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米国財務会計基準審議会(FASB)がリース会計の新基準を公表しました

2024-01-26 | 税制

2016 年 2 月 25 日、米国財務会計基準審議会(FASB)は、リース会計の新基準 (ASU 2016-02)、リース (Topic 842) を公表しました。新基準では、貸手の会計処理は現行の会計基準とほとんど変更されることはありませんが、借手は財務諸表にリース資産およびリース負債を認識することになります。 2022 年 12 月 15 日以降の事業年度から、新基準はすべての事業体に適用されます。

 

本稿では、借手の会計処理やその他注意事項を中心に説明します。

 

  1.  新基準の対象外となる短期リース

 

12ヶ月以内の短期リースの場合、借手はリース資産およびリース債務を認識せずにリース期間内に定額法を選択することができます。

 

ただし、月単位のリースは必ずしも短期リースとは言えないことに気をつけてください。短期リースに関しては、下記のような考慮すべき重要な要素があります。

 

  • 借手自身が決め且つ通念上確実に行使する又は貸手の裁量により、リースの延長更新若しくは終了することを考慮する必要があります。

 

(2)    実務上の便法を適用するには、原資産のクラスに基づいて選択する必要があります。この選択が行われたら、リースの変更がない限り、再選択できません。

 

(3)    変動リース料は定額に計上せず、発生時に認識することになります。

 

(4)     法律許容範囲では、契約は書面若しくは口頭で又は明示若しくは黙示のいずれかで表示することができます。

 

(5)    関連当事者によるリースの完全性と有効性を確保するには、法的拘束力がある執行可能リース契約に基づいてリースを確定しなければならなりません。

 

  1.  Topic 842 原則に基づく借手の会計処理

 

新しい基準では、12ヶ月以上のすべてのリースについて、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの両方で資産(使用権資産)とリース負債をリース期間にわたる現在価値で認識し、貸借対照表に反映されます。

(1)    ファイナンス・リース費用

 

ファイナンス リースの場合、ROU 資産の償却費を定額法で償却する必要があります。

 

借手は実効金利法で計算されたリース負債の支払利息を認識しなければなりません。

 

ファイナンス・リースで認識される費用は、リース開始時に最も高く、リース期間が経過すると段々と減少します。

 

(2)    オペレーティング・リース費用

 

オペレーティング・リースの場合、ROU 資産の償却費で定額のリース費をもらい償却することとなります。

 

借手は実効金利法で計算されたリース負債の支払利息を認識しなければなりません。

 

オペレーティング・リースに関して認識された費用は、リース期間にわたる定額費用となります。

 

リース負債残高に関しては、ファイナンス・リース会計とオペレーティング・リース会計の両方において、初期測定時又はその後の評価で一貫性が保たれることが必須という点が重要です。

 

  1.  借手がリース変更時の注意事項

 

リースの変更とは、1つ以上の原資産を利用する特権の追加若しくは終了、リース支払い期限の調整、リース期間の延長または短縮するという契約内容及び条件の変更に伴い、リースの範囲又は対価が変更さることです。

 

特定の状況では、貸手ではなく借手がリース負債を再評価し、関係使用権資産を調整することがあります。

 

(1)    リース契約の更新若しくは終了又は原資産の取得等について借手にけじめをつけさせる出来事が起きる場合。さらに、適用割引率の調整とリースの分類の再評価も必よとなります

 

(2)    残価保証に係る借手の予定責任の変更。

 

(3)    リース料の変動に影響を及ぼす要素をなくし、リース料が固定額に切り替えます。

 

  1. その他注意事項

 

(1)    実務上の便法として、借手が資産クラスに基づく会計方法を採用でき、リース会計部分と非リース会計部分を連結し、リース会計として処理することも許容されます。

 

(2)    リース契約の場合、借手は黙示的借入金利又は追加借入金利のいずれかを割引率として利用するかを選択できます。ただし、黙示的金利を容易に確認できない場合、借手は追加借入金利を選択することができます。

 

(3)    新基準では少額リースの例外内容について明確に規定されていないため、借手はすべてのリースについて ROU 資産とリース負債を認識しなければなりません。

 

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