(前編)小林製薬の経営に関わって11年…なぜ彼は口を閉ざすのか「ミスター社外取締役」伊藤邦雄氏を直撃した
(後編)「彼が社外取締役を務める企業では不祥事が相次ぐ」…金融業界で危険視される「伊藤銘柄」の正体
小林製薬の社外取締役を長年勤めている伊藤邦雄氏(一橋大学名誉教授)に批判的な記事。
記事の冒頭部分。
「東京郊外の閑静な住宅街に、ひときわ目立つ豪華な一軒家がある。派手な高級外車が駐車されたその豪邸のインターホンを鳴らすと、渦中の人物が応対した。小林製薬の社外取締役を務める伊藤邦雄氏(72歳)だ。
小林製薬が製造していた「紅麹コレステヘルプ」などのサプリに、腎障害を引き起こすプベルル酸などの毒物が混入していた「紅麹問題」。サプリ摂取と死亡との因果関係を調査している事例は119件に及ぶ。この問題への責任を問うと「トップが隠蔽していては見抜けない」「(だから)私が小林製薬の会長に辞任を進言したんだ」などと語気を強めた。」
「直撃した」とありますが、伊藤氏へのインタビューは、この冒頭部分の他は、後編の最後のところだけです。中身のあることは聞き出せていないようです。
おなじみの八田教授のコメントの方が長いようです。
「コーポレートガバナンスの専門家で青山学院大学名誉教授の八田進二氏は、今回の紅麹を巡る経営陣の対応は「あまりにもお粗末」と指摘する。
「小林製薬は、事件当時の会長と社長が創業家から出ている、いわゆる同族経営の企業です。今回の事件から、情報開示に極めて消極的で、隠蔽体質のある会社であることが明らかになりました。そうした会社では、社外取締役が率先して情報開示させ、情報が上がってくる仕組みを作らねばなりません」」
「八田氏が続ける。
「創業家とはいえ、問題を起こした元トップになぜ月200万円も支払うのか。なかでも社外取締役の伊藤氏は、人事指名委員会と報酬諮問委員会の委員長で、人事や報酬への最終責任を有している。こんなことをしていては、死亡事故を起こしてしまう社内体質を改めることは難しいでしょう」」
「「こうした不祥事が起きた際は、社長が説明責任を果たすと同時に、経営陣を監視してきた社外取締役もまた、説明責任を果たさなければなりません。自分たちは経営を監督するうえで何をしてきたのか、何ができなかったのかを説明する必要がある。伊藤氏は11年にもわたって社外取締役を務めていますから、今回どのような対応を取ったのか知りたいところです。説明責任から逃げている社外取締役は、仕事を放棄しているとの指摘がなされてしまう」(八田氏)」
「不祥事が相次ぐ」として名前を挙げているのは、曙ブレーキ工業と東レです。
金融業界関係者のコメント。
「「...不祥事を起こす会社が伊藤氏を社外取締役に選任することを好んでいるのではないか。時代錯誤の経営者ほどコーポレートガバナンスなどという名の「監視」を避けたがります。耳触りのいいことしか言わない社外取締役がそうした経営者から好まれるのです」」
伊藤教授の主張は、日本企業はもっと稼いで株価を上げるべきというものですから、別に矛盾はしていないような気もします。また、一会計士からすると、教授はガバナンスの専門家というより、会計学者なのですが...