アップル対EUの追徴課税問題を解説した記事。
アップルの租税回避スキームだけでなく、背景となっている米国の税制や対応を説明しています。
「米国は、全世界所得課税方式をとっている。この方式は、米国企業が世界で稼ぐ全所得に対して米国は課税権を持つ、ただし外国で支払った税金は、外国税額控除により排除するという方式である。
したがって米国企業が海外で稼ぎ、(米国より低い)税を払った後、配当として米国に還流させると、差額が追加的に米国で課税されることになる。
そこで多国籍企業は、米国に還流せず海外の低税率国に所得を留保することになる。米国多国籍企業が、数十兆円とも言われる所得を、巧妙なプランニングにより海外に留保している最大原因は、この税制にある。」
「「米国」の考え方を筆者なりにまとめると、以下のようなものである。
1、 米国多国籍企業が低税率国にためている利益は、米国の課税権のもとにある。これを勝手にEUが課税することは許されない。なぜならアイルランドに課税された分は、米国本社の納税時に外国税額控除となり、米国の税収が減少する。(米国政府、議会)
2、 共和党は、企業が米国に還流しやすい税制を早く作りたいが、民主党の出方が気になる。ヒラリー・クリントン候補は、法人税改革にコミットしていない。
3、 業界は、議会が法人税改革を行わないなら、インバージョンで低税率国の企業と逆さ合併して税負担を軽減させたい。本音半分、脅し半分。」
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