文部科学省「学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント(意見公募手続)の実施について」に対する意見について
日本公認会計士協会は、文部科学省の「学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント(意見公募手続)の実施について」に対して提出した意見を公表しました。
(学校法人会計基準の改正は、2024年9月30日に公布されています。→当サイトの関連記事)
いくつかピックアップしました。括弧内は文科省の「学校法人会計基準等に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について」から文科省の考え方です。
「情報開示を主な目的とする会計基準として、他の非営利組織の会計基準のように、重要性の原則の採用を明記していただきたい。」(社会福祉法人会計基準、医療法人会計基準、公益法人会計基準では重要性の原則が明記されているそうです。)
(文科省「今回の改正は、令和5年改正私立学校法の施行のために最低限必要な内容としております。ご指摘の点を含め、学校法人会計基準は必要に応じ引き続き見直しの検討が必要と考えています。 」)
「大臣所轄学校法人等においては特別会計の収益事業会計も開示対象となるが、現状では収益事業会計の開示方法や態様が統一的ではない。また、仮に上場会社等と同等の企業会計基準の適用及び情報開示を求めるのであれば学校法人の負担が膨大になることが考えられる。...」
(文科省「ご指摘を踏まえ、今後、省令の運用に関する通知等でお示ししていきます。」
「表示単位は一円とされているが、情報開示に当たっては明瞭性の観点から千円単位等を認めてもよいのではないか。」
(文科省「今回の改正は、令和5年改正私立学校法の施行のために最低限必要な内容としております。ご指摘の点については、改正後の私立学校法第103条第2項に基づき作成された計算関係書類が、私立学校振興助成法第14条第4項により所轄庁に提出され、経常費補助の算定に影響することも踏まえ、必要に応じ引き続き見直しの検討が必要と考えています。」)
「 省令等案の概要2ページにあるとおり、今回の会計基準改正は「補助金の適正配分を主な目的とした基準から、ステークホルダーへの情報開示を主な目的とする基準として整備する」ことが目的となることから、事業活動収支計算書は予算対比ではなく、貸借対照表(第一号様式)と同様に前年対比とすべきではないか。 」
(文科省「貴重なご意見として承ります。「学校法人会計基準の在り方に関する検討会報告書」(令和6年1月31日)p.35において継続的な議論が必要とされた論点の1つに「事業活動収支計算書の様式(経年比較)」が示されたように、
事業活動収支計算書の様式ついては、前年対比型とするかどうかを含め、継続的な検討が必要と考えております。 」
「財産目録(第8号様式)は貸借対照表(第1号様式)と異なる科目で作成するように見受けられるが、財産目録(第8号様式)と貸借対照表(第1号様式)を異なる科目で作成する場合、学校法人の混乱や負担を招くことになると懸念される。...」
(文科省「ご指摘の趣旨を踏まえ、第8号様式を貸借対照表の科目との整合性が分かるような様式に修正いたします。」)
学校法人会計基準の一部を改正する省令案等のパブリックコメント(意見公募手続)の結果について(e-govパブリックコメント)