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 ♪♪♪ H.Tokuda

趣味の世界

2017-08-25 02:06:01 | エッセイ


 趣味でギターを弾くほか、将棋を指したり小説を書いたりしているが、その道のプロって人はほんとにすごいと感心してしまう。棋士なんて所詮は勝負師なんだから、対局日以外は昼間から酒を喰らったり、まあ好きなことをして暮らしてるんだろうなどと思ったら大きな間違い。彼らは日夜こつこつと研究を重ね、自己の技量向上に努めているのだ。もともと人並みはずれた頭脳を持つ人々が将棋一筋に精進するんだから、アマチュアとの差はますます開くばかり。努力を怠った棋士は落伍者として、厳しい勝負の世界から排除されてしまう。
 あるプロ野球選手が「ワシらは毎日練習するのが仕事。試合に出るのは集金活動みたいなものだ」と言ったそうだが、まあプロの世界というのはそういうものなのだろう。みんな日頃から一生懸命に地道な努力をしているのだ。

 小説家などの文筆業でも、たぶん同じようなものなのだと思う。毎日いろんな本を読み、各種の情報を収集し、そして夜を徹して書きまくる。村上春樹さんの場合だと、毎朝早く起きてまずジョギング、昼間のうちにきちんと仕事を済まして夜は早く寝るそうだ。就労時間や作業ノルマなど他人からは拘束されない中において、日々の気分や調子に左右されやすい文筆という仕事をルーティンワークにしてしまうのは、実に大変なことだと思う。

 僕は素人なんだから、「気が向いたら続きを書きますわい」くらいの呑気なスタンスだ。「人に読ませるために書く」のではなく、「たまたま上手く書けたら人に見せる」といった程度のもの。どこかに投稿するつもりもない。ただ、書くという作業が楽しいから書く。結果よりも過程を楽しむことがアマチュアならではの特権だと思っている。
 将棋についても、勝敗よりも楽しく指せたかどうかが重要だ。若い頃は勝つことにこだわった時期もあったが、今はそうした負けん気も薄れてしまった。着実に勝てそうな手が見えても、あえてスリリングな局面に入り込んだりする始末。


 たとえ僕にもっともっと能力が備わっていたとしても、プロ棋士や作家にはなりたくない。それは将棋を指したり文章を書いたりすることが好きだから。僕は若い頃から、自分の好きなことを仕事にしてはいけないと思ってきた。仕事にすれば、楽しいはずの生業がきっとつまらなくなってしまう。
 勝つことだけを目標に将棋ばかり指すのは嫌だし、締め切りに追われてあくせく文章を書いているようではつまらない。僕は趣味として、それらに取り組む過程を楽しみたいのであって、何らかの成果や報酬を求めているわけではない。
 そういうことで僕は、安定した所得が得られ、自由になる時間が多く確保できそうな職業を選んだ。仕事は生きるための糧。楽しくなくたって構わない。そのかわり、余暇を十分に楽しもうという魂胆だ。そうしているうちに数十年が過ぎ、そろそろ仕事のほうは終着点が見えてきた。
 定年後は毎日が趣味の時間。そう考えるとウキウキするが、寄る年波に押され、数々の障害も見え始めてきた。ギターを弾けば指が吊るし、将棋の思考力は著しく低下、文筆についても、若い頃のようにすらすらと文章が出てこない。これから先は老化との闘いだ。まあ、あまり無理はしないで、自分のできる範囲でぼちぼち楽しんでいきたいと思っている。

 最近の余暇は音楽活動に偏重しているが、こちらも例に漏れず「下手でも楽しければよい」という路線。聴く人にも楽しんで欲しいとは思うが、認められたいとは思わない。もっと上手くなりたいという向上心すらあまり持ち合わせていない。同じ曲を何度も演奏すれば少しずつでも上手くなるんだろうけど、すぐに飽きてしまって、別の曲にチャレンジ。バンドの相方も同じようなスタンスだから、二人でのんびりやっている。
 ギターの基礎練習やボイストレーニングなど、二人ともまったくやる気がなく、ただ歌いたい歌を歌う。原曲のキーやアレンジなんてまったく無視して、自分たちのやりたいようにやる。選曲のジャンルもまちまちで、どういう方向に進もうとしているのかも定まらない。「アルプスの少女ハイジ」をやったかと思うと「朝日楼」をやる。「イムジン河」をやったかと思うと「東京ブギウギ」をやる。ナターシャ特集ライブに参加した翌週、中島みゆき特集に参加。ジャンルが広いと言えば聞こえが良いが、節操がないと言うほうが適切かも。

 さて、もうすぐ9月。時間は流しそうめんのように素早く過ぎ去り、新たな季節の風景を紡ぎ出していく。そうした時の流れに置き去りにされないよう、僕は細い目を精一杯見開き、肌に触れる空気の感触をじっくり吟味しようと身構える。自分にはあとどのくらい時間が残されているのか、あと何巡の季節を見送っていけるのだろうか。最近そういうことをよく考えるようになった。この先も行き着くところまで、余暇の時間を楽しく過ごして行きたい。
 秋の夜長には、しばらくお留守となっている文筆のほうにも力を入れたいと考えている。自由気ままな趣味の世界はどんどん広がって行く。やりたいことはたくさんあるけど、どこまで出来るかは自分次第。文章を書き始めるとタバコやコーヒーの摂取量がやたらと増えるので注意が必要だ。

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1 コメント

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ブログを拝見しました (つねさん)
2017-09-09 07:40:14
こんにちは。ブログを拝見させて頂きました。これからもブログの運営頑張って下さい。

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