快居の会ブログ

自宅や住みなれた地域で快適にいきいきと生活出来るように、住居改善の活動をするNPO法人、福医建研究会<快居の会>です

7月25日の例会のお知らせ

2009年06月26日 | ふくいけん例会・勉強会
次の福医建研究会例会の案内が出来ました。会員の皆様にはメールやFAXでお送りし、福医建のホームページにもアップしました。
http://www7.ocn.ne.jp/~fukuiken/reikai.html

概要のみブログにも書いておきます。

福医建研究会の2009年度第2回例会を、大光電機のショールーム、
ライティング・コア大阪(大阪市中央区高麗橋3-2-7)にて、7月25日に開催します。
テーマは、「住居改善検証シリーズ5 2事例の検証」です。
戸建住宅の2事例、17年前の新築と3年前の改造を取り上げます。

このシリーズは2007年度に4回連続で開催しましたが、昨年は開催することが出来ませんでした。今回の2事例で、10事例を検証訪問して紹介となりますが、何とかもう少し多く検証して報告したいと思います。ご期待下さい。/babaken



何だか不思議なバリアフリー2

2009年06月23日 | バリアフリー・ユニバーサルデザイン
小さな親切、大きなお世話・なんだか不思議なバリアフリー その2回目です。

今私の心強い共同研究者であるNさんが転んだ。

普通教室にパソコンを導入する方法として、床上配線のために数センチメートルを嵩上げしてパソコン床を設けます。既存床との取り合い部分の処理に今回写真に示しますような 小さな親切 が施されています。美しい仕上げです。
その構造を知らずにここを通ると、まるでフラットな床に見えるので、足が上がりにくい、足の筋力が弱い人にとっては、躓いてしまいます。
日頃のお付き合いの中で、バリバリ活動しておられるNさんを気遣うことに気付きませんでした。なので急に私の視界から消えてしまったNさんの身に起こった事態がピンときませんでした。悪いことをしてしまいました。
日曜日、わざわざ出向いてくださったNさんを、不用意に統計計算ソフトが使える情報室に案内してしまった私の軽率さを恥じ入りました。

Photo

(このサイズではよく分かりませんが、写真をクリックして大きくすると何が問題か見えてきます。)
改めて写真を撮って気付いたのですが、やはり色を使い分けるなどの方法で注意を喚起する技術が必要ですよね。バリアフリー策は難しい。/masako-b


床の構造は対象者によってバリアになる場合とそうでない場合があります。段差をなくすことはバリアフリーにつながることは事実ですが、この事例のようにあたかも何もないかのように仕上げてしまうと大きな落とし穴になります。
少なくとも区別できる構造にする必要があります。片面をスロープに片面を段差にするか、配色を変え注意喚起を促すといった配慮がほしいと思います。
高齢者が転倒すれば即、骨折に結びついてしまいます。特に老人施設の床には注意をしていただきたいと思います。
Nは転倒することに慣れていますのでお気遣いなく。/Nさん


一般的な転びやすい転倒因子としては、身体機能として筋力低下、歩行障害、視力障害、バランス不良、認知障害などがあげられます。また環境因子として今回問題になった床の形状、照明などが考えられます。

具体的な話として、筋力が弱くなるため歩くのが遅くなり、体のバランスを取ろうと両足の幅が自然と大きくなり、股関節や膝を曲げ気味に歩くようになります。
背中もやや丸くなるため、腕の振りが小さくなります。これは滑っても転びにくくしているのは確かですが、つまづきやすい歩き方になっています。
また「転ばないように」と下ばかりを見て歩く姿勢では、後ろ足を蹴ったり、歩幅を大きくしたりできません。これでは、なおさら、つまづいて転びやすくなってしまいます。転ばないようにと歩いていた歩き方が、実は転びやすい歩き方になっています。

