超空洞からの贈り物

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最古のゾウの祖先発見、体格はウサギ並

2009年06月25日 07時12分00秒 | Weblog
 地球の生物の生命力は素晴らしい。なにしろ、全盛を極めた恐竜が絶滅してほどなく、早くも哺乳類の時代が始まっていたというのだ。

 約6550万年前に起こった地球規模の大量絶滅事件で爬虫類の時代は終わりを告げたが、新説によると、それから600万年も経たないうちに、地球上では新しい哺乳類の時代が始まっていたという。その裏付けとされているのが、新たに発見された6000万年前の生物(学名:Eritherium azzouzorum)だ。確認されている限り最古のゾウの祖先である。

 フランス国立自然史博物館の古生物学者エマニュエル・ゲールブラン氏が、モロッコ最大の都市カサブランカの東100キロほどの盆地でこの頭骨の破片を発見した。ウサギほどの大きさしかない原始ゾウのものだ。

 白亜紀後の暁新世(ぎょうしんせい、6550万年~5500万年前)に最初に現れた哺乳類としては、齧歯類(げっしるい)や初期の霊長類が確認されているが、今回の発見でゾウの祖先もその仲間に加えられることとなった。

 ゲールブラン氏は次のように解説する。「この化石の下アゴから突き出ている2本の短い前歯から、この生物の素性を詳しく知ることができる。同時代の化石で、ほかにこのような歯を持つものは発見されていない。現生ゾウが有する牙の原型なのかもしれない」。

 さらに同氏は続ける。「頭骨の破片から判断して、体長は50センチほどしかなかったと推測される。体格的には、大型のウサギといったところだ。ただ、頭骨とアゴの破片しか発見されていないため、正確な姿形は不明だ。長い鼻や大きな耳といった現生のゾウに似た特徴を有していたかどうかは確認できない」。

 6000万年前、アフリカ大陸は北方のユーラシア大陸から分離しており、植物が豊富に生い茂っていた。ゲールブラン氏の言葉を借りると、当時のアフリカは「進化のゆりかご」だったのである。

 今回の発見によって、恐竜が絶滅した直後の地球上にゾウのような哺乳類が出現していたことが判明した。ということは、同時代にもっと多くの哺乳類が生息していた可能性もある。果たして哺乳類はどのような進化を経て、恐竜絶滅後の世界を支配するようになったのだろうか。その答えを導き出すには、もっと多くの化石を発掘する必要があると同氏は考えている。

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