岡山県健康づくり財団付属病院で不適切な会計処理 1億4700万円の未収金が発生
公益財団法人が運営する病院で多額の未収金が回収不能(過大計上?)となっているという記事。
「公益財団法人「岡山県健康づくり財団」は19日、運営する付属病院(岡山市北区平田)で収入を過大に計上するなどの不適切な会計処理があったと発表しました。入金が見込めない未収金は合計で約1億4700万円に上ります。
内訳は「支払基金・国保連に対する診療報酬再請求分の重複計上など」が7688万円、「仕訳間違いなどによる会計帳簿の誤計上」が3538万円、「証拠書類と突合できていない未収金」が3525万円でした。」
「一連の不適切な会計処理は、付属病院の経理担当者がひとりで行っていました」とのことですが、こういうのは、こまめにチェックしてその都度修正しないと、収拾がつかなくなります。
「担当者の個人的な利益が目的だったという事実は確認されていない」ということで、横領目的ででたらめな会計処理をしていたということではなさそうです。
そうすると、単に担当者がずさんだったのか、それとも、膨大な量の未収金消し込み作業をひとりに押しつけられて、パンクしてしまったのか...
(補足)
財団からの発表。(ツイッターの通知で教えていただきました。)
「令和5年度当初に、財団附属病院経理担当者(以下「当該職員」という。)の親族の入院費未払いが発覚したことを発端として(当該未払金は支払い済です。)、病院特別会計の処理を内部調査したところ、同会計の令和4年度以前の決算処理等において、当該職員による不適切な処理があったこと、またこの不適切な処理を組織としてチェックできなかったことなどにより、次のとおり、入金の見込めない未収金が計上されていたことが判明しました。
①支払基金、国保連に対する、診療報酬再請求分の重複計上など(7,688 万円)
②貸方、借方の仕訳間違いなどによる会計帳簿の誤計上(3,538 万円)
③証拠書類と突合できていない未収金(3,525 万円)
なお、本事案において現在のところ、個人的利益を目的とした事実は、認められていません。 」
「当該職員が関与した会計処理全般について、広範囲に調査を進め、前述1③証拠書類と突合できていない未収金について、書類の残る平成 28 年度以降の保険請求、関係帳簿、預金通帳等を再確認・再照合し、原因の解明に努めます。
また、過大に計上された未収金は、公認会計士の指導を踏まえ、令和5年度決算において、前述1①及び②については特別損失とし、③については原因究明を進めてまいりますが引当金を計上する方向で検討しており、その結果、現段階では約1億 4,700 万円の正味財産が減少する見込みとなっております。(参考:正味財産令和4年度期残高2,047,849,959 円) 」
①②はたしかに不適切な会計処理なのでしょうが、「③証拠書類と突合できていない未収金」は「不適切」の内容がわからないのですから、不明残としかいえないでしょう(実は「誤謬」ではなく「不正」だったのかもしれない)。たいへんな作業からもしれませんが調べるしかないでしょう。3千万円超となると、なんだかわからないが、帳簿から落としてしまえということはなかなかできません。