2021.07.18
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
「そんなの、あったよね~」な話題でスタート。
20年くらい前にあった「ドッチーモ」。
携帯電話とPHSの両方の機能を備えていたとか。
(docomoユーザーではないので知らなかったです)
このネーミングが「小林製薬」的で(思わず口に出して言ってみたくなる)、好きだったらしい。
「内臓脂肪をとるからナイシトール」「おならを止めるからガスピタン」「喉にぬるからノドヌールスプレー」の類・・・。
(なるほど、軽くておもしろい)
「ちょっとイタリア語みたいな」、ボンジョールノ~、フラペチーノとか・・・。
(「フラペチーノ」はスタバのメニューだそうですけど)
今日は、【ザ・ナックで漫遊記】。
『ロック大陸漫遊記』、記念すべき第一回の最初の曲がザ・ナック(ココ)。
(これを今読んでも、どういうテーマだったのか、まったくわからん。すみません・・・)
ザ・ナックは、草野くんがロック大陸に上陸した年、1979年に大ブレイクしたアメリカのバンド。
草野「一発屋と言われがちだけれど、あの曲のインパクトが強すぎただけで、それ以外にもいい曲が多いんです」
オンエア曲
01 ハチの針(スピッツ)
02 My Sharona(The Knack)
03 Baby Talks Dirty(The Knack)
04 Just Wait And See(The Knack)
05 Rocket O' Love(The Knack)
06 Pop Is Dead(The Knack)
07 It's Not Me(The Knack)
08 waterhole(joint2)(Leyona)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツで「ハチの針」(2016年、15thアルバム『醒めない』)。
ザ・ナックのリフにカテゴリー的に近い曲として、この曲。
(カッコいいです。ライブでは、予想どおりの映え。いや、予想以上だったかも)
だけど、このリフ、特にナックを意識したわけではないそうです。
最初の曲は、「当時はビートルズの再来!と言われた」、The Knackの「あのデビュー曲!」、「My Sharona」(1979年、デビューアルバム『Get the Knack』/デビューシングル)。
The Knack - My Sharona
今では、「アメトーーク!」やエド・はるみさんのネタで知られているかもしれない、あのリフ。
この曲が収録されているデビューアルバム『Get the Knack』は11日間で作られた低予算レコーディングのアルバム。
草野「そういうアルバムのほうが得てして勢いがあってかっこいい、ということはよくある話。レッド・ツェッペリンの1stアルバムも9日間で録音されたそうですし」
いずれにせよ、1stアルバムはどのミュージシャンもアイデア、モチベーションがみなぎっている状態だ、と(なるほど)
このアルバムは、右チャンネルからはギターの「バートンさんのレスポール」、左チャンネルからボーカルの「ダグさんのストラト」の音が聴こえてくるそうで、「それも楽しめる」と。
スピッツのギターアンサンブルの面でも「昔、参考にしていました」。
草野「ボーカリストがストラト弾いて、リードギタリストがレスポール弾くというところも近いかな。ま、最近はオレがグレッジ弾いたり、テツヤがジャズマスターやテレキャス弾いてるときもありますが」
ギターソロも完全に右チャンネルから聴こえてくるので、「レスポールってこんな音なんだ~」とわかりやすい。
(こういう話は、シロウトにも興味深くおもしろい)
洋楽では韻の踏み方をきくのも楽しいそうで、「ナックはその点でもおもしろい」。
ちなみに「Sharonaというのは女性の名前で、ダグさんの当時の恋人の名前」だそうだ。
最近の情報では、Sharonaさんは不動産の仕事をしていて、「普通に取材も受けています。おきれいな方です」。
(世界的な大ヒット曲のタイトルに・・・と思うと、別世界のことだけど、なんだかすごいなあ。人生が変わりそう)
マイケル・ジャクソンの「Beat It」もこの曲を意識して作られた(by 西寺郷太)そうで、「リフは似てないけど、ビート的には近いかもね。なるほどなという感じ」。
Michael Jackson - Beat It (Official Video)
ここで、The Knackについて。
1978年、ロサンゼルスで、ダグ・フィーガーを中心に、「腕利きのミュージシャンが集まって」結成される。
ブルース・スプリングスティーンやトム・ペティらのゲストに招かれて評判となり、13のレーベルから声がかかり、翌年キャピタルと契約。
