PwCジャパンが企業の経済安全保障・地政学リスク対策の支援チームを立ち上げるという記事。専門家約100人のチームだそうです。
「経済安保に関連する企業からの問い合わせや支援要請が増えていることに対応し、リスクシナリオの調査・評価、危機からの回復戦略の策定までを一貫して支援する。」
会計事務所が地政学の分野に参入しなければなならないというのは、物騒な世界です。
PwCのプレスリリース。
PwC Japan、企業の「経済安全保障・地政学リスク」対策支援チームを組成(PwC)
「グループ内の地政学リスクアドバイザリー、リスクコンサルティング、国際税務、輸出管理、サプライチェーンマネジメント、サイバーセキュリティなどの知見を有する専門家・チームをまとめ、企業の課題に個別に対応していくのではなく、スクラムを組んでスピーディーにリスクの洗い出しから対象事業のリスクの深掘り、リスク評価の支援を行います。さらにレジリエンス戦略オプションの検討、事業戦略・計画への反映と実行支援までを行います。」
「コロナ禍を通し、世界はグローバルな協調から自国第一主義へとシフトし、米中欧3極間の緊張関係と「経済安全保障」の重要性はますます高まっています。日本政府は安全保障上重要な産業や技術への監督を強化するため体制を強化し、「経済安全保障一括推進法(仮称)」の制定に向け経済安全保障担当大臣を新設しました。
PwC Japanグループの調査によると、2021年8月末時点の上場会社を対象に直近と1年前を比較分析した結果、有価証券報告書の「事業等のリスク」における開示にて、「経済安全保障」または「地政学」を記載した企業は175社と、1年前の141社から24%増加し、うち「経済安全保障」を記載した企業は8社と、1年前の0社から増加しました。」
「米中欧3極間の緊張関係」とありますが、今の世界で最大の対立・競争関係は「米中」でしょう。また、「欧」といっても、ひとつにまとまっているわけではなく、ロシアとEU諸国の間には対立関係があります。米欧は、ロシアを除き、激しい対立関係はありません。また、中国とその周辺諸国(台湾、日本、東南アジア、インドなど)の関係も、友好的とはいえないでしょう。それをわざわざ「米中欧3極」というところが、PwCが事務所をおいている中国やロシア(中国は日本より売上が大きいのでは)への遠慮があるように思われます。
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