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米国の個人退職勘定(IRA)について

2023-09-29 | 人事・労務
  1. 米国のIRAとは

 

個人退職勘定 (IRA)とは、税制上の優遇措置を通して個人の年金貯蓄を推進するのを目的とする米国議会に主導された投資手段です。 IRA に預かった資産の管理は通常、勘定管理者に任せて、目標と預金に基づき個人投資とされます。

IRAの種類は様々です。拠出した年度に減税措置を享受できたり、いつでも非課税でお金を引き出すことができたりします。伝統的 IRA と Roth IRA は個人退職勘定の主な種類となります。

 

  1. 伝統的IRA

 

1974年、伝統的IRA は「従業員退職所得保障法 (ERISA)」 に基づいて米国議会によって設立されました。この法案は、IRA に拠出された資金に対して税制上の優遇措置の採用と規定の作成を通して、資金の悪用から当該プランに投資する人を守ります。退職後の税率が低くなると考えている人や、雇用主を通じて 401(k) などの他の退職金プランに加入できない人にとっては伝統的IRA は最適です。

 

伝統的IRA には、課税前の資金を拠出できる伝統的退職勘定(控除対象 IRA) と、課税前の資金を拠出できない退職勘定(控除対象外 IRA) が含まれます。

 

(1)    伝統的控除対象IRA

     

この勘定の特徴は、課税前の所得から拠出でき、定年退職後の年金を受ける金額に対し課税されることです。さらに、IRA に対する特別税制上の優遇の目的は、個人の退職貯蓄を推進する為なので、通常は 59 歳半未満より前に引き出す場合10% の追加の税金が課せられてしまいます。この 10% の税金は通常の所得税以外に追加されるもので、通常の所得税の確定申告時に控除することはできません。

    

(2)    伝統的控除対象外 IRA

 

この勘定の特徴は、課税後の所得から拠出し、実収益のみに対し課せられ、定年退職の年金を受け取るとき全額非課税扱いとされることです。当該勘定は主に、高収入の人、所謂調整された総所得(AGI)が最低限度額を超える人々を対象としています。対象者は、IRA に拠出できますが。ただし、課税前の所得からIRA に拠出することは禁止されています。又、定年退職後にIRA から年金を引き出す場合、IRA の所得/収益のみに課税されます。

 

  1. Roth IRAs

 

(1)    1997年、Roth IRA は「納税者救済法」によって設立されました。

 

個人はいつでも Roth勘定からお金を引き出すことができ、多くの場合手数料も税金もかかりません。定年退職後の税率が高くなる人にとって、Roth IRAは最適です。従って、Roth IRA は多くの人々にとって応急資金としても機能されています。

 

(2)    Roth IRA の所得が非課税およびペナルティなしに引き出す条件は下記のようになります。

 

 (a)    Roth IRAには最低でも5 年間続いて資金を拠出したこと

 (b)   すくなくとも59 歳半までに勘定に資金を拠出し続くこと。

 (c)   拠出者は拠出額から最大1万ドルを初めての住宅購入に使用すること。

 (d)   拠出者が死亡したまたは障害になった

 

  1. 伝統的IRA Roth IRA の比較

 

(1)    類似点

        

  (a) 毎年勘定に資金を拠出した時期が同じです。

  (b)         Roth IRA への拠出額は、インフレに連動した年間最大上限額 (2022 年は 6,000 ドル、50 歳以上の納税者の追加のキャッチアップ拠出額は 1,000 ドル) と、その年の納税者の課税対象報酬のうち、小さい方に制限されます。

  (c) 将来修正される AGI のレベルに関係なく、伝統的IRA と同様に、過去数年間に拠出された資金をRoth IRA に預かることができます。

 

(2)     相違点

 

(a)     相続された Roth IRA を除き、 Roth IRA には必要最低引き出し額 (RMD) の年齢制限要求がないのに対し、伝統的控除対象IRAには、納税者は72歳になってから最低引き出しできます。

(b)    伝統的控除対象IRA と違って、Roth IRA は課税後の所得から拠出し、引き出す拠出額に対し全額非課税扱いです。

(c)    伝統的控除対象IRA に拠出された資金に対し減税措置を受けられますが、Roth IRA は適用外です。

 

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