4日間まるまるかみしばいの報告 後編
まさかの大雪に始まった10周年展。あちらこちら雪だらけながら、天気は回復してきた後半のご報告です。(前編から先にお読みください)
〈3日目〉・・2月10日(月)てってい的にリクエストに応える日
10:00 開場すると間もなく来場者。3日目は予定のプログラムはありません。会場に展示した、いっぽメンバーと子どもたちの作品総計84作品の中から、どんな作品でも、観客がひとりでも、リクエストに応えて演じようという企画です。どんなリクエストがあるか、わくわくです。
10:30 リクエストのスタートは小さな子どもから・・・「なぞなぞ」 「どっちかな?」などで、いっしょに遊びました。
子育てひろばでボランティアをしているという男性から・・・「くっつけ くっつけ」(これは赤ちゃんむけの参加型)と「おどりばダンスホール」
平日ですが切れ目なく来場者があります。
千葉県からわざわざ来てくれたTさん・・・「もりじろう修業中」など、今はもうほとんど実演していない作品をリクエストしてくれました。
わたしたちが紙芝居を作りはじめたのは30代・・・・子どもが寝ている間に絵を描いたり、コンクール締め切り前は実家に預けたりして作っていました。そのころの作品がリクエストされると、お互いの作品がとにかく懐しく、試行錯誤しながら夢中で作っていたことが思い出されました。
長く応援してくださる方、なつかしい方なども次々と顔を見せてくださいました。
★午前はこのほか 「ともかのはな」 「いもほりえんそく」(子どもの作品) 「ぼうしがひとつありました」 「へんなおべんとう」(参加型) 「芸は身を助く・・・」(子どもの作品) 「バックンのゆめ」(シリーズの1作目) 「心臓とひげ」(切り絵) 「仔牛」 を実演しました。
13:30 午後もリクエストは続きます。
大人が多いので、がっつり長編の「リーゼ・マイトナーの発見」 「この海を田に ~吉田新田の話~」などを、腰をすえてじっくりと聞いてくれます。どちらも、歴史上の人物を題材にした紙芝居。「物語としての作品を目指したら、もっとよくなるのでは・・・?」という貴重なご意見をいただきました。
また、作ったものの一回も実演する機会のなかった「森からきた手紙」を、とうとう演じました。
★午後はこのほか 「よしお」 「のげやまどうぶつえんのたのしいなかま キクユママのわるいくせ」 「おかあさん は いたたた」 「十五夜の願かけ」 「おどりばダンスホール」 「三角と四角」 「おけやのでんきち」 を実演しました。
作ったいきさつなどをおはなしすると、感想やご意見などを返してくれ、充実した幸せな時間。こつこつ作り続けてきた喜びを噛みしめた日でした。
〈最終日〉・・2月11日(祝)子どもの手作り紙芝居の日
午前は、地元の大岡小学校3年3組の子どもたちの作品の発表会です。3年3組のみなさんは、1年間総合学習の時間に紙芝居作りや実演にとりくんできました。学習をはじめたばかりのころ、「紙芝居っておもしろいよ」と伝えるため、大岡小学校にうかがって手作り紙芝居を実演したことがあります。
17名も参加してくれ、その応援にご家族、友達、地域の方がかけつけてくれたので、たちまち会場があふれました。イスをどんどん追加。
実は、みなさん時間ぎりぎりに到着しました。それなのに会場に入って来ると「わあ、紙芝居がいっぱいある」「これみたことあるやつだ」と目をかがやかせています。段取りは、リハーサルはどうしようか・・・と結構やきもき待っていたわたしたちは、はっとしました。紙芝居をたのしむ気持ちが一番大事。子どもたちにまかせてだいじょうぶ!
