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紙を彫る。紙で染める。

-紋様が生まれるとき-葉っぱ立涌編

毎週月曜更新って決めたの誰?
(曜日感覚の無い那須さんです)
いっそ毎週月曜以外更新にしようか悩んでいます。

それはさておき😙
紋様シリーズ再開です!



型屋2110では「今新たに型紙を作るならどんな図柄にするべきか」を考える事を大切にしています。

伝統紋様はそのままで充分素晴らしい。
昔の型紙の図録を見てるだけでハッとさせられたり、やられたー!と思う事たびたび😳

しかし現代の目の前の皆様に身に着けて頂く、楽しんで頂く為には

今私がその柄で型紙を彫る理由が欲しいのです。



型屋2110オリジナル紋様

「葉っぱ立涌」

今回は建前にあまりそぐわないストーリーでのっけから恐縮です😅
つまり、ハッとさせられ、やられたー!と思った素敵すぎる昔の紋様をかなりベースにしているからです(笑)

ただちょっと思うのは
図録を見ていると紋様は無限にあり、どれもこれも魅力的に感じてしまいますが、

彫るタイミング
使う型染めの技法
自分の腕前
その時の社会情勢や感性

をふまえて図録を見れば、
見るたびにハッとする胸に刺さる紋様が変わってきます。
図録からその時々で選んだ紋様にも何かしら縁とその柄でなくてはならない理由が存在しているのだと思います。



葉っぱ立涌は、まだ修業が明けぬ、絶賛未知の生き物 染め屋さん探訪のさなか。たまたまツイッターで見つけた長板中形の作家さんの工房へ

体験染めに行こう!!
どうせなら自作の型紙で!
(迷惑客あるある:特例をお願いしたがる)

と制作した紋様の型紙でした。



いざお世話になる作家さんにその点を相談してみると まさかの快諾😳
(いや、本当はしぶしぶだったのかも?)

喜び勇んで図録を開き、眺めていると細かな小紋の並ぶ中で、葉っぱらしきものが行儀よく並んだ紋様が目にとまりました。

幾何学でなく、わかりやすいモチーフが並ぶ柄にしてはどこか日本的でない不思議な雰囲気。

ただし細かすぎて体験染めに行くまでに完成させるには間に合わない可能性がありました。

ならば少し拡大してみるか...

さらに一面単純な構成の中に一部タテ縞のアクセントを付けてみたらどうか...



長板中形は裏地を付けず仕立てる浴衣がメインの藍の型染め。
反物の表と裏に同じ柄を位置ぴったりに型紙で染めるという壮絶なワザ。

型紙も表用裏用で2枚必要になります。

型地紙を2枚重ねで彫り、(裏の2枚目は表裏反対にしておく)紗張りという補強をそれぞれ表からすれば完成。


※紗張り前の葉っぱ立涌型紙

体験先の長板中形の作家さんに相談させて頂き、そのあたりも大変勉強になりました☺

その作家さんというのが、現在カタコトの会でも盛大にお世話になっている松原伸生さんです。ツイッターで展示会を知り、神楽坂のギャラリーで初めて見た
長板中形の驚愕の美しさ!繊細さといったら!!!

頂いたパンフレットに体験受付の記載をめざとく見つけ早速申込みました。



さて当日。

本来は体験染めでは両面型付け(型で模様をつける作業)をしないそうなんですが、私がなんとか間に合わせて彫り上げてきた2枚の型紙を持参した「圧」を感じて
めでたく両面やらせて頂きました(笑)

で、出来上がった手ぬぐいがこちら。



表裏の柄を合わす技として、表の型付けは赤い色の糊を使い、ひっくり返した際透けて見やすいようにして作業します。


み 見えない!😨
なんとなくやるしかない!
私のような素人は、えいや!と型付けをするしか無いわけです。



割とぴったり合ってる所↓


ズレてる所↓


今更ですが、立涌(タテワク)紋とは水辺で立ち上がる湯気やモヤのようなものからきています。

古くは平安貴族などが有職文様として織物によく使用しています。



長板中形を知りたい
松原さんの工房に行ってみたい
という欲望に身をまかせ、千葉県君津市の本当に静かな山あいの工房まで三重から出かけました。

長板中形は
7m近い1枚板に張り付けた生地を天日に干したり、生きている染料である藍の面倒をみたり、自然としっかり向き合わなくては出来ない仕事。

霧やモヤの涌く川辺や森に囲まれ、鹿の鳴き声を聞く環境に身をおいて普段の制作をされてるんだなー✨と感動しつつ

無事に「葉っぱ立涌」紋様の型紙は初仕事を終える事ができました😄😄

この型紙はその後はさまざまな作品に登場してきます。
私が染めた手ぬぐいの様な失敗作ではなく、その道のプロの方々に丁寧に染めて頂いてます。ご安心下さいませ。



型屋2110的には目からウロコ!の繊細な藍染め
長板中形
松原伸生さんの凄まじい技にふれて下さい!!
▷カタコトの会 作品コメンタリー動画



この体験染め、最後に恐ろしいオチが...。



型紙まで自作し、超張り切って三重から千葉まで来たのは良いものの、いざ体験を終え謹んでお代をお渡ししようとお財布を開けたら


おおおお札が1枚も


ない................😱


恥をしのんで松原さんにその旨を告白。

帰り道、松原さん御本人に車で最寄りのATMに送ってもらい
(注意※松原さんは今年紫綬褒章を受章されたすんごいお人)
慌てて現金を引き出し、なんとか松原さんに借金だけはせずに(注意※松原さんは今年以下略...)
帰路につきました....

恥ずかしかった!!

よいこは出張に行く前にお財布の中身を確認しておこうね。
間違ってもお客様に金貸してくれとか言ったら駄目だぞ。

それでは良い夜を〜(^o^)/
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