会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「サハリン1」撤退関連費、米エクソンが4400億円計上(読売より)

「サハリン1」撤退関連費、米エクソンが4400億円計上

米石油大手エクソンモービルが、サハリンでのエネルギー開発事業「サハリン1」からの撤退に関連する費用として、2022年1~3月期に34億ドルを計上したという記事。

この損失にもかかわらず、当期純利益は順調だったようです。

「ロシアによるウクライナ侵攻を受けて原油価格が大幅に上昇した影響で、業績は好調だった。1~3月期の最終利益は前年同期の2倍となる54億8000万ドル(約7000億円)だった。」

会計処理的には評価損のようです。撤退が完了したわけではないので、そういうことになるのでしょう。

エクソン、第1四半期利益は予想下回る ロシア撤退で評価損計上(ロイター)

「米石油最大手のエクソンモービルが29日発表した2022年第1・四半期決算(3月31日まで)は純利益が54億8000万ドルとなり、前年同期(27億3000万ドル)の約2倍に膨らんだ。1株当たり利益は1.28ドル。前年同期は0.64ドルだった。

ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」事業からの撤退に伴う34億ドルの評価損を除いても、市場予想を下回った。」

少し前の記事。

米エクソン、「サハリン1」に不可抗力条項 対ロ制裁で輸送困難に(ロイター)

「 米石油大手エクソンモービルは27日、ロシア法人エクソンネフテガスがロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」に不可抗力条項を発動したと発表した。対ロシア制裁で輸送がますます難しくなっているとした。

サハリン1は日本の官民で作るサハリン石油ガス開発が3割の権益を保有している。同社はエクソンとの機密保持契約を理由にコメントを拒否した。

エクソンは3月、サハリン1からの撤退を表明。」

ロシア・サハリン1プロジェクト(石油資源開発)

「基本情報

名称:チャイウォ/オドプト/アルクトン・ダギ鉱床
所在地:ロシア・サハリン島北東沖海上
オペレーター:Exxon Neftegas Ltd.
プロジェクト会社:サハリン石油ガス開発株式会社(SODECO:当社持分法適用関連会社、出資比率15.285%)
権益比率:Exxon Neftegas Ltd.(30%)、SODECO(30%/当社Net比率4.59%)、ONGC Videsh Ltd.(20%)、Sakhalinmorneftegas-Shelf(11.5%)、RN-Astra(8.5%)」

オペレーターはエクソンの子会社のようで、日本のサハリン石油ガス開発はエクソンと同じ権益比率です。エクソンが評価損を出して撤退するというのに、日本側は無傷でいられるのでしょうか。

こういう事情もあるので、なかなか撤退できないのでしょう。

ロシア産ガス、岸田首相の地元にとっても大問題
広島ガスが供給するガスの約半分はロシア産
(WSJ)

「岸田氏の選挙区がある広島県は、ロシア産エネルギーの供給が断たれた場合、特に深刻な影響を受ける。 広島ガス が供給するガスの約半分はロシア産で占められている。日本の他地域と比べて、この割合は非常に大きい。」

「日本は全体で天然ガスの約9%をロシアから入手している。だが、広島ガスとロシアとの関わりはより深く、同社は2006年に結んだ契約に基づき、08年から28年までの間、サハリンから毎年最大21万トンの液化天然ガス(LNG)を輸入することになっている。広島ガスによると、契約は同社が毎年必要とするガスの約半分を占める。

 広島ガスの広報担当者は、サハリンからの供給が通常通り行われていると語った。同社は状況を注視し、ロシアのガス供給が停止した場合の代替策を練っているという。」
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