会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

GCと後発事象の基準開発へ(経営財務より)

GCと後発事象の基準開発へ

企業会計基準委員会(ASBJ)が、継続企業と後発事象の会計基準検討に着手するようです。

会計士協会の指針をASBJに移管するプロジェクトの一環ですが、単に移管するだけでなく、基準・指針の内容まで変える可能性があるようです。

「4月22日開催の本委員会では、GCと後発事象の実務指針等のASBJへの移管は可能との文案が示された。結果は6月までに公表する予定。」

「企業会計基準諮問会議の審議を経てASBJの新規テーマとなる」とのことです。

詳しくは、週刊経営財務5月6日号(先週号です)をご覧ください。

4月22日のASBJ会議資料(継続企業及び後発事象に関する実務指針等の移管に係る調査研究)によると、継続企業と後発事象に関する調査研究を実施する際のアプローチが示されているようです。

「調査研究においては、次のアプローチを採用している。
(1) まず実務指針等の移管の実行可能性を検討するために、継続企業と後発事象に係る実務指針等を対象として会計に関する内容と監査に関する内容を切り分けるように分析を行う。
(2) (1)に併せて、仮に実務指針等の移管が実行可能とされた場合、実務指針等の移管のみを目的として基準開発を行うのか、国際的な会計基準や監査基準等の取扱いとの関係から生じる論点や当委員会等における過去の審議で検討された論点も基準開発の範囲に含めるかについても検討を行う。」

何段階ものステップを踏まないといけないようで、実際に基準・指針が変わるのは、だいぶ先なのかもしれません。

継続企業の方は、日本基準では、企業会計審議会の監査基準が最上位の基準で、それに基づき、開示に関するルール(財規・会社計算規則など)や協会の指針(開示と監査の両方含む)ができているのでしょう。監査の基準・指針との切り分けは難しい面があるのでしょうが、海外基準では、監査だけでなく会計基準の中で決めている部分があるので、それらを参考にするのでしょう。ASBJの資料では、監査基準で使われている「継続企業の前提」という言葉ではなく「前提」なしの「継続企業」になっているという点も注目されます。これを機会に、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」ではなく「継続企業として存続する能力に関する重要な不確実性」といった、もっと端的な言葉にしてほしいものです(「前提」に確実も不確実もないでしょう)。

後発事象に関しては、企業会計原則が最上位で、それに基づいて開示のルールが決められており、それをASBJに移管するとなると、協会の指針の移管というだけでなく、形式的には企業会計原則注解の後発事象に関する規定(まだ生きているのでは)を廃止するということになるのでしょう。

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