港区へ取材に行った。

マダム越後に、先日いただいた島仲由美子さんの
ミンサー帯。
ネットを見て「吉弥結び」に挑戦したが、微妙…?
それにしても、3年くらい前までは、
「32℃以上になると暑すぎて着物はNG!」とブログで公言していたのに
もはや35℃でも当然のように着物を着る私って…

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さて、待ち合わせはとあるお洒落なカフェ。
初対面なので先に店に入り、電話することになっていた。
先方は日本語堪能なフランス人と聞いている。
「着物を着ているので、それを目印に」と言ったら驚くだろうか。
…と、ケータイを持ったとき、
水を運んできたウエイターの背中越しに、
こちらに歩み寄ってくる男性の姿が…。
あたりを見回すでもなく、柔らかな表情で私を見ている。
「神奈川さんですか」
「は、はい、初めまして」
グレイッシュな紺のサマースーツに薄いブルーのシャツ、
やはり紺系のネクタイを締めた、スリムなシルエット。
洗練された、甘いマスクのイケメンが目の前にいた。
例えるなら…口のでかくないJeff Buttleを
7~8歳お兄さんにした感じかな
↓

(うーん、やっぱりちょっと違うかな)
彼が続けるには
「実は、昨日ミーティングがあって…」
以前取材した関係者から、私がいつも着物を着ていることを聞いたそうだ。
お、おそるべし…。口コミはこうやって、
「私=着物を着る人」像を創り上げていく。
以前は美容関係の超有名企業に籍をおき、
現職でもヨーロッパ、日本、北米を頻繁に行き来しているという彼は、
話し方や身振りもスマートで、かつ謙虚な態度も崩さない。
伝票はいつの間にか自分の方へ引き寄せているし
(仕事上、私の関係の会社で落とすので、私が自分の手元に置いていた)
立とうとすれば「大丈夫ですか」 さっとテーブルを引き、
余裕をつくってくれるし、
取材が一区切りしたら、ランチにやってきた人々をちらと見ながら
ここのタルトは美味しいんですよ、とさりげなく話をふる。
ビジネスの場ではあるが、終始にこにこと、
共有している時間を楽しんでいるかのように。
それに引き換え、私ときたら、
「着物って暑くないですか?」と聞かれて
「そうでもないですよぉ」と身ハつ口を広げんばかりに腕を上げたり、
汗をかいたアイスコーヒーのグラスから
滴が書類の上にぽたぽた落ちても気づかないし、
すぐそばに見えるショーケースのタルトよりも、
「御社で書籍化の話が出たらぜひ」などと無味乾燥な営業トークを
口走ってしまうし。
あーあ、私は例え来世に生まれかわっても、
社交界なんかにはぜったいデビューできそうにない。