会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

旭化成、「心肺蘇生事業」が急成長した舞台裏(東洋経済より)

旭化成、「心肺蘇生事業」が急成長した舞台裏
買収から5年、高値づかみの評価をくつがえす


東芝や日本郵政など、海外M&Aの大失敗例ばかり報道されていますが、成功といえそうな例もたまにはあるようです。

「石油化学や繊維、住宅、電子部品など多様な事業を展開する旭化成にあって、ある意外な事業が急成長し、存在感を増している。“心臓突然死”の危機に見舞われた患者を救う救命救急の医療機器事業だ。

事業を担うのは2012年春に買収した米国のゾール・メディカル社。昨2016年度の同社の業績は売上高が12.7億ドル(約1380億円)、営業利益は2.6億ドル(285億円)といずれも連続して過去最高を更新した模様。旭化成の子会社になってからの5年間で、売上高は倍以上に増え、営業利益も3倍以上へと拡大した。」

「ゾール社買収は投資家やアナリストから当初不評で、発表翌日に旭化成の株価が一時6%下がったほどだった。買収金額が1800億円に達し、当時のゾール社の業績を考えると割高感が強かったからだ。

買収金額がゾール社の純資産額よりも非常に大きかったため、決算で償却対象となる「のれん代」が約1100億円も発生。それとは別に償却が必要な無形固定資産分も含めると、旭化成の決算上はゾール社関連で年間100億円超の償却が15年以上も続く。「これではかなり先まで収益貢献が期待できない」というのが大方の見方だった。

ところが、ゾール社はそうした予想を大きく覆した。冒頭で触れたように、同社の業績は急速に拡大。旭化成の決算上はのれんなどの償却分が差し引かれるが、それでも2016年度の営業利益への貢献は150億円前後に及んだ模様。多額の償却負担で業績に貢献しないどころか、今や旭化成のヘルスケア部門の収益を支える大黒柱となった。」
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