かみしばい いっぽ

紙芝居公演記録などを報告します。

おはなしフェスティバルに参加します その②

2014年03月20日 | おしらせ

準備・リハーサルをしました

 3月19日(水)、南図書館で〈おはなしフェスティバル〉のリハーサルをしました。

 ちょうどお彼岸なので、向かい側の弘明寺の墓地には手桶や花束を持った人たちが出入りしていて、特別な雰囲気です。ご先祖様達がにぎやかに見守ってくれている気がします。

 さて「どうぶつなんびきでてくるかな?」 と名付けた かみしばい・いっぽ のプログラム。演目は4つで、そのうち3作品が手作り紙芝居の予定です。

 三脚を立ててビデオカメラをまわし、あとで確認できるように実演を録画。また、リハーサルをしながら、脚本にわかりにくいところはないか、抜き方は効果的か、などをお互いにチェックしました。「セリフはこの方がいいんじゃない?」・・・・など、自由に変えられるので自作の紙芝居はいいですね。

  

 ***** 『バックンのゆめ』 のリメイクのこと *****

 今回実演する予定のこの作品は2001年の作品です。作者にとってはなつかしくて思い入れのある作品なのですが、”ちょっとわかりにくいかな・・・”と 気になるところが1カ所あり、長い間実演していませんでした。ところが、先日の10周年展でリクエストをいただき、ひさびさに実演。「おもしろかった。子どもが好きなものがたくさん出てくるから、実演しないともったいないよ!」との、ありがたい感想をいただきました。

 そのことばに勇気をもらい、長い間クローゼットに眠っていたバックンをもういちど表舞台に立たせるべく、リメイクに取り組みました!まず、脚本のチェック。また、おはなしがスムーズにつながるように1画面を描き足してみたのですが・・・

 自分の絵でもだいぶ変わったから、下絵も苦労。

 10年前はもっと大胆な色使ってたんだけど・・

 とりあえず、こんなところで・・・

 自分の作品でも、時間がたつと手直しするのはむずかしいですね。さて、これでバックンはよみがえるでしょうか・・・!?

 『バックンのゆめ』は神奈川県の手作り紙芝居コンクールに出して、落選連続6回目となった作品。さすがにくじけそうになっていた作者ですが、そのころ大阪の箕面で手作り紙芝居コンクールをやっていると知り、どうせだめだろうと思いながら送ってみました。それが、”捨てる神あれば、拾う神あり”で、運良く入選。それ以降、現在まで、箕面の手作り紙芝居コンクールは創作の目標の一つとなっております。

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 こんな風にばたばたしながら楽しく準備しています。どうぞ見に来てください。 

 


おはなしフェスィバルに出演します

2014年03月16日 | おしらせ

3月22日(土)15:00~15:30 横浜市南図書館にて

 〈どうぶつ なんびきでてくるかな?〉

*みにきてね (3歳から小学生、おとなもどうぞ!)*

 

 市民グループ「子どもと本」主催のおはなしフェスティバルに参加します。

 新美南吉原作の『きつねのつかい』、いっぽ自作の『ポケットくまこちゃんなど。ほのぼのとあたたかいおはなしの世界をおたのしみください。いろいろな動物が出てくるので、何びきでるか数えてみてね。

 おはなしフェスティバルは3月22日(土)から24(月)まで。南区内でおはなし会のボランティアをしているグループがつぎつぎと登場します。おはなし会のはしごをしましょう!

 

  ★横浜市南図書館は京浜急行「弘明寺駅」徒歩1分

 近くには横浜市の最古の寺である「弘明寺」や、のびのび遊べる「弘明寺公園」、下町情緒たっぷりのアーケードのある「弘明寺商店街」があります。大岡川プロムナードの桜はもうちょっと先ですね。

 


お祭りの日に、手作りを11本実演!

