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「日本の公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿に関する中間論点整理」(案)公表

日本の公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿の提言プロジェクトチームからの公開草案 「日本の公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿に関する中間論点整理」(会員専用ページのため、ID、パスワードが必要)

日本公認会計士協会は、「日本の公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿に関する中間論点整理」の公開草案を、2014年9月8日に公表しました。

協会会長らが参加している「日本の公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿の提言プロジェクトチーム」が、「公認会計士が会計及び監査の専門家として社会に貢献していくために、法制度及び協会の制度・施策はいかにあるべきかについて検討」してきた結果をまとめた論点整理案です。

以下のような構成となっています。

Ⅰ.現状認識
Ⅱ.検討に当たっての基本的な考え方
Ⅲ.論点整理
Ⅳ.その他

論点整理の中では、1.公認会計士の登録制度の在り方、2.公認会計士の資格取得の在り方、3.公認会計士・監査法人の業務範囲・規制の在り方を取り上げています。

具体的には以下のような提案がなされています。

・公認会計士の登録について、①業として法第2条の業務を実施するか否かにかかわらず公認会計士となるために登録を受けるべき基礎的な事項と、②業として法第2条の業務を実施する場合に必要な事項とに区分・整理することが適当と考える。

・前記(1)の見直し(注:上記の登録について区分・整理する見直し)を前提に、業として法第2条の業務を実施しない者に対するCPEの義務を弾力化することが適当と考える

・上記の3つの義務(注:CPEを受講する義務など)を怠った公認会計士について、一定の弁明の機会を確保した上で、協会が登録を抹消すること等を可能とすることが適当と考える。

・協会の会員・準会員以外の会計実務家等のネットワーク化を支援するとともに、協会の持つナレッジやツールを提供していくことが適当と考える。

・上場会社等の監査に従事する公認会計士(監査報告書の署名者)については、協会の自主規制として、一定の監査の実務経験を必須とすることが適当と考える。

・公認会計士の資格取得に必要な要件のうち、業務補助等の期間については3年と、学歴については学士の学位を有することとすることが適当と考える。

・公認会計士試験制度については、現行の枠組みを維持することが適当と考える。ただし、公認会計士に求められる資質等に鑑み、試験内容等について、次の見直しを行うことが適当と考える。(「経済学」の必須化、英語に関する加点制度、国際財務報告基準の内容が含まれることを明確化など)

・公認会計士試験に合格した者に対し、平成15年改正により廃止された会計士補制度を参考に、会計の専門家の国家資格として登録制度を設けることが適当と考える。

・公認会計士制度の歴史、公認会計士の能力、識見等、国際的な監査業務等への信頼の確保その他税務サービスの有益な提供等の観点から、公認会計士が公認会計士の資格で税務業務を行うことができる制度が適当と考える。

・監査法人の業務範囲を改め、「会計・監査法人」として監査業務・非監査業務の各業務を本来業務とすることが適当と考える。

・特に、社会的影響が大きい上場会社の監査については、上場会社監査事務所登録制度において懲戒処分を受けた公認会計士に対する取扱いを厳格にする等、自主規制による指導・監督を充実させることが適当と考える。また、協会が行う懲戒処分の実効性を高めるための措置も必要と考える。

税務業務を除けば、あまり反対がなさそうな提案が多いようです。個人的意見としては、英語の加点制度には反対です。試験を無意味に複雑化するだけです。英語能力が必要というのであれば、監査法人などが採用する際に考慮すればよいのではないでしょうか。TOEICなどは、リーディングとヒアリングだけの試験なので、高得点でも実践には役立たないという見方もあるようです。

なお、大きな問題となっていた「待機合格者」問題については、「概ね解消された」とされています(「当面の」という限定は付いていますが)。
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