笠間クラインガルテンの利用者に、昨年4月からなり、月平均2.5回三鷹から通い30回の滞在
をしている。今日は26日から1週間の滞在を終えて帰るところ。
ちょうど1年を経て、思いがこみ上げ感無量。何がこの一年で思いが強いか一言でいうと、
この景色、この土の匂いだと思う。
本戸のガルテンから45分、JR水戸線最寄り駅の稲田まで歩く。約4キロで地名が本戸から稲
田になるところで振返って撮る写真がこれ。本戸の田んぼの突き当りが前山。その向こうに
吾国山が聳える。なんとも美しい、懐かしさを感じる山容だ。
水戸線は明るい車内だ。空いていて大きな車窓に広々した農地が眺められ、小山駅に着く
まで1時間、筑波山の山容を眺めることができる。それが好きで私は常磐線を使わず大宮
から武蔵野線経由で三鷹へ帰る。
そこで、歩いて駅まで行くときに思う「まさか」がある。
笠間では移動するのに人は歩かない。乗るのである。クルマに。市内全域で歩く人は46時
中、一人もいない。
市内の各所、特に山間部の辺鄙なところに多いが、立て看板がどこにもある。
「不審者を通報してください」
不審者はあきらかに「歩く人」を指す。クルマを持つ人は登録されており不審でない。歩く
人は学生や外人であり不審である。
私が45分歩いて駅までに、人に出会うことは多くて2人。誰にも会わないことが普通。クル
マには前後から100台は出会う。
そして「まさか」と思うのが歩く人は間違いなく犬に吠えられる。田舎の集落では飼い犬を
庭に置いた犬小屋で飼う。それが私を吠えるのだ。となりの集落の犬も吠え出す。
「不審者だ!」の合唱である。
クルマで通って、窓から手を振っても犬は吠えないが、歩くと必ず吠えられる。
さらにまさかなことが最近起こった。
その犬(写真)が私を吠えなくなった。この1年に10回は吠えられてきた。ようやく見慣
れた人に見えるようになったのか。
「歩くと不審者扱いされる」「歩くと犬に吠えられる」
これが一番気になる笠間生活であるが、1年で収まるという発見でほっとしている。