2014年03月15日 | 公演記録

3月9日(日)   なつかしい、おもしろい、地元の手作り紙芝居

 中村地域のお祭りにあわせて、中村地区センターで「街の先生フェスタ」がおこなわれ、12時から14時まで玄関横のロビーに舞台をすえて紙芝居の上演をしました。

 地区センター裏の広場にはテントがたちならび、子どもから大人までたくさんの人が集まってにぎやかです。中学生のブラスバンド演奏や、もちつきもやっているようでした。出番がせまっていたので、気になりつつも窓からながめるだけです。

 祭りに集まった人たちが、ちょっと休んで紙芝居がたのしめるようにと、出入り自由に。ストーリーものと参加型、長いのと短いの・・・というように2本を組み合わせ、それを5回繰り返す、という作戦でした。でも、実際に始めると、みなさんずっとすわって見てくださるので、結局2人が交代でつぎつぎに11本連続で演じる形になりました。

 演目はつぎのとおり。

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     『ハマっ子力士 若羽黒 前編』  いっぽ自作  

   『なぞなぞ』   いっぽ自作  

   『ハマっ子力士 若羽黒 後編』  いっぽ自作

   『三角と四角』  いっぽ自作

   『ほんち横濱蜘蛛合戦』  いっぽ自作   

    『なぞかけ』  いっぽ自作   

   「おとなりさん」  脚本:高橋五山 昭和28年 アジアの子どもたちと仲良く というテーマ

   「黄金バット ナゾ―編」  加太こうじ作  ※2本だけ懐かしい昔の紙芝居を。

   『心臓とひげ』  いっぽ自作

   『へんなおべんとう』  いっぽ自作

   『いそえもんのせっけんづくり』  いっぽ自作
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 『ハマっ子力士 若羽黒』は、まさに地元出身力士。つい力が入って、最初から声をからしてしまい、あとで後悔することになりました。『ほんち・・・』はむかし横浜の男の子たちに大流行した、ネコハエトリグモを戦わせる遊びです。ちょうどサッカー帰りの元気な小学生達が来て、あれこれ感想を言いながら見てくれました。(上の写真)

 客席は予想に反して子どもや若い方が多かったです。「黄金バット」の表紙絵を見せると、みんな正義のヒーローを悪者だと思っています。そんな中、お一人だけ街頭で黄金バットを見た女性がいました。「わははははは・・・・」と笑って登場したところで、「むかしと違っていますか?」と確認。1本目で声がかれたので、迫力半分でおわびしました。

 『いそえもんのせっけんづくり』では、ついに石けんが固まり、工場をつくる場面で「ほら、この絵の川が目の前の中村川ですよ!」・・・これが言えるのは地元ならではで、最高の気分です。

 さて、『なぞなぞ』 『なぞかけ』は、小学校4年生のTさんの独壇場でした。特に『なぞかけ』は、他ではなかなか答えが出なくてヒントを見せて当ててもらうことが多いのです。それが、ことごとく瞬時に正解、会場にいた大人たち全員、ひとりの女の子にかないませんでした。

 Tさん親子はさいごまで聞いてくださり、お父さまから「わたしが楽しめました!」と感想をいただきました。 連続の実演はさすがにくたびれましたが、充実感でいっぱいの日曜の午後でした。

 さて、未練たっぷりにさいごに外へ出てみましたが、すべての模擬店はきれいに片付けられたあと。来年は午前中からしっかり出かけたいと思います。


かみしばい・いっぽ 10周年展 報告②

2014年03月08日 | その他の活動報告

4日間まるまるかみしばいの報告 後編

 まさかの大雪に始まった10周年展。あちらこちら雪だらけながら、天気は回復してきた後半のご報告です。(前編から先にお読みください)

〈3日目〉・・2月10日(月)てってい的にリクエストに応える日

 10:00 開場すると間もなく来場者。3日目は予定のプログラムはありません。会場に展示した、いっぽメンバーと子どもたちの作品総計84作品の中から、どんな作品でも、観客がひとりでも、リクエストに応えて演じようという企画です。どんなリクエストがあるか、わくわくです。