当時、ブロンディをプロデュースしていたマイク・チャップマンをプロデューサーに迎えてレコーディング。
「幼馴染やクラスメートが集まってのバンドではなく、すでにプロとして実績のあったミュージシャンで結成されたバンド」なんですね。
ボーカルのダグ・フィーガーが以前に在籍していたThe Skyというバンドの音源もサブスクで聴けるそうで、「わりとのんびりした、CCRのようなロック」と。
(CCR、嫌いじゃない・・・。探してみようかな)
そして次は、「Baby Talks Dirty」(1980年、2ndアルバム『... But the Little Girl Understand』/3rdシングル)。
このアルバムのジャケットは、Sharonaさんの横顔ということで、「今ならジャケ買いするな、という美しいジャケットです」。
アルバムの曲のクオリティーは高いけれど、「みんな『My Sharona』のインパクトを求めていたのか、セールスは大幅ダウン」。
草野「でも、これ、普通にカッコいいんで聴いてください」
草野少年がロック大陸に上陸した1979年当時、音楽雑誌などでは、
「ナック登場!」
「オレたちはこんなバンドを待っていたんだぜ!」
「来たる80年代は、彼らの時代!」
みたいな取り上げ方をされていたのに、次の年にはすでに「一発屋」扱い。
「ちょっと気の毒な感じ・・・」
草野くん自身も、当時は「2ndアルバムまでしか、きちんと聴いていなかった」し、1981年ころには「ナックの存在も忘れていた」。
草野「当時もちゃんと聴いていれば、ギターロックバンドとして、いい曲もたくさんあった。メロディーもキャッチーだし、ダグさんのボーカルも気持ちをポジティブにしてくれる感じ」
時代はアナログからデジタルへ、ラジオからMTVへ、と移り変わっていく中で、「あえて手作り感のあるシンプルなギターロックの枠の中におさまり続けていたことが、ザ・ナックには災いしたのかもしれない」と。今の時代だったら、「そういう姿勢が人気だったりするかも」。
次は、「Just Wait And See」(1981年、3rdアルバム『Round Trip』)。
(60~70年代の風を感じさせてくれるようなポップなメロディーとサウンド。カッコいいというより心地よい感じか)
メッセージコーナー。
スーパーのBGMで「『スパイダー』の尺八バージョン」が流れてきて、びっくりしたリスナーさん、「意外な曲が流れたりしますよね」と。
草野くんも、「ラップに曲がインストになってて、結構ウケちゃった」ことがある。
「傑作カバー・スーパーBGMセレクション」なんてリリースされたら購入したい!と。「著作権フリー」のものはリリースされてるそうです。
(え、スピッツの場合はどうなってんの?)
次は、「Rocket O' Love」(1991年、4thアルバム『Serious Fun』/7thシングル)
3rdアルバムリリースの1981年の大みそかに、中心人物のダグ・フィーバーがバンドを離れ、バンドは事実上の解散。
そして、1986年に再結成。91年に、この4thアルバムをリリース。
このアルバムは「シャッキリとした音になっている。同じようなことをしながら、時代の音にはなっている」。
草野「チープ・トリックの音に近づいた感があるかな。ニルヴァーナやウィーザーがはやるちょっと前です」
(たしかに、シロウトの耳にも音の変化は明らか)
初期のザ・ナックは、プレスコットの「ドラムスがパワフルで聴きどころだった」が、彼は脱退し、このころから、ドラマーがちょくちょくかわるようになる。
当時、タワレコで見つけて、「あ、ナック、まだやってんだ~」と思って、ジャケ買いしたそうです。
(フラフープが火を噴いてる)
その後も解散を再結成を繰り返しながら、1998年、5thアルバムをリリース。
次の曲は、「Pop Is Dead」(1998年、5thアルバム『Zoom』)
このアルバムでは、ドラマーがテリー・ボジオ。フランク・ザッパ、ジェフ・ベックとの仕事でも知られる有名なドラマーで、「スネオドラムがポコポコいっていて、好きな音です」。
曲終わりで、「キース・ムーンっぽくて、The Whoのテイストも感じる」と。
ここで唐突に、草野くんがはまっていた頃は、ダグ・フィーガー(Doug Fieger)ではなく、「ダグ・フィージャー」といっていたそうで。
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)が「レッド・チェッペリン」だったり、モトリー・クルー(Mötley Crüe)が「モートレー・キュラー」だったりしたのと同じようないきさつか?
