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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

監査移管 大わらわ…みすず解散ショック

監査移管 大わらわ…みすず解散ショック : ニュース : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


みすず監査法人解散による監査人交代の状況を取り上げた記事。これを読むと「監査難民」という言葉が一般化してしまったようです。

「大手企業を除けば、会計不祥事が相次いだ旧中央青山の顧客企業の受け入れに慎重な監査法人は多い。上場企業計約100社を引き継ぐあずさは、引き受けに当たって監査結果を裏付ける情報を集約した「監査調書」をチェックし、「企業の経理内容や情報開示の体制に不審点があれば引き受けられないケースもある」(三和彦幸副理事長)と厳しい態度で臨んでいる。」

たしかに監査人交代のときの手続として監査調書の閲覧という手続はありますが、必ずしも契約前にやる必要はなく、前任監査人からのヒアリングだけでもよい場合もあります(そもそも3月決算だとまだ監査は完了しておらず監査調書も固まっていない)。特にみすずからの移管の場合は、監査チームごと受け入れるケースが多いでしょうから、ある程度移籍する人達を信頼して流れ作業的に引継をやるのでしょう。

ただし、何らかの理由で監査チームとクライアントが別々に動くような場合には、そうはいきません。監査チームが持っていけないような特別な事情が存在する可能性を考えて、厳しく見ていくのでしょう。すくなくとも、一時期の国立大学や独立行政法人の監査のようにダンピングしてまで取ることは考えられません。

「人員の制約から「最終的に引き受けなかったケースもある」(大手監査法人)といい、みすずの顧客企業でも「受け入れ先の監査法人が決まっていない企業が数件残っている」(業界関係者)とみられる。「監査を受けることができない企業が出てくるのでは」との心配も浮上してきた。」

おそらく上場企業で監査人が見つからないというケースは、ごくまれだと思いますが、非上場の小規模企業・法人の監査で、大手監査法人でやったのでは割に合わないようなものは、相当数、個人の会計士や中小監査法人に移るのではないかと思います。

「青山学院大大学院の八田進二教授(会計監査論)は「受け入れ先が決まっても、担当する業界や事業に精通している会計士でなければミスも起きやすく、監査のスピードも落ちる。監査法人、企業双方の負担は増える」と指摘している。」

監査チームごと移ってくればこうした心配は少し減るとは思いますが、監査法人を移って、移籍先の監査のやり方や調書の作り方に習熟するまでには、時間がかかります。また、受け入れ側の監査法人も引継作業に相当の時間を取られることになるでしょう。内部統制監査を一年後に控えて、負荷が高まる分をこなしていけるのでしょうか。
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