 10:30 リクエストのスタートは小さな子どもから・・・「なぞなぞ」 「どっちかな?」などで、いっしょに遊びました。

 子育てひろばでボランティアをしているという男性から・・・「くっつけ くっつけ」(これは赤ちゃんむけの参加型)と「おどりばダンスホール」

 平日ですが切れ目なく来場者があります。

 千葉県からわざわざ来てくれたTさん・・・「もりじろう修業中」など、今はもうほとんど実演していない作品をリクエストしてくれました。

 わたしたちが紙芝居を作りはじめたのは30代・・・・子どもが寝ている間に絵を描いたり、コンクール締め切り前は実家に預けたりして作っていました。そのころの作品がリクエストされると、お互いの作品がとにかく懐しく、試行錯誤しながら夢中で作っていたことが思い出されました。

 長く応援してくださる方、なつかしい方なども次々と顔を見せてくださいました。

 ★午前はこのほか 「ともかのはな」 「いもほりえんそく」(子どもの作品) 「ぼうしがひとつありました」 「へんなおべんとう」(参加型) 「芸は身を助く・・・」(子どもの作品) 「バックンのゆめ」(シリーズの1作目) 「心臓とひげ」(切り絵) 「仔牛」 を実演しました。

 13:30 午後もリクエストは続きます。

 大人が多いので、がっつり長編の「リーゼ・マイトナーの発見」 「この海を田に ~吉田新田の話~」などを、腰をすえてじっくりと聞いてくれます。どちらも、歴史上の人物を題材にした紙芝居。「物語としての作品を目指したら、もっとよくなるのでは・・・?」という貴重なご意見をいただきました。

 また、作ったものの一回も実演する機会のなかった「森からきた手紙」を、とうとう演じました。

 ★午後はこのほか 「よしお」 「のげやまどうぶつえんのたのしいなかま キクユママのわるいくせ」 「おかあさん は いたたた」 「十五夜の願かけ」 「おどりばダンスホール」 「三角と四角」 「おけやのでんきち」 を実演しました。

 作ったいきさつなどをおはなしすると、感想やご意見などを返してくれ、充実した幸せな時間。こつこつ作り続けてきた喜びを噛みしめた日でした。

 

〈最終日〉・・2月11日(祝)子どもの手作り紙芝居の日

 午前は、地元の大岡小学校3年3組の子どもたちの作品の発表会です。3年3組のみなさんは、1年間総合学習の時間に紙芝居作りや実演にとりくんできました。学習をはじめたばかりのころ、「紙芝居っておもしろいよ」と伝えるため、大岡小学校にうかがって手作り紙芝居を実演したことがあります。

 17名も参加してくれ、その応援にご家族、友達、地域の方がかけつけてくれたので、たちまち会場があふれました。イスをどんどん追加。

 実は、みなさん時間ぎりぎりに到着しました。それなのに会場に入って来ると「わあ、紙芝居がいっぱいある」「これみたことあるやつだ」と目をかがやかせています。段取りは、リハーサルはどうしようか・・・と結構やきもき待っていたわたしたちは、はっとしました。紙芝居をたのしむ気持ちが一番大事。子どもたちにまかせてだいじょうぶ!

 10:30 司会進行も子ども達で、実演会のはじまりです。 

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 大岡小3年3組の作品

 前半・個人で作った作品

    「ボールをかっとばせ」・・・Sくん、      「やきゅうはたのしいぞ」・・・Sくん

    「さちこちゃんとおかしのくに」・・・Mさん  「ありんことバッタ」・・・Yさん

    「ママの手 ふしぎな手」・・・Iさん      「ミスターXの旅」・・・Mさん 

    「ねこと神様」・・・Oさん            「さくらまつりの大じけん」・・・Iくん

    「かぶとむしの夏の一週間」・・・Oくん

 後半・グループで作った作品

    「くもおんな」  途中につぎの場面をあてるクイズがはいる

    「ひなちゃんのみらいアドベンチャー」 ライトを点滅させるおどろきの演出

    「きょうふのドラキュラ」  会場の照明を暗くしてみた 次が気になるストーリー

    「おかしなブーたろう」  世界中ブーたろうになってしまうオチ、最後に♪歌も

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 グループで作った紙芝居は2作目だし、みんなで力をあわせて作ったので、1作目にくらべ格段の進歩です。テーマは「笑い」。”こわいけれどおもしろい”、”意外な展開がおもしろい”、”ナンセンスでおもしろい”など、笑いにもいろいろ種類があると気づき、それぞれのグループが自分達の笑いを追求して作ったそうです。友だちといっしょだと安心してできるのか、感情のこもったセリフ、工夫した抜き方で生き生きと演じてくれました。

