会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

公私混同して軽減税率にこだわる新聞は、財政再建を語る資格なし(ダイヤモンドオンラインより)

公私混同して軽減税率にこだわる新聞は、財政再建を語る資格なし

消費税の軽減税率を主張する新聞(特に読売新聞)を批判する記事。

「軽減税率(税率は8%とする)導入により失われる税収、つまりこれを導入するための財源は、すべての飲食(酒を除く)を対象にすると、1.3兆円の軽減税となる。消費税率に直すと0.5%分である。この失われる税収を所得税で賄おうとすると、現在所得税収は約15兆円なので、我々の所得税を一律10%近く増税する必要がある。

軽減税率の対象を生鮮食料品に限定すると、その減収額は3400億円となるので、財源的には何とか対応できる水準であろう。」

「こうした現状の中で、読売新聞は軽減税率にこだわっている。表向きは「痛税感の緩和」などと言っているが、高所得者にまでなぜ「痛税感の緩和」を行う必要があるのかについては語っていない。軽減税率は、「高所得者に恩恵を及ぼす税制のバラマキ」である。逆進性は全く解消されない。」

「読売がこれを主張する本当の理由は、新聞経営の厳しさからきているのではないかと見る。筆者の授業を受ける50人程度の大学院生に尋ねても、新聞を定期購読している学生は1、2人に過ぎない。新聞経営の苦しさには同情するが、それ(私益)とこれ(公益)を混同する(社論として論説に書く)しているのではないかと疑われることは、社会の公器を任ずる以上、いかがなものか。」

「「新聞を軽減税率の対象にすべき、という読売新聞の主張は、「公益」と「私益」を混同した、エゴ丸出しの議論と言えるであろう。わが国の財政事情を考えるなら、低所得者対策は3000億円程度の「給付」で行うべきだ。「第4の権力」を活用してごり押しするようなことがあれば、読売は「日本の財政(再建)」を語る資格はないということになる。」

最近の読売の社説。

与党税制協議 軽減税率の制度設計を急げ(9月26日)

軽減税率のためのインボイス導入も主張しているようです。

「軽減税率の導入には、取引ごとに税額や税率を記入するインボイス(税額票)が不可欠とされる。経済界は、企業や小売店の事務負担が増えるとして、軽減税率に反対を唱えている。

インボイスは、欧州やアジアの多くの国で定着している制度だ。日本企業だけが頑かたくなに採用を拒み、消費者に無用の負担を押しつけるのは身勝手が過ぎよう。」

この社説では、軽減税率が本当に逆進性緩和に役立つのかという議論は全くなされていません。

こちらは反対論。

混迷深める軽減税率、導入は絶対阻止するべし!(日経ビジネス)
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