- 簡易課税のメリット
(1) 会計事務を簡素化します。簡易課税制度は、要件を満たす企業がVATを計算するための管理負担を軽減しました。
(2) キャッシュフローを改善します。企業は定めた税率でVATを納付するため、特に企業がもらったVATが標準税率で納付するVATよりも高い場合、キャッシュフローを改善する可能性があります。
(3) 記録の保存が不要となります。簡易課税制度では、企業は仕入税額の記録及び書類を保存する必要がなくなり、会計事務がさらに簡素化されます。
しかし、次の企業にとっては簡易課税の効果がマイナスです。
(1) 英国国外の顧客に商品を販売し、英国国外の仕入先から商品を購入する企業
(2) 仕入税額が売上税額より高く、HMRCからVAT還付を受ける可能性のある企業
(3) その他の課税方法と比べ、簡易課税の方がより多くの税金が発生する企業
- 新規登録の1%軽減
簡易課税制度により、1%軽減は簡易課税を利用してから12ヶ月以内ではなく、VAT登録から12ヶ月以内の企業に適用されることになりました。VAT登録から12ヶ月後簡易課税を利用する企業は、1%軽減を適用しません。
企業は譲渡されて経営を続ける場合、譲渡する日から12ヶ月以内に1%軽減を適用します。
- 簡易課税の計算例
簡易課税制度において、要件を満たす企業は定めたVAT率を売上高(税込)にかけてVATを算出しますが、仕入又はコストにかかる仕入税額の還付を受けられません。ただし、1回の購入にかかる費用は2,000ポンド以上の場合、この限りではありません。
【計算例】
課税額=税込み売上高×簡易課税率%
ステップ1:請求書単価1,000ポンド+(1+標準税率20%)=請求書合計1,200ポンド(税込み売上高という)
ステップ2:コンピュータ修理サービス事業の簡易課税率10.5%を確認
ステップ3:課税額=税込み売上高×簡易課税率=1,200ポンド×10.5%=126.00ポンド
企業はHMRCへ126ポンドの税金を納付しなければならず、当該取引に関する費用にかかる仕入税額(コンピューター修理のために購入する材料にかかるVATなど)の還付を受けられません。
- 簡易課税率の変更
企業は経営している事業を変更した場合、変更する日から30日以内にHMRCに書面で報告し、変更後の事業に応じる簡易課税率でVAT額を計算・納付しなければなりません。1簡易課税年度に簡易課税率が2回以上変更された場合、企業は当該年度のVAT額を計算する際に、各期間が適用される簡易課税率でVAT額を計算する必要があります。
企業が期限内にVAT登録をし、正確なVAT申告書を提出し、期限内に納付するために、HMRCは一連の措置を施行しています。企業はVATの簡易課税に関する申告が間違っていたとき、HMRCからの調査、又は罰金や処分を受ける恐れがあります。
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