  最後に、いっぽがおまけで「なぞかけ」を実演し、こんどは子どもたちに楽しんでもらいました。

      「お寿司とかけてドアノブととく、そのこころは?」 手前の机には子どもの作品

 

 午後は、二組の兄弟といっぽメンバーで即席の一座を組んで実演しました。わたしたちは手作り紙芝居講座やコンクールをとおして知り合った仲間です。

 13:30 Iくん兄のたたく拍子木で開演しました。

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即席一座の演目

   「鳥取砂丘のラクダのラックン」・・Iくん兄  「うさぎのかぞく」・・・Iくん弟

   「トムテと王さま」・・・・Nくん兄         「とりのトール」・・・・・Nくん弟

   「なぞなぞ」・・・・・いっぽ作をHくんが代演、これが紙芝居デビュー

   「大人病院」・・・・いっぽの子どもの作品

     ※手遊び (♪ おおきくなったら何になる?)

   「きょうりゅうトロロン」・・・Iくん兄       「いじわるな王かん」・・・Nくん兄

   「うさぎとうみ」・・・・・Nくん弟             

   「かいじゅうランド」・・・・いっぽの子どもの作品

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 子どもたちは自信を持って堂々と演じ、自分の出番でないときは完全に観客の顔になって笑っています。クイズには先を競って手を挙げています。その、心から紙芝居をたのしんでいる様子が会場全体にひろがり、楽しくにぎやかな実演会になりました。

 最後は時間の許す限り、こどもたちのリクエストにこたえました。小さな子どもも会場からお気に入りの紙芝居をさがしてきて、何本も何本も、ほっぺたをまっかにして見てくれました。

  「ゲームのせかいへようこそ」、「ハマっ子力士 若羽黒(後編)」など14作品を次々と演じました。会場の子どもと大人が目をこらして見てくれる中、声が涸れるまで実演するのは、わくわくするほど幸せな体験でした。

 最終日の来場者は99名。「かみしばい・いっぽ10周年展」は盛況のうち幕を閉じました。

 

 〈さいごに・・・〉 

雪ではじまり、アクシデント続きでしたが、終わってみれば夢のように楽しい4日間でした。

雪の降る中、積もった中紙芝居を見に来てくれた方、                                    実演を申し出てくれた方、                                                  作品を手にとって見てくれた方、                                                あたたかいメッセージをくれた方、                                                                メンバーの少ないいっぽを助けてくれた方、                                                          おせわになった南図書館のみなさま

本当にどうもありがとうございました。

これからも いっしょに紙芝居を楽しみましょう。どうぞよろしくおねがいします!

★4日間の来場者・・・延べ203名、 紙芝居を演じた人・・・36人                         演じた紙芝居の数・・・89作品(うち手作り紙芝居は85作品)、  展示した いっぽの作品・・・84作品(展示会を企画したときは100を目標にしていましたが、だいぶ及びませんでした。次こそは・・・!)★

 

     10周年展をおえて、図書館を裏の山から見下ろすとだいぶ雪が解けていました。

 

 

 

 

 

 

 


かみしばい・いっぽ10周年展 報告①

2014年03月08日 | その他の活動報告

4日間まるまるかみしばいの記録

 2月8日(土)~11日(火・祝) 横浜市南図書館にて

主催:横浜市南図書館、かみしばい・いっぽ                            協力:紙芝居文化推進協議会、NPO法人さくらザウルス

 「10周年を記念して、いままでつくってきた紙芝居を全部、図書館に展示したいね!」・・・からはじまった10周年展の企画は、「あれもしたい、せっかくだからこれも・・・」とだんだん夢がふくらんで、4日間のもりだくさんなプログラムになりました。

 大変遅くなりましたが、4日間まるまるご報告します。

 

〈前日〉・・・2月7日(金) 搬入と会場づくりの日

 9:30 開館とともに、舞台、客席をつくり、ていねいに作品をならべました。レイアウトは事前にかなりの時間をかけて検討していました。イメージ通りの会場が14:00までにはできあがり、大満足。

