東芝が、執行役33人の業績連動報酬について、今年度は支給しないことを決めたという記事。
「東芝の執行役の報酬は基本報酬と職務報酬で構成。職務報酬の40%か45%を会社か担当部門の業績に応じて変動させ、毎年度1回支給する仕組みで、賞与に相当する。過去には業績連動分で1000万円を超えるケースもあった。
通常は前年度の業績に基づいて、夏に支給しているが、今回の不正会計問題で前年度の業績が固まっていなかったため、支給の決定が遅れていた。同社は「会計問題を起こした責任を明らかにし、再スタートを切るため」と説明している。」
今年度の支給をストップするだけでなく、粉飾があった年度の支給分を計算しなおして、差額を返却するのが筋でしょう。
もっともそういう取り決め(クローバック条項)があると、決算訂正が必要となる事態を防止する効果はあるものの、監査人が要訂正事項を見つけて過年度訂正を求めた場合には、会社側が強く抵抗する傾向があるとする研究があるそうです。
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当サイトの関連記事(クローバック条項の影響に関する研究について)
米金融当局、インセンティブ報酬規則の強化を検討(WSJ)(クローバック条項についてふれています。)
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