皆さま、こんにちは。私、このブログの管理人である石井公二と申します。
この度、長年追求してきた片手袋、そして片手袋の写真で構成した作品案が、『神戸ビエンナーレ2013』の「アート・イン・コンテナ」国際コンペティションに入選致しました!
映画や音楽やアートや落語や本…。私は長年、様々な表現活動に魅せられてきました。しかしながら、自分が表現する側になる、しかも国際的な舞台で、というのは想像もしていませんでした。
でもコンペに送ったのは私自身であるし、そんな素人同然の私にチャンスを与えて下さった訳ですから、全力で頑張ります。
10月の本番に向けて、作品完成までの道のりを当ブログでもご報告していければ、と思っております。勿論、今まで通り、片手袋との日々の出会いも綴っていきます。
片手袋を始めてからもうすぐ八年。やっと訪れた片手袋を沢山の方に知って頂くチャンス。全力で取り組みます!
『神戸ビエンナーレ2013』
http://kobe-biennale.jp/
『神戸ビエンナーレ2013「アート イン コンテナ」国際コンペティションの一次審査結果』
http://kobe-biennale.jp/2013/03/29143000.html
当ブログのプロフィール写真に用いているこの写真は、片手袋を撮り始めて一、二枚目の写真だ。恐らく2004年ごろの写真。
当時出始めのカメラ付携帯で撮ったので、恐ろしく画質も悪いしサイズも小さい。でも忘れられない一枚。
以下に掲載する文章は、僕が2005年8月24日にmixiで書いた文章の一部である。片手袋の写真を撮る事を宣言する内容だ。
明日、片手袋に関して一つ発表が出来るかもしれない。今敢えて、この永遠に終わる事のない片手袋道の最初の一歩を振り返ってみたい。
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男性は女性に比べて収集癖があるという。本当かどうかは知らないが、確かに昔から俺も色々な物を集めてきた。「ビックリマン」、「メンコ」、「切手」、「本」etc・・・。
一年前から新しく集め始めた物があるのだが、今までにまだ三個しか収集出来ていない。収集を始めた時は、もっと簡単に沢山集まると思っていた。だってよく目にするような気がしたんだもの。だがいざ集めるとなると、全然無いんだよなー。
前置きが長くなったが、その集めている物とは『片手袋』。「は?何のこと?」と思ったあなた、まあちょっと待ってくれ。今説明します。
歩いている時や、車に乗っている時、片方だけ落ちている手袋を目撃した事はありませんか?それが『片手袋』です。あれは何なんだろう?何で片方だけ落ちているんだろう?両方落ちている手袋はあまり見たこと無いもんな。
片手袋には想像力を刺激する魅力がある。だって片方だけ落ちているってことは、当然落とした人がいるわけで、しかもその人が落とした事に気が付く瞬間もあるわけで。その辺りに空想を巡らすと結構楽しいんだよ。
例えばスポーツタイプの片手袋が落ちていたとする。それを落とした人は、自転車競技の選手かもしれない。仮にそいつの名を「ペダル漕蔵」としておく。
漕蔵はベテランの競輪選手。この日は彼の引退試合の日だ。試合前の控え室で、25年に及ぶ自分の選手生活に思いを巡らせる。いつも親しげに話しかけてくる後輩選手達もそんな彼を気遣い、この日だけは近寄らずに静かにしている。
長年愛用したユニフォームともお別れだ。彼のユニフォームは20年前、頑固なフランスのユニフォーム職人、「マージ・フィット」によって作られた特注だ。そのフィット爺さんも5年前に亡くなった。今では少し時代遅れとなったこのユニフォームだが、漕蔵にはこれが一番しっくりと来る。「フフ、今では俺が頑固爺さん、ってわけか」。漕蔵は微かな笑みを浮かべて、鞄からユニフォームを取り出す。
スパッツ、ウェアなどを着込み、最後にグローブをはめて・・・、な、な、無いーーーー!グローブが無いーーーー!何で何で?家出る時、確かに鞄に入れたのに!最後の試合、素手でやれってか~!チキショ~!
