞ「ほんまや」

ｵｶﾝ「うん  それでええがな、わしらは、もしかしたらこれから先 何か

　　ほんまに簡単には言えないようなことをやらかしてしまうことも

　　あるかもしれん、人間の人生やからな」

ﾁﾋﾞ  (・ω・) 

ｵｶﾝ「その時にお前、神さまが  もうおれのことやら 許さんやろうとか

　　こんな事をゆるしてもらおうと思うのは恥だしありえんとか

　　そう思ってはいかんのや」

ﾁﾋﾞ  (・ω・)

ｵｶﾝ「神さまはな わしらと違ってほんまに情け深いしかわいそうがりなんや

　　それを こわくて偉いお化けみたいに思うのんはあんまりひどいこと

　　なんやで」

ﾁﾋﾞ(｀・ω・´)おれ、そうおもわん」

ｵｶﾝ「よしよし  もうええからな  こんどからくいしんぼうはせんのやで」

ﾁﾋﾞ「・・・・・ (・ω・) えっとー」

ｵｶﾝ「何や」

ﾁﾋﾞ「おれちょっとオトンのとこに行かんと」

ｵｶﾝ「何やて」

ﾁﾋﾞ「ちょっとオトンに」

ｵｶﾝ「まてこら、何やらかしたん」

ﾁﾋﾞ（逃げる）「オトンに言うてかんにんしてもらうからええのん オカンは

　　気にせんといてw」

ｵｶﾝ「こら待て そういう理屈があるかまてこら」

　　（チビを追い2人でろうかをﾄﾞﾀﾄﾞﾀ走る）

・・・・・・

人祖の罪は この世をおおって

神の仰ったとおり 死がこの世に入った 

しかし 神はお創りになる方

「在れ」と仰る方は「無くなれ」つまり「死ね」とは望まない

アベルを亡き者にしたカインにすら 守りを約束し

御子を処刑したが改心した民に洗礼を授けた

我らの望みは そこにある

「在れ」「生きよ」と仰る神のなかに

オカンとチビの会話 1 「十字架のキリスト」➡

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