会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

社用スマホ転売で6億円着服──バンダイナムコはなぜ、社員の不正を防げなかったのか(Itmediaより)

社用スマホ転売で6億円着服──バンダイナムコはなぜ、社員の不正を防げなかったのか

バンダイナムコホールディングス(東証プライム)の子会社におけるスマホ横流し事件について、会社の担当者に話を聞いた記事。

不正を行った元従業員について。

「懲戒解雇されたのは、子会社に勤務する50代の男性正社員。2015年4月ごろから22年4月ごろにかけて、同社が保有するタブレット端末やスマートフォンなどのモバイル端末を、都内の中古端末販売店などに持ち込み、6億円の売却益を得ていたという。」

「同社はゲームアプリの開発などを手掛けていることから、動作環境の確認やデバッグのために端末を大量に購入していた。男性社員は社内の備品の管理や発注を担当しており、現時点で約4400台以上の無断売却が判明している。」

不正発生の原因について。

「同社担当者は原因について「管理システムと社内の体制に問題があった」と説明する。担当者によると、備品は社内の専用ツールで管理していたが、製品番号を手打ち入力するなどの比較的簡素なものだったという。そのアナログな仕組みを悪用し、男性社員は長きにわたって、虚偽の数値を入力。購入数と保管数が一致するように見せかけていた。」

購入した端末に関する情報が、確実に、もれなくタイムリーに管理ツールに入力される(入力方法はどういう方法でもかまわない)ようになっているのかが、最初のポイントなのでしょう。もちろん、その後の動きが正確にシステムに反映されることも重要ですが...。

「備品の管理を男性社員に任せきりにしてしまった」点も問題だとしています。

担当者交代で発覚したそうです。

「21年度末に男性社員から業務を引き継いだ別の社員が、システム上の数値に疑問を抱き、会社に報告。社内で調査を進めたところ、疑惑が浮上し、その後の会社のヒアリング調査で、男性社員は事実関係を認めた。調査の結果、男性社員が着任した年と売却を始めたとみられる期間がほぼ重複しているため、着任早々からシステムの欠陥に気づき、売却を繰り返していたとみられる。」

売却先については...

「同社によると、男性社員は備品の売却先に専門業者ではなく、一般的な業者を利用。買い取り業者側に疑念を抱かれないよう複数の店舗に分散して、売却するという用意周到ぶりだったという。」

仮に、4400台で6億円だとしたら、1台10万円以上であり、新品の値段でしょう。いくら分散したといっても、新品が通常ルート外で大量に持ち込まれたら、おかしいと思いそうなものですが。

再発防止策について。

「再発防止のため、同社は今後、外部の専門家とともに、管理システムの再編も含めた業務プロセスの見直しや内部の管理体制の強化を進める方針だ。加えて、備品の管理体制に関する内部調査をグループ全体にも拡大。備品が適切に管理されているか、確認を徹底する他、事件の経緯をまとめたレポートを社内向けに作成する予定だ。」

備品が固定資産に計上されていれば、棚卸をすることもあるかもしれませんが、消耗品費か何かで経費処理されている場合は、厳しい管理を行っていないケースが多いかもしれません。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事