会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

プッチンプリン出荷再開を延期 グリコのシステム障害(日経より)

プッチンプリン出荷再開を延期 グリコのシステム障害

江崎グリコ(東証プライム)は、システム障害により冷蔵品の出荷を停止していますが、出荷再開時期を延期すると発表したという記事。5月中旬だったものを、6月中を目標にするそうです。

「物流センターの実際の在庫数とシステム上の在庫数が一致しない状況が続いている。グリコによると常温品や冷凍品にもシステム障害の影響が出ているものの、冷蔵品に比べて賞味期限が長いため、在庫数の誤差を手作業で修正しながら出荷を継続できている。

冷蔵品は物流センターへの入庫から出荷までの時間的猶予が短く、修正作業が追いつかなくなったことが出荷停止の理由だという。」

匿名の専門家に話を聞いています。グリコのケースを詳しく知っているわけではなさそうですが...

グリコ障害、開発担当デロイトに原因か…なぜERP刷新失敗で1カ月も出荷停止(Business Journal)

「...『システムが止まっても手作業で出荷できるのではないか』とも考えられがちだが、在庫管理から販売、会計までが一気通貫でつながっているので、各工程での商品・数量の動きがすべてシステムに反映されないと、何がどれだけ出荷されて、どれだけ売れたのか、数字を把握できなくなり、正しい会計処理もできなくなる。また、データの不一致が生じれば途中でエラーが生じて処理がストップしてしまうという事態も考えられる。

あくまで推察だが、今回チルド商品の出荷が停止されたというのは、単価が安く商品ごとの販売数量が多く、かつ流通経路が多岐にわたるため、各工程で手作業によってシステムに入力・反映させるといったマンパワーに頼るイレギュラー対応が追い付かないという事情があるからでは」(大手IT企業SE)」

「...日本企業では社内に大規模なシステム開発のノウハウを持っていないところも少なくなく、外部のベンダに頼り切りになってしまった結果、開発が失敗に終わるケースも珍しくない。特に統合基幹業務システムの開発・刷新は社内の複数の部署にまたがり業務そのものを変えていくため大規模かつ難易度が高く、プロジェクトが頓挫するケースもある。

また、なんだかんだと無理も聞いてくれる国内ベンダとは対照的に、外資系コンサルのベンダはドライなので、プロジェクトの途中で突然中止や『ゼロからやりなおし』を提案してきたり、『これはできない』と言ってきたりと、簡単に梯子を外してくることもある。なので発注する側に企業側にも高いスキルが求められる。グリコに関していえば、延期もしてさんざん時間もお金もかけてしまい、もう引っ込みがつかなくなり強引にリリースまで持ってきたはいいものの、いろいろな部分で不備が発覚して火が噴いているという印象。正常化まではかなり時間を要するのではないかと感じる」(大手IT企業SE)」

当社基幹システム障害に伴うチルド食品(冷蔵品)の出荷停止期間の延長について(江崎グリコ)(PDFファイル)

「システム障害に関する問題の特定は進んだものの、その解消に時間を要しており」とのことで、障害の原因はわかっているようです。

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