会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

わが国税制の現状と課題 ―令和時代の構造変化と税制のあり方―(内閣府・税制調査会)

わが国税制の現状と課題
―令和時代の構造変化と税制のあり方―
(PDFファイル)(税制調査会のページ(分割版はこちらから)より)

政府税制調査会は、「わが国税制の現状と課題―令和時代の構造変化と税制のあり方―」という報告書を、2023年6月30日に公表しました。

「本答申は、「第1部 基本的考え方と経済社会の構造変化」と「第2部 個別税目の現状と課題」に分かれています。

「第1部 基本的考え方と経済社会の構造変化」では、これからの税制を考えるために必要な内容として、租税の役割や民主主義との関わり、租税原則、租税制度の変遷などについてまとめています。
その上で、当調査会において有識者等も交えながら議論を重ねてきた内容を中心に、「あるべき税制」を検討する際の土台となる、近年の経済社会の構造変化について整理しています。

「第2部 個別税目の現状と課題」では、所得税、消費税、法人税など国税及び地方税の個別税目ごとの制度概要、これまでの改正の経緯、そして「第1部」で触れた経済社会の構造変化を踏まえた課題について示しています。」(2ページ)

280ページほどの答申書です。

税制調査会(首相官邸)

首相挨拶より。

「本答申は、税とは何かというところから、租税原則や我が国の税制の歴史などが詳述されており、その上で働き方やライフコースの多様化、経済のグローバル化、デジタル化、格差をめぐる状況の変化、少子高齢化など、経済社会の構造変化について幅広く網羅された内容となっております。

また、それを踏まえた税制の現状と課題を中期的な視点から整理されており、今後中長期的な税制のあるべき姿を検討する際の重要な素材となっていくものと考えております。税制の在り方は明日の社会の基礎となります。

政府としては、本日取りまとめていただいた答申をもとに、令和時代のあるべき税制と検討をさらに進め、将来世代が将来に希望が持てるような公正で活力ある社会を実現していきたいと考えております。」

政府税調 “十分な税収確保を” 中長期的な税制の答申まとめる(NHK)

「答申では「先進国の中では最も厳しい状況にある日本の財政の現状を踏まえれば歳出に見合った十分な税収を確保する『十分性』を重要な原則と位置づけるべきだ」としています。」

「個別の税目では「法人税」について、企業の国際競争力の強化や収益力の改善などを目的にこれまで段階的に税率を引き下げたものの設備投資の内訳をみると海外向けが増加傾向にある一方、国内向けは横ばいにとどまっていて、賃金など「人への投資」の規模も先進国の中では見劣りしているとしています。

このため、国内での投資を活性化させる上でどのような効果があったのか、客観的で実証的な検証が求められるとしています。

また「消費税」は、さらなる増加が見込まれる社会保障給付を安定的に支える観点からも、その役割は今後も重要だとしています。」

法人税も消費税も増税の方向なのでしょう。

「歳出に見合った税収確保を」政府税調、4年ぶり答申 退職金の課税見直しも求める(東京新聞)

「答申では近年、国の一般会計歳出の40%しか税収で賄えず、「租税の財源調達機能を十分に果たせていない」と指摘。租税の3原則である「公平・中立・簡素」に並んで「十分性」も重視するよう求め、将来世代への負担の先送りが目立つ政治の姿勢に警鐘を鳴らした形だ。

退職金の課税見直しは、働き方の選択に影響されにくい「中立的な税制」を構築する観点から盛り込んだ。現行制度は退職金から控除額を引き、その2分の1の金額に所得税と住民税を課税する。控除額は勤続20年までは1年ごとに40万円なのに対し、20年超では70万円に広がる。」

「安倍政権時代に実施した法人税率の引き下げに関し、国内投資などの成果につながったのか「客観的・実証的な検証が求められる」とも指摘した。」

働き方多様化「税制の見直しを」 政府税調が4年ぶり答申(毎日)

「具体的には、転職や非正規雇用、フリーランスの増加など働き方が多様化していることを受け、「公平かつ働き方に中立的な税制」の必要性を強調。会社員に手厚いとされた所得控除を見直した過去の税制改正の影響を見極めつつ、引き続き所得控除のあり方を検討する必要があるとした。

退職金への課税についても、「支給形態や労働市場の動向に応じて、税制上も対応を検討する必要が生じている」と指摘。終身雇用を前提に勤続年数が20年を超えると控除額が多くなる現在の仕組みの見直しを提言した。」

[社説]政府税調まで消費税論議から逃げるのか(日経)

「中長期を見据えた税制の提言というには、看板倒れの内容だ。政府税制調査会(首相の諮問機関)が4年ぶりにまとめ、岸田文雄首相に提出した「中期答申」のことだ。前回の10倍の約260ページの分量ながら、増減税など具体的な改革の方向性を何ら示さなかった。」

「あるべき税制」発言力低下(日経)(記事冒頭のみ)

「「税調」は政府と与党にそれぞれある。政府税調は首相の諮問機関で意思決定の権限はなく、歴史的に与党の税調が方針を決めてきた。」

政府税調の答申 将来への負担先送りに警鐘(読売社説)

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