
ようやく涼しくなってきたので、
この日の取材は久々に、きものを。
まだ少し夏の名残のある、単衣の秦荘紬に
帯は夏ものの、紗の博多。

上半身はこんな感じ。

後ろは、きものが大きくてもたついていますが
こんな感じ。

きものに興味を持っている様子の、お若い編集者に
カルタ結びをお見せしたら、

のぞきこんでいました。
この日は、今春からぽつぽつ話題に出している
「ニコニコ談話室」メンバーの会議。
40代の男性外科医、20代の女性編集者、そして私。
一言でいえば、三人とも柔和。
ぺらぺらしゃべったり、語調が強い人はおらず、
ニコニコ、ニコニコしながらも
「白質病変が…」とか「髄鞘が…」などの
専門用語が飛び交うシュールなひととき。
ひと段落したところで

私がバッグから取り出したのは

過去の文楽公演のプログラム。
前回の打合せ時に、何となく趣味の話になり、
文楽愛を語ったところ、興味を持っていただけたので、

私は忘れていませんでした。
お二人「わっ、ありがとうございます!」
何しろ
上記の通り、文楽のおもなターゲット層からは大きく外れているであろう方々。
なので、できるだけ親しみを持って読んでいただけたらと、
男性医師向けには仮名手本忠臣蔵を、
女性編集者向けには曾根崎心中を(表紙がお初)。
そして、12月の文楽教室の案内フライヤーもぬかりなく。
(でも先生、「俊寛」を知らなかった

私は小or中学生のとき、国語の教科書に出ていたんだけどな…)
珍しそうに、付録の「床本」をめくり

訊かれたので

人形遣いは、一人前になるまで30年かかると話してびっくりされたり。
文楽をまーったく知らない人に、どんな風に話をしていけば
興味を深めてもらえるか、考えるのが楽しかったです。
世間には、伝芸が好きでも文楽は知らないとか、
生涯、文楽に袖もかすらない人もいる中、
こうしてプログラムを見ていただけるのは、とても嬉しいこと。
二人とも激務なので、実際にお教室に行くのは難しいでしょうけれど
いつか、劇場に足を運んでいただけたらいいなあ。