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神奈川絵美の「えみごのみ」

社会人のための歌舞伎鑑賞教室

(前回の続き)


さて、この日は
最初の約30分間、義経を演じる中村萬太郎さんが
歌舞伎の基礎知識のレクチャーをしてくださり、
その後、
義経千本桜より、渡海屋・大物浦の場の上演。

開幕と同時に、セットのない「素」の舞台が
波打つようにせり上がったり回ったりして
いつもと違う雰囲気に、わくわく。

説明によれば「回り舞台」は260年前に、
歌舞伎で発明されたそう。

そのほか、御簾や床、竹本、ツケなど、
わかっているつもりのものでも改めて、説明を受けると
その役割や魅力を再認識できる。

黒御簾は私、恥ずかしながらよくわかっていなかったので
勉強になりました。
いつもは黒御簾の向こうにいる太鼓が舞台に出てきて
いろいろな効果音を披露してくださいました。


レクチャーの最後には、義経千本桜のあらすじ紹介も
歌舞伎教室では、上の写真のような上演台本やパンフレットも
配られて、お得感満載なのですが、
そのパンフ内にある

義経のイラストが舞台上のスクリーンに
大写しになって、
会場から笑いが。

何となく、萬太郎さんのたたずまいに
似ているような。


そしていよいよ、上演。
菊之助さんの銀平、実は平知盛が大きな見所の一つですが、
銀平がちょっと…私には「普通の人」過ぎました。
(すみません。個人の感想です)
いや、銀平は普通の町人なはずなのですが、
やはり筋がわかっている以上、ちらっと見せる
「ただ者ではない感」に、どきどきしたいわけです。
もちろん、相模五郎や入江丹蔵をやっつけるあたりで
腕っぷしの強さは披露されるのですが、
どちらかといえば今回は、五郎さんたちの弱さが強調されたかなと。
(でも、亀三郎さんの魚づくしは面白かった

好みの問題と思いますが、
私は、銀平のときにも知盛の片鱗がちらちら見える方が
いいかなあ・・・。

それでいて、銀平と知盛のギャップも今一つだったのです。
たぶん、知盛の亡霊感、尋常じゃない感じが、
もう少しあれば。。。だったのかも。

知盛は、大物浦の場だけ見れば、十分な迫力があり、
最後の見せ場もじっくりと、「ため」がきいていて、
安徳帝を見やった直後、海へ引きずり落とされるさまには
じーんときました。

私は一年半前、中村吉右衛門さんで同じ演目を観ていたのですが、
吉右衛門さんは銀平を「ただ者ではない町人」
知盛を「この世の者ではない武士」として演じていて
どちらもスケールが大きく、それでいて両者のメリハリも
効いていたように感じました。
どうしても、そのときと比べてしまい……。

梅枝さんの典侍の局は安定感あり、
亀三郎さんの五郎は表情豊かで、声もステキ。
尾上右近さんの入江丹蔵はちょっと地味だったかな。

コメント一覧

神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
そうですね、今回は「ニン」ではないな、と
思いましたが
でも初演ですし、お若いですし。
これからにより期待!ですね。

>鑑賞教室はお得で分かりやすくていいですよね
ホントに。お得ですよねぇ。
またこうした機会があれば行ってみたいです。
香子
やはりニンではなさそうですもんねえ
(人と役が会ってない…?)
自分を役に近づけるか、役を自分に引き寄せるか
まだ初回ですからこれからだと思います。
(だから鑑賞教室なのかも。初役を掛ける事が多いから)
でも鑑賞教室はお得で分かりやすくていいですよね
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