ソニーの第3四半期決算(2013年10~12月)と通期予想を取り上げた記事。
「売上高は前年同期比23.9%増の2兆4128億円、営業利益は同94.6%増の903億円、税引前利益は898億円、当期純利益は270億円となった。為替の好影響を受けたほか、テレビやスマートフォンの収益改善、ゲームや金融、音楽事業などの好調により、大幅な増益になった。
しかし、通期見通しについては第3四半期における減損と評価減の計上、さらに事業の収益改善施策に伴う追加構造改革費、一部資産売却計画の見直しなどから、10月時点の想定を下回る業績予想を発表。売上高は7兆7000億円と10月時点の想定を据え置いたが、営業利益は800億円(10月想定時は1700億円)、税引前利益は800億円(同1800億円)で、当期純利益は1100億円の赤字(同300億円の黒字)となる見込みだ。」
予想修正前も修正後も、税引前利益と税引後利益の差が目立ちます。決算短信(会計基準は米国基準)をみると、税引後純利益は非支配持分の利益を含んだものとなっていますが、記事では、当社(ソニー)株主に帰属する利益を税引後利益といっており、税金の差だけでなく、非支配持分の利益の影響が大きいようです。
2013年4-12月の実績でみると
税引前利益 1,419億円
法人税等 843億円
四半期純利益 575億円
ですが、この四半期純利益のうち、非支配株主帰属分が464億円あり、当社株主帰属分は111億円にしかなりません。
通期予想も、会計上の当期純利益(非支配株主帰属分含む)は、800億円のプラスの予想ですが、当社株主帰属分ではマイナスの1,100億円になります。
ちょっと紛らわしいところです。このあたりが気にならなくなるほど、全体として十分な利益が出ていればよいのでしょうが・・・。
同社決算短信(PDFファイル)
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