10:30 司会進行も子ども達で、実演会のはじまりです。
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大岡小3年3組の作品
前半・個人で作った作品
「ボールをかっとばせ」・・・Sくん、 「やきゅうはたのしいぞ」・・・Sくん
「さちこちゃんとおかしのくに」・・・Mさん 「ありんことバッタ」・・・Yさん
「ママの手 ふしぎな手」・・・Iさん 「ミスターXの旅」・・・Mさん
「ねこと神様」・・・Oさん 「さくらまつりの大じけん」・・・Iくん
「かぶとむしの夏の一週間」・・・Oくん
後半・グループで作った作品
「くもおんな」 途中につぎの場面をあてるクイズがはいる
「ひなちゃんのみらいアドベンチャー」 ライトを点滅させるおどろきの演出
「きょうふのドラキュラ」 会場の照明を暗くしてみた 次が気になるストーリー
「おかしなブーたろう」 世界中ブーたろうになってしまうオチ、最後に♪歌も
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グループで作った紙芝居は2作目だし、みんなで力をあわせて作ったので、1作目にくらべ格段の進歩です。テーマは「笑い」。”こわいけれどおもしろい”、”意外な展開がおもしろい”、”ナンセンスでおもしろい”など、笑いにもいろいろ種類があると気づき、それぞれのグループが自分達の笑いを追求して作ったそうです。友だちといっしょだと安心してできるのか、感情のこもったセリフ、工夫した抜き方で生き生きと演じてくれました。
最後に、いっぽがおまけで「なぞかけ」を実演し、こんどは子どもたちに楽しんでもらいました。
「お寿司とかけてドアノブととく、そのこころは?」 手前の机には子どもの作品
午後は、二組の兄弟といっぽメンバーで即席の一座を組んで実演しました。わたしたちは手作り紙芝居講座やコンクールをとおして知り合った仲間です。
13:30 Iくん兄のたたく拍子木で開演しました。
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即席一座の演目
「鳥取砂丘のラクダのラックン」・・Iくん兄 「うさぎのかぞく」・・・Iくん弟
「トムテと王さま」・・・・Nくん兄 「とりのトール」・・・・・Nくん弟
「なぞなぞ」・・・・・いっぽ作をHくんが代演、これが紙芝居デビュー
「大人病院」・・・・いっぽの子どもの作品
※手遊び (♪ おおきくなったら何になる?)
「きょうりゅうトロロン」・・・Iくん兄 「いじわるな王かん」・・・Nくん兄
「うさぎとうみ」・・・・・Nくん弟
「かいじゅうランド」・・・・いっぽの子どもの作品
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子どもたちは自信を持って堂々と演じ、自分の出番でないときは完全に観客の顔になって笑っています。クイズには先を競って手を挙げています。その、心から紙芝居をたのしんでいる様子が会場全体にひろがり、楽しくにぎやかな実演会になりました。
最後は時間の許す限り、こどもたちのリクエストにこたえました。小さな子どもも会場からお気に入りの紙芝居をさがしてきて、何本も何本も、ほっぺたをまっかにして見てくれました。
「ゲームのせかいへようこそ」、「ハマっ子力士 若羽黒(後編)」など14作品を次々と演じました。会場の子どもと大人が目をこらして見てくれる中、声が涸れるまで実演するのは、わくわくするほど幸せな体験でした。
最終日の来場者は99名。「かみしばい・いっぽ10周年展」は盛況のうち幕を閉じました。
〈さいごに・・・〉
大雪ではじまり、アクシデント続きでしたが、終わってみれば夢のように楽しい4日間でした。
雪の降る中、積もった中紙芝居を見に来てくれた方、 実演を申し出てくれた方、 作品を手にとって見てくれた方、 あたたかいメッセージをくれた方、 メンバーの少ないいっぽを助けてくれた方、 おせわになった南図書館のみなさま
本当にどうもありがとうございました。
これからも いっしょに紙芝居を楽しみましょう。どうぞよろしくおねがいします!
★4日間の来場者・・・延べ203名、 紙芝居を演じた人・・・36人 演じた紙芝居の数・・・89作品(うち手作り紙芝居は85作品)、 展示した いっぽの作品・・・84作品(展示会を企画したときは100を目標にしていましたが、だいぶ及びませんでした。次こそは・・・!)★
10周年展をおえて、図書館を裏の山から見下ろすとだいぶ雪が解けていました。