参考に「RICHBONE」の転倒のページを表示します。/Nさん、その2
http://www.richbone.com/tento/bs/




JRの駅のトイレでとんでもない手すりを発見

2009年06月22日 | バリアフリー・ユニバーサルデザイン
Cimg0417

発見者コメント
いまどき、公衆トイレにまだまだこんな手すりがあるなんて、びっくり。JRの某駅内の女子トイレですが、しゃがむ時に前手すりで頭は打つわ、座ったら手は届かないわと、とりあえず手すりがあれば少しくらいは役に立つヤロという ありがちな言い訳に かすりもしないエラーです。
これって、工事の指示や検査はないわけ?(かこさん)

和式の便器はもともと脚力がいるのでそれだけでバリアですが、体が硬いと安定してしゃがめないので、前方に適切な高さの手すりは必須です。写真で見る限り、手すりは1メートル近い高さですので、しゃがんだ時に役に立たないですね。低くしてほしいですね。(それでも壁付きだと、壁からの出が小さいと遠いかも。)
横のL型手すりは、洋便器なら膝からいくらか前に立ち上がり用の縦手すり、姿勢の安定と、場合によっては立ち上がりの補助(腰を浮かせる)のための横手すりとして使われるのですが、これは本当に、どう使うネン ですね。
横の前の方は(前の手すりが遠いので)ぶら下がって使うかもしれませんが、お尻よりうしろの縦手すりなどは、本当に使いようがなさそうです。
皆さんイメージしてみてください。/babaken


なんだか不思議なバリアフリー 1

2009年06月12日 | バリアフリー・ユニバーサルデザイン
小さな親切、大きなお世話・なんだか不思議なバリアフリーというテーマで、
シリーズにしたいと思います。その第1回目です。

私の職場は、バリアフリー化に熱心です。
校舎のあちこちに小修理が施されています。時々、これって小さな親切・大きなお世話なのよね~という事例を見かけます。

Cd

この写真には、少なくとも4か所の「大きなお世話」があります。
(写真はクリックすると拡大します。)

たぶん「車いすの人に便利なように入り口にスロープをつけよう!」という小さな親切から、入り口にあった10センチメートルほどの段差にスロープがとり付けられたのだと推察します。ところが、その手前に、雨仕舞のためのL字溝の段差があります①。その手前はかまぼこ状の道です。
ドアの手前には、ポーチが必要です。ゆっくり車いすから手を放し、ドアを開けるためです。このままだと、車いすにブレーキをかけドアを開けなければなりません②。しかも写真ではわからないのですが、重い内開きのドアです。なので押しながら車いすを進めなければ中に入れません。ブレーキをはずすと車いすは後ろに下がってしまいます。困った、困った、、③。
内部のATM機は高さ84センチの水平の操作画面が、車いすでは見づらいはずです。
歩道のように見える部分に無造作に取り付けられたスロープなので、気をつけないとスロープに躓きます④。雨が降っていれば、どこで傘をたたむのでしょう。

一見親切に見えるスロープなのですが、車いすの人が使いやすように考えたのかどうか疑わしくなってきます。

このあとも、時々、デジカメを持って学内を探索します。意地悪ばあさんみたいで厭??なのですが、「小さな親切・大きなお世話」事例が結構あるので、ブログ参加を理由に続けます。お楽しみに。/masako-b


気になったので、改修案を考えてみました。(10センチならヘタなスロープより段差の方がいいという人もいるかもしれませんが、、。)

現在スロープの部分は内部との段差を最低限にして、フラットなポーチにする。
(もちろん外なので、水たまりが出来ない最低限の勾配は必要です。)そして両側の歩道形状の部分にスロープを作る。これが基本でしょう。
歩道の先にはもちろん、L型側溝の段差を切り下げた部分を作る。ポーチの正面は段差が大きいので、写真にあるU型の車止めなどを設け注意を喚起する。
(既存のものは、クルマがATMボックスに衝突しないためにあるのでしょうか?  それとも駐輪用か?)庇もほしいですね。出来れば自動ドアに、、。

自動ドアにすれば、勾配が少々あっても出入りしやすいかもしれません。(電動の車いすだと少し楽かもしれません。)それでもこのスロープでは、L型側溝の部分と側面のつまずき防止の対策は必要です。

でも、ATMコーナーを新設する時からバリアフリー、ユニバーサルデザインを意識していれば、もっとスマートに出来ますよね。/babaken