 

 天気予報は大雪への警告を繰り返していましたが、たいして気にとめていませんでした。

 

〈1日目〉・・・2月8日(土) いっぽのおはなし会の日

 まさかの大雪、それも横浜では20年ぶりの大雪。こちらは”10年に一度”の企画ですが”20年に一度”にはかないません。

 10:00 開場。「かみしばい・いっぽ10周年展」の幕開けです。・・・でも来場者はなく、外にはずんずんと雪が積もっていきます。きょう、はもう誰も来ないのかもしれない・・・・と思った時、かわいいこどもの声が会場に近づいてきました。

 10:30 図書館司書さんによる”熱い”開会宣言で午前の子どもむけおはなし会がはじまりました。お子さん達がすぐ前のマットの席から見上げています。

 いっぽが昨年2月、1年生に実演したプログラムを再現しました。

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   「したきりすずめ」   脚本・松谷みよ子 絵・堀内誠一  (童心社)

   「ペンギンルンのながいいちにち」 脚本・やなぎやけいこ 絵・新堂渓子(画劇)

     ※ペンギンのてあそび (♪ ペンギンさんが氷のお山をのぼります~)

   「三角と四角」   原作・巖谷小波  脚本・絵 いっぽ自作

   「しんかんせんははやい」   脚本・中川ひろたか 絵・わかやましずこ

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 「三角と四角」は原作は100年も前の話ですが、切り絵で鮮やかによみがえっています。オチがわかるとこどもたちは声を出して笑ってくれました。              「しんかんせんははやい」は、毎年1年生のおはなし会で必ず演じる参加型紙芝居。少人数ながら、全員が声を出して盛り上げてくれました。

 プログラムがおわったところで、「せっかく来てくれたから、かざってある紙芝居をどれでもやるよ。」と言うと、子ども達はさっそく手に手に紙芝居を持ってやって来ました。その後12時近くまでリクエストタイム。                               かわいい「ポケットくまこちゃん」や、 子どもの作った「芸は身を助く・・・」などが人気。・・・・かと思うと次は「おどりばダンスホールorj.」 のような大人向きの作品もしっかり見てくれました。いちばん小さいMちゃんが帰りぎわに、「来たかいがあった!」と言ってくれたことばに、思わずじーーん。

 (昼、翌日の”手作り仲間共演”の紙芝居ライブの時間変更を決断し、手分けして出演予定者に電話をかけはじめました。そうしているうちに窓の外は吹雪に・・・・)

 13:30 大人むけのおはなし会の参加者は3名です。                  1本目は「ゆきおんな」なので、カーテンを開けてみました。窓からは雪にけむる弘明寺の墓地が見え、すごい雰囲気です。この雪景色を利用しない手はありません。客席の照明を落とすと、本当に吹雪に閉じ込められたように錯覚しました。

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   「ゆきおんな」   脚本・桜井信夫 絵・箕田源二郎 (童心社)

   「仔牛」   原作・新美南吉  脚本・絵 いっぽ自作     

   「わたるくん にっこにこ」   脚本・絵 いっぽ自作  

   「バックンのボランティア」   脚本・絵 いっぽ自作  

   「なぞなぞ」     脚本・絵 いっぽ自作 

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 吹雪を見ながらの「ゆきおんな」は予想通りの迫力で、ぞくぞくとしました。実際、カーテンを開けていると、暖房していても外の冷気で会場が冷えてしまい、1本目が終わったところでもとどおりに。                                      自作紙芝居については、「子どもが自立する頃に本で読んで感動し、切り絵の紙芝居にした(仔牛)」「東日本大震災後、何もできない自分の情けなさを、主人公の口を借りて語った(バックンのボランティア)」など、作ったきっかけなども聞いていただきました。膝をつきあわせて語れる充実した会となり、午後の部は1時間ほどで終了しました。

 ここで、司書さんから15:00閉館になると言われました。市内の各図書館は午後に次々と閉館しているとのこと。あわてて帰り支度となりました。

          雪の南図書館。

 帰宅するとテレビが「不要な外出は控えるように」と繰り返していました。

 