と、こういう具合に、道端で薄汚れて忘れ去られた片手袋にも、深いサイドストーリーが隠されているかもしれないじゃないですか?片手袋を見て妄想するストーリーは、多くの場合、切ないものが多いんだよな。だって『片方だけの手袋』って、『弦を張っていないギター』のようなもので、この世に存在する意味合いを奪われてしまっているんですものね。でも、その切なさに魅かれるんだよ。
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なんか少しはしゃいだ内容で恥ずかしいのだが、全てはここから始まった。今まで自分が気付いていなかった楽しみを発見してしまい、心が躍っている様子が窺える。
そして、その楽しさは片手袋と出会う度、未だに僕の胸を襲う。
これがある限り、きっと誰かに伝わる筈だと信じている。
まあ、タオルと一緒に落ちているので、引っ越しか何かの作業をしていた人が落としたのかな?と思います。
でも、それが分かった所で普通の人には何の関係もないし、面白くもないと思うのです。
その“普通の人にとって特に面白くもないもの”を、僕は何年も何年も、毎日毎日、ひたすら撮り続けてきたのです。意味のない行為だとは思いながらも、それでも何か強烈な魅力に引き付けられて。
片手袋の写真って、正直に言えば一枚だけ見ても弱いと思うんです。それは僕もそう思うんです。
でも、僕が死ぬまで撮り続けて、それらの写真を一気に展示したらどうでしょう?何かとてつもない力を発揮するような気がするんです。気がするんです(二度目)。
とにかく片手袋は、圧倒的な数により何かが見えてくるタイプの活動だと思います。
七年。これまで撮ってきた写真は既に相当な数になっています。そろそろ、中間報告として皆さんに提示出来る機会がないか。
模索してます。
月曜日恒例、片手袋の研究発表。現在は“片手袋の分類法”を突き詰めて考えている最中である。
片手袋の分類は三段階を経て行われる。三段階の手順は以下の通り。
第一段階:“手袋の材質”によって分ける。
第二段階:“片手袋がどのような過程を経てそこに存在しているのか?”によって分ける。
第三段階:“状況や場所による分類”をして完了。
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※最終的な分類名は「○○類○○型○○系片手袋」となるが、第一段階の“○○類”は素材によって異なる為、“○○類”のまま表記する。
・○○類介入型ガードレール系片手袋
さて、今日からいよいよ介入型片手袋のご紹介である。介入型は発生経緯からして必然的に人目につく場所にある事が多いので、皆さんも見掛けたことがあるのも多い筈だ。
まずは介入型で一番ポピュラーなタイプから。
冬場、まちを歩いていると本当によく見掛けるこのガードレール系。
片手袋を拾った人が置いてあげる場所として、すぐに見つかる利便性が重宝がられるのだろう。
ガードレールの支柱に挿してあるタイプが多いが、近年、その他の特殊なタイプが続々発見されている。
まずこちらは、手袋の指の部分でガードレールに巻きつけてあるタイプ。ガードレール系は支柱の部分に挿してあるタイプが多いのだが、「こういうやり方もあるのか!」と感心した。
こちらは折り畳み傘と片手袋が抱き合わさって、ガードレールに置かれているタイプ。これは少し特殊だが、挿すのではなくただガードレールの上に置かれているタイプもよく見掛ける。
最後は、近年最も衝撃を受けた片手袋、と言っても過言ではない、ビニール袋に入れてからぶら下げられたタイプ。
もはや優しさを通り越して、日本人の梱包好き、おもてなしの精神、とかまで感じさせてくれる逸品であった。
また、手袋の種類に関して。ガードレール系は軍手類やゴム手袋類などより圧倒的にファッション類が多い。したがって目撃される季節は冬場に偏っている。
しかしあらゆる分類から逃れて、数多くの例外が存在するのも片手袋の魅力。このようにゴム手袋のガードレール系も存在するので、注意が必要。
来週月曜日以降も、引き続き介入型のご紹介を続けていきます。