そして、「メチャメチャ個人的なことなんだけど」という前置きで、「ダグ・フィーガーさんがオレの高校のころのキクチ先生にそっくりなんだよね。動画をみるたびに思い出す。キクチ先生、元気かな?」
(キャッチーなメロディー、気持ちいいサウンド、で、本当にドラムスの音がいいな。「Pop is Dead」というと、Radioheadの曲を思い出しちゃうけど)
次は、「ナックのラストアルバムから」、「It's Not Me」(2001年、6thアルバム『Normal As the Next Guy』。
草野「基本的には、メロディアスなビートのきいたギターロックの曲を最後まで鳴らしていたバンドだと思います。前に特集した、Muffs(ココ)に近いかな」。
(「三連のロッカバラード」特集(コチラ)でもThe Muffsをかけていますね。)
「世代的には、The MuffsもThe Knackの影響を受けている可能性は十分あると思います」と。
(全然古くない、年を取らない、若いままの雰囲気が心地よい)
その後、ダグ・フィーガーさん、ドラムスのブルース・ゲイリーさんは亡くなり、「あの歌声もビートも、生で聴くことはできなくなってしまいました。フジロックにも参加されていたんで、行っとけばよかったな」。
また、ギターのバートン・アヴェールさん、ベースのプレスコット・ナイルズさんは、「My Sharona」をもじって、新型コロナ関連の動画を配信していて、「お元気そうでした」。
https://amass.jp/132810/
(本当に、ものすごくお元気そう!)
特集の最後に。
今回、進行のためにThe Knackについていろいろ調べていたら、発見もあったようで。
ボーカルのダグ・フィーガーさんのお兄さんは、アメリカでかかなり有名な弁護士で、テレビに出たり、ミシガン州の知事候補だったり。(顔もよく似ているそうです)
(今回の特集、いつも以上に楽しそうに語っていましたよね)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(「タイムトラベラー」のイントロで)
曲は、Leyonaさんで「waterhole(joint2)」。
かつて同じ事務所で、「その縁で奥田民生さんのトリビュートアルバムで『さすらい』をカバーしたときに参加してもらった」。
その「さすらい」は、出川さんの「充電させてもらえませんか」でよく流れています。
https://www.tv-tokyo.co.jp/degawacharging/
あのハーモニーは、「オレとドラムの﨑ちゃんとLeyonaの三人で歌っています」。
Leyonaさんのこの曲は、アルバムもかっこいいなと思って、部屋でよく聴いていたそうです。
草野「声もいいんですよ。ちょうどよくかすれててクセになるような。ロックを歌うためにもたされた声」
「忘れちゃうよ」Leyona
(これ、民生さんらしいプロデュース味が伝わる)
そして来週は、「90年代UKロックで漫遊記」。
『ロック大陸漫遊記』は基本的に「70年代のロックをかけたい番組」なので、「90年代ロックはちょっと手薄になっていたかな」ということで、ここらへんでいよいよ・・・。
ティーンエイジ・ファンクラブ、ライドは特集したし、ブラー、レディオヘッド、オアシスなどはチョコチョコかけているので、「それ以外の、かけてこなかったバンド」からのセレクトだそうです。
そして、「草野さ~ん、植木等を「うえきなど」と呼んでいました」(笑)
さっきベランダから外を見たら、真正面に異様に明るい月。
「遠くから君を見ていた いつもより明るい夜だった♪」
前触れもなく、頭の中に流れた「甘い手」。
何気ない日常の中でふっと浮かぶ音楽が、さりげなく小さな思い出になったりする。
ざわざわしている世間のこと、少し冷静に考えてみようか。
ようやく、そんな気になってきた。
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