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庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

子供の世界

2005-08-03 13:40:48 | 自然
昨日子どものことを少し書いたら、今朝の新聞に『バカの壁』の養老孟司が「子どもの問題」を書いているのが目にとまった。私はしばらく前から、彼のその肩に力を入れない語り口のファンである。

いつかテレビの番組で、大学の講義の終わりに学生とちょっとした議論みたいなことをしていたことがあって、“正しいことの絶対性”を主張しようとする、まことにまじめな女学生を、彼流の“価値相対主義”から論破するのにかなり難儀をしている様子が面白かった。


 
愛媛新聞8月2日朝刊

私は解剖学者でも蝶々の収集家でもないが、この寄稿に見える子どもへの視点とは、ほとんど完全に重なる。

曰く、「日本人が子供を大切にしなくなって久しい。それは私の強い実感である。現代は、子どもより大人、という世界なのである。子どもの犯罪は大きく報道されるが、子供達がどういういいことをしたか、それは報道されない。子どもに何かできるわけがないじゃないか。大人はそう思っているからであろう。」

曰く、「子どもであること、それ自体に価値がある。それはどういうことか。自然を大切にするということである。子どもは自然そのものだからである。」

曰く、「大人の世界では、たしかに子どもにできることはなにもない。そこでは子どもはいわば「大人になる」ことしかできないのである。そこには「子どもであることの価値」なんてはじめから存在しない。
 子どもであること、それ自体に価値がある。それはどういうことか。自然を大切にするということである。子どもは自然そのものだからである。自然破壊の世の中で、子どもだけが無事というわけにはいかない。子どもが無邪気なのは、自然だからである。自然とは意識的ではないということである。意識的ではないということは「ひとりでにそうなった」ということである。」

曰く、「・・やっぱり子どもに似合うのは田舎、つまり自然で、そんなことは当たり前であろう。」