会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

大手監査法人トップの新年あいさつ2020年

大手監査法人トップの新年あいさつへのリンクを集めてみました。

日付が入っておらず、今年に入ってからの更新かどうか不明なものもあるため、新年更新のものと、いつ更新されたのかわからないものに分けて紹介します。(会計士的には、内容以前に、重要文書には日付を入れるという基本動作がなされているのは、少しポイントが上がります。)

今年に入ってから更新されたもの

あらた監査法人

代表執行役 木村 浩一郎・執行役副代表 井野 貴章のメッセージ

「...監査業界をみると、欧米を発信源とした監査制度改革が進む中、わが国でも2020年3月期決算から「監査上の主要な検討事項(KAM)」の早期適用が始まるなどの大きな変化があります。また、社会に押し寄せるデジタル化の波は、財務報告の作成のみならず、あらゆる分野でデータ活用ニーズを拡大させております。データ活用の前提として、企業には情報セキュリティやデータ生成過程の信頼性確保、データ分析結果を成長・価値創出につなげるための方策が求められています。

このような急速な環境変化の時代において、私たちは存在意義である「社会に信頼を構築し、重要な課題を解決する」を実現するため、2025年に向けたVision「デジタル社会に信頼を築くリーディングファーム」を掲げ、デジタル社会における信頼の付与、信頼のサポート、信頼基盤の構築を担い、社会の発展に貢献してまいります。社会および企業への貢献を一段と強化するため、当法人はテクノロジーと人財への積極的な投資を継続してまいります。

監査分野では、テクノロジーを活用した業務自動化・高度化と、人とテクノロジーの役割分担の見直しを加速しております。また、監査以外の分野では「トラストサービスの拡充」の下、私どもPwC Japanグループの総合力を生かしてデジタルトラストサービスなどデジタル社会における信頼の付与、信頼のサポート、信頼基盤の構築にこれまで以上に注力して取り組んでまいります。」

監査法人トーマツ

包括代表からのご挨拶 「変革の時代」日本経済発展への貢献(注:カーソル位置によってはメニューで隠れて読めない場合がありますが、×印をクリックすると、邪魔なメニューは消えます。)

「トーマツにおいても中期計画達成のための人材モデルの刷新を含め、これまでの監査・保証業務及びリスクアドバイザリー業務の在り方の変革を進めています。

既に、業務の標準化・効率化、さらに高度化を加速度的に実現しています。例えば、標準化可能な監査業務については、定型業務を集中的に処理するトーマツ監査イノベーション&デリバリーセンターが担っています。また、財務・非財務データの分析については、それらを様々な外部データ等と組み合わせることで経験則では捉えられない相関や傾向・推移を効果的に識別できる先進的監査手法(Audit Analytics®)をほぼすべての上場監査先に対して導入しています。

これらにより、専門家は高度な判断業務や被監査会社との深度あるコミュニケーションに集中し、より付加価値の高い業務を提供しています。」

「...資本市場からの監査法人に対する期待に応えるためトーマツでは、DX環境下で、専門家全員がテクノロジーに関する十分な知見(Tech Savvy)と価値創造の源泉となる人間力を有することを前提とする中長期視点の人材モデルを再定義し、業務の在り方自体を変革していくフェーズに入っています。

この取り組みを強力に推進するために、2019年に監査以外の保証関連業務を推進する監査アドバイザリー事業部と、国内で300名以上の公認会計士やデジタル技術の専門家等を擁するAudit Innovation部を新設しました。

2020年は、リスクアドバイザリー事業本部が既に保有している強力な人材、知見の協力を得て、監査アドバイザリー事業部を中心に、内部統制や経営体制、業界特有のビジネス課題等の面から高度なアドバイスを提供することにより、企業価値の向上により一層貢献することができる人材を育成していきます。」

日付が入っておらず、今年の更新かどうかわからないもの

あずさ監査法人

理事長メッセージ
有限責任 あずさ監査法人 理事長 高波 博之より、みなさまへのメッセージです。


「日本ブランドの資本市場を支えるインフラとして、あずさ監査法人が監査品質の維持向上を最重要課題として取り組み続けることに変わりはありません。マーケットにサプライズを与えるような重大な不備を生じさせない効果的な監査が実現できるよう、業務の変革を追求し、皆様の期待に応えていく所存です。

そして、日本企業が直面している困難な問題の解決に資する体制強化のため、以下の3つの課題に引き続き注力してまいります。

1つ目は、グローバル対応力のさらなる強化です。...

2つ目は、テクノロジーの進化への対応です。Digital企画部Digital Innovation部、そして(株)KPMG Ignition Tokyo(KIT)を有機的に機能させ、あらゆる方面での変革に対応いたします。多様な知見、新しいテクノロジーとデータを活用することで、社会・企業に対して新たなInsights(付加価値のある洞察や知見)を提供してまいります。

3つ目は、先端技術を有する起業家へのインキュベーションです。...」

「社会からの期待に応え続けていくために、根幹となるものは人材です。高い倫理観・誠実性を有し、皆様から信頼される真のプロフェッショナルの育成を進めてまいります。あずさ監査法人の持つフラットで開放的な組織風土をさらに育み、性別、国籍、専門性、価値観等の多様性を認め合う文化を醸成することで、変革をリードできる組織を目指してまいります。」

新日本監査法人

理事長メッセージ

「全世界のデジタル化された情報が瞬時に共有できる時代に、私たちが目指す未来の監査の姿が「Assurance(監査)4.0」です。これは、クライアントと監査法人のシステムが連携し、ロボティクスやAIを活用して異常な取引や不正の兆候がないか継続してモニタリングを行う、継続的監査(Continuous Auditing)の世界です。海外も含む全取引をリアルタイムで分析することにより、リスク対応の早期化と高度化、そしてより有益かつ効率的な監査の実現を目指し、さまざまな取り組みをスタートしております。

2019年7月1日、EY新日本をはじめとするEY Japanのメンバーファームは、日本からアジア太平洋地域、そして全世界へグローバルに展開を加速するクライアントの皆さまにより迅速かつ充実したサービスをご提供するため、EY Asia-Pacificエリアに参画し、グローバルネットワークとの連携をさらに強化しました。各国の法令や規則を順守した上で、監査、そして財務会計アドバイザリーサービス(FAAS)や、最先端IT 技術を活用した不正リスク対応サービス(Forensics)など、国・地域を越えたシームレスでより高い品質のサービスをご提供してまいります。」

(監査1.0から3.0までがどのようなものか説明がないので、監査4.0といわれても...)

当サイトの関連記事(2019年の大手監査法人トップの新年あいさつについて)

ちなみに、転職支援会社が出しているWEB雑誌最新号で、トーマツの包括代表と新日本のDigital Audit推進部を取り上げてます(広告記事?)。

Accountant's magazine vol.56
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