紹介した、ほぼ同年代(少し下かも)の男性外科医、O先生。
春の始まり、私はこんなコーデで取材に行っていました。

最初のころはほとんど口を開かず、(でもニコニコしている)
これからどうやって取材を進めていこうか、どうしたら話してくださるのか
途方に暮れた時期もありましたが
でも何度かお会いするうち、ごく少ない発言機会に発する一言が
いつもとても的を射ていることに気づき、
クレバー&スマートな方なんだなあ、と見直して(失礼ですが)。
O先生の方も、少しずつ打ち解けてきて
ついこの間は早めに本題が終わったので、何となく雑談モードになり、
割と唐突に
「あの、趣味は何ですか?」と訊ねてきたので
「えっと、私、着物を着るので、歌舞伎とか……、あっ、あと文楽!
人形浄瑠璃です」
―文楽…どういう舞台なんですか? とO先生。
そこから私の独壇場。「いやー口で言っても魅力が伝わらないと思うんですけど」と
言いながらもひとしきり、太夫さんが筋を語って、三味線に迫力があって、
お人形が生きているみたいで……と、熱く語らせていただきました。
面白いなと思ったのが、
普通は「すごいですね」とか「よくご存知ですね」といった当たり障りない
社交辞令で話が収まるところ、O先生は
「それは面白そうですね。一度は観たいと思うんですけど」と
意外にも、ポジティブな反応。
「じゃ次の取材のとき、プログラムを家から持っていきますね!」
「ぜひ、見たいです。楽しみにしています」
……
伝統芸能のでの字にも縁がなかったと思われる外科医師が
文楽に興味を示した、そのミスマッチ感がおかしかったのと
一方
私も、私の話をこんな風に興味を持って聴いてくださったことが嬉しくて、
(これは、文楽ファンを増やすチャーンス!!)
この案件、あと一年以上かかるロングタームなのですが、
その間に、啓蒙活動しちゃおうっと。