〈2日目〉・・・2月9日(日) 仲間と共演の日

 雪は止んだもののやはり交通は大混乱。朝から電話で、メールで、出演予定者からの欠席の連絡が入ります。仕方ないとわかっていても心がしぼんでいきます。

 10:30 午前の部はいっぽのおはなし会に変更。

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     「かぶと虫の大ぼうけん」  いっぽの子どもの小学6年生の時の作品

     「よしお」        いっぽ自作

     「おけやのでんきち」 いっぽ自作

     「ゆきおんな」    脚本・桜井信夫  絵・箕田源二郎  (童心社)

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 2本目の「よしお」を演じる前に、演者が「この中によしおさんはいますか?」と聞くと、まばらな客席から「はい」と手が挙がり、びっくり。・・・何とそれは、空席を埋めるために聞きに来てくださった、南図書館の館長さんでした。感謝。実演の最中に次々と午後に出演予定の紙芝居仲間が到着して、元気が出てきます。

 

 出演者は大変な思いをして、動かない路線は迂回して、何時間もかけてきてくださっているのに、客席がガラガラだったらどうしよう・・・とずっと不安でした。でも、時間までにいっぱいになった客席を見て、ホッ。

 13:30 20名の予定だった出演者は残念ながら7名欠席で、手作り紙芝居ライブ が始まりました。

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ご出演の皆さんと作品名は以下の通り(敬称略)

     佐藤まもる 「おれはでんしんばしら」

     星みゆき 「ダンディライオン」 

     安室淑子 「まさくんのパトロール」

     田中佐知子 「さいたね!」

     宮二美枝 「ありのえんそく」

    本多千賀子 「おもちクイズ」

     清水亨桐 「ある恋の思い出」

                    鈴木野和 「おかあさんのしょうこ」

     長雄廉治 「あ無情PART4 振り込め詐欺の巻」

     松本容子 「大人病院」

     どらくろわ 「おさるスタジアムのお約束」

     片岡直子 「なおみちゃんのけっこんしきごっこ」

                   宮崎奈津子 「心臓とひげ」

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 トップバッターの佐藤まもるさんがセリフを言うたびに、マットの席に陣取った地元の少年達がゲラゲラ声をあげて笑っています。                              2008年に小学校2年生で、手作り紙芝居コンクール上地ちづ子賞(ジュニアの部最優秀賞)を受賞した鈴木野和さんは、中学2年生の娘さんに成長して、受賞作を演じてくれました。会場はいっそう和やかに。個性あふれる作品を作者自身が演じるおもしろさに、2時間があっという間でした。

                実演のあいまの手遊びも楽しい

  

 15:40 交流会をおこなうため、いすを輪にしました。’これから作りたい’人から、もう何十年も作っている人まで。作り手がこんなに集まる機会はめったにありません。自己紹介を兼ねながら、実演会の感想や「紙芝居との出会い、作るのと演じるのどっちが先だった?」などを一人ずつ話してもらいました。                  ちなみに いっぽは作るのがずっと先でした。コンクールを目標にそれぞれ作っていましたが、入賞しなければそのまま押し入れに。演じる楽しさに気づくのに10年もかかりました。今回の実演会は、そんな反省をこめ、仲間と演じあう楽しさをみなさんと分かち合うために企画したのです。

 話題は作り方におよび、「脚本と絵、どちらから?」・・・ストーリーを作ってから絵、脚本と作っていく人、ある一場面が頭にひらめいて、その場面を生かすお話を作っていく人・・・などそれぞれの作品が生まれてくるところを聞かせてくれました。

 最後に話題になったのは、「紙芝居で’死’をテーマにすることの是非」・・・真剣に’死’を伝えることが、子どもたちを事故や犯罪から守る・・・という積極的な意見が多かったです。でも、閉じることもスイッチを切ることもできない紙芝居は、人を傷つけることもあるのでは・・・との慎重な意見も。意見が出つくさないうち時間切れでした。

 最後にみんなで記念写真を撮りました。

 ぜひ、またの機会につづきをやりたいですね。