神名火だより

出雲地方・宍道湖周辺で撮影した四季折々の写真です。
時々、自作パソコンの話題もあります。

ハデバとシシス

2011年11月23日 11時32分07秒 | 日記

 簸川平野の失われた秋の風景です。

 昨年の11月、観光目的にハデバとシシスが作られました。

 ハデバとは刈り取られた稲を天日で干すためのもので、田んぼの中に杉の柱と支柱を立て、竹を水平に組みます。そこに稲を積み上げていきます。昔は秋になると田んぼの中にハデバがたくさん見られましたが、今では農家が自家用の米を干すのに背の低いハデバを使うのみです。

 子供の頃ハデバの上に登り、飛び降りるのが楽しかったです。子供の目線ではとても高いように感じられました。今回作られたハデバはちょっと背が低いような。私の背が高くなったことによるかもしれません。



 ハデバで干した稲は脱穀し、残った藁を円形に積み上げてシシスになります。シシスとは「獅子の巣」。したがって、厳密にはハデバとシシスが同時に存在することはありません。

 ハデバの近くにいると藁の良い香りが漂ってきます。Sigma 28-70mm F2.8 EX ASPHERICAL DFで撮影。逆光でつらい。

 今ではコンバインが稲刈り、脱穀を同時にこなし、藁は細かく切断して田んぼに撒いてしまいます。籾米はカントリーエレベーターに集荷され乾燥されますので、ハデバ、シシス共にみられなくなりました。

 ところで、出雲弁では「シシス」は「ススス」、「シシシ」とも言います。発音は同じですが文字では書けません。微妙に違うような同じような。獅子は「スス↓」、寿司は「スス↑」、煙突の煤は「スス→」語尾の抑揚が違います。


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