「６５歳以上雇用」６４．４％ 佐賀は最低

全国平均７１％　労働局１００４社調査

■制度導入を呼び掛け

　佐賀労働局がまとめた佐賀県内の高年齢者雇用状況調査（６月１日現在）で、希望者全員が６５歳以上まで継続して働ける企業は６４・４％だった。前年比で０・７ポイント増加したものの、全国平均７１・０％を６・６ポイント下回り、全国最低。

　佐賀労働局職業対策課によると、昨年４月施行の改正高年齢者雇用安定法により、２０２５年４月までに、定年制廃止や継続雇用制度導入など、希望者全員が６５歳以上まで働ける雇用制度を導入することになっている。現在は６１歳未満の希望者全員を継続雇用する経過措置が認められている。従業員３１人以上の１００４社を調べた。

　希望者全員が６５歳以上まで働ける継続雇用制度は４８・９％、６５歳以上定年が１３・９％、定年制廃止が１・６％だった。６５歳以上まで働ける企業は大企業で４０・３％（前年比２・３ポイント増）、中小企業で６６・３％（同０・７ポイント増）。

　６５歳まで働ける企業は９７・９％で、前年比６・８ポイント増えた。内訳は、継続雇用制度導入が８４・１％、定年引き上げ１４・２％、定年制廃止１・６％だった。継続雇用制度を導入した企業のうち、経過措置を適用している企業は４０・６％。

　７０歳以上まで働ける企業は１８・４％で、前年比１・７ポイント上昇した。中小企業は１９・２％（同２・０ポイント増）、大企業は８・３％（同１・６ポイント減）となっている。

　職業対策課は「経過措置の割合が多いため、全国最低の数字となっているが、ほとんどの企業は法令違反ではない。ただ、早期実施のほうが望ましいので、制度導入を検討している企業にはアドバイスしたい」と呼び掛けている。