羽生選手の「ホワイトレジェンド」と「花になれ」…素敵でした(溜息)
自然光がより演技を美しく際立たせていたように思います。
あの東雲色(しののめいろ)の衣装が優美でしたね。
羽生選手といえば、Let me Entertain you からノッテ ステラータ(ザ・スワン)や春よ来い、Let's go crazy 、ホプレガ、バラ1,SEIMEI、天と地と、ダム・パリ、ファントム、パリ散、花は咲く、悲愴、タイムトラベラー、ロミオとジュリエット新・旧、天と地のレクイエム…等々、それぞれ振り幅のある演技が特徴です。
試合ではショートとフリー、エキシビションと三つの全く趣の違う作品を味わうことが出来ます。
こんな多彩なフィギュアスケーターは羽生選手以外にいません。
羽生選手の無比な特徴としては、力強く男性的なものと、優しくしなやかな女性的なものが演じ分けられているということです。歌舞伎の「女形」のような?といえばいいのでしょうか。
-----歌舞伎の女形とは?
歌舞伎の姫や町娘など女性の役をつとめる男性を女形(女方)と言います。
寛永6年に徳川幕府が歌舞伎に女性が出演することを禁止し、以来男性が女の役をつとめるようになりました。
歌舞伎では女形の存在はかかせません。 女形の演技は、男性にとっての理想の作られた女性像なので、女形を演じるには自分の性別をも捨て演じることが大切です。-----
「藤娘」
しかし、「春よ来い」のような一見柔らかそうな、それでいてスピード感があって力強い男性的な滑りのものもあります。
👆これは春よ来いではなくて魅力的なロックスターでした
春ちゃんは、こっち👇
『春よ、来い』…天女の羽衣のような衣装ですが、想像してみてください…他にこのような衣装が似合いそうな男性スケーターがいるでしょうか…。
このような衣装は、羽生選手の頭身バランスの取れた容姿と清廉な人間性と秀麗なスケートだからこそ、すべてが麗しく私たちの目に映るのだと思います。
今回の「ホワイトレジェンド」も、ジャンプだと気づかぬうちにそれが実施され、4回転ジャンプにバックスパイラルと足上げとピボットが雅やかに組み込まれ、美しいアラベスクスパイラルや優雅なハイドロブレーディングなど、多くの技が入ったしなやかで力強いものでした。
流れるような技の連続と最後の、これでもかというスピンの連続が圧巻でした。
まさしく完璧な技術と優雅な芸術性が完全に融合した形を見せてくれました。そして確かに伝わるものがありました。心に陽が射したような、気持ちが暖められたような気がしました。
一瞬ではありましたが、「ホワイトレジェンド」に、ふと「天と地と」の表情を見た気がいたしました。羽生選手の日々の厳しい練習の積み重ねと弛みない努力を垣間見たような、そんな気がしました。
また、「花になれ」は、あの優しく慈愛に満ちた「花は咲く」とは趣が違い、スタートの立ち姿に花の精かと見紛うような錯覚に陥りました。
そして冒頭の美しく優しさに満ちた表情にはグッとくるものがありました。足元の花が咲き誇っている情景が見えた瞬間、忽ちその世界に惹き込まれました。
コロナ禍にあって、このような力強さと優しさに溢れた二つの美しいプログラムは殊更心に沁みました。羽生選手の優しさに、込み上げる涙を抑えることが出来ませんでした。
羽生選手の麗しい姿と演技に心の底から感動しました。
このような羽生選手のスケートには他では決して味わえないものがあります。羽生選手の幽玄の美は、まさしく日本文化としての歌舞伎の女形に通じるものがあり、羽生選手が極めようとしているスケートが、その高みはどのようなものなのか、その幽遠さは計り知れません。
羽生選手には、26歳の男子の演技のはずなのに女子をも凌駕し更に女子以上のしなやかさや美しさを感じるという驚くべき感覚があります。
演技が、「ホワイトレジェンド」に続き「花になれ」に変わるとき、一瞬目を閉じた次の瞬間に乙女の表情を見せた羽生選手には、もう誰も敵いません。
おそらく、雪肌精の動画で見せた頬を優しく両手で包む仕草も、羽生選手にとっては自然なことなのでしょうね。瞬時にその世界を表現できる才能も計り知れないものがあります。
恐るべし、羽生結弦。史上最高のスケーター
【画像はお借りしています】
『羽生選手との勝負には勝っても羽生選手を超えることはできない』(byミーシン)…これは本質を突いた名言といえるでしょう。
羽生選手を全力で応援しています。