会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

内部統制調査委員会の中間報告書受領に関するお知らせ(架空請求など判明)(鴻池運輸)

内部統制調査委員会の中間報告書受領に関するお知らせ(PDFファイル)

鴻池運輸(東証プライム)のプレスリリース(2024年3月14日)。

「税務調査の過程で、当社従業員が当社取引業者と共謀して架空の外注費用等の計上が行われた可能性を認識」、社内調査チームによる調査により、架空請求・横領の事実を確認、さらに、内部統制調査委員会を組成し事実関係の調査を行っていましたが、その「中間報告書」を受領したとのことです。

業績に与える影響は...

「内部統制調査委員会による調査の結果、2020 年度から 2023 年度までの期間において判明した不正金額の合計額は 549 百万円となります。過去の各期に与える業績の影響は軽微であり、過年度の有価証券報告書及び四半期報告書並びに 2024 年3月期の各四半期報告書の訂正はありません

2024 年3月期第3四半期決算における連結財務諸表に与える影響額については、過大であった売上原価 441 百万円(税抜)を取り消し、未収入金を計上すると共に、同債権の回収可能性は不確実であることから、既に回収済み金額を除く残高 342 百万円(税込)に対して回収可能性を勘案した貸倒引当金を設定し、貸倒引当金繰入額 304 百万円を営業外費用に計上することといたします。これにより、営業利益は当初見込みと比べて 441 百万円増加し、経常利益は 136 百万円増加いたします。」

 税務調査があったおかげで、だまし取られた金額のうち、99百万円(=441ー342)はすでに回収し、今後も追加で38百万円(=342-304)回収できそうだということになります。会社は税務署に感謝すべきでしょう。

報告書によると、いくつかの不正パターンがあったようですが、やはり、架空請求の金額が大きいようです。その手口は...

「当委員会の調査により、D 支店 D1 課課長 A1 が、2021 年 10 月から 2023 年 10 月までの間、部下である A2 (以下、A1 と併せて 「A1 ら」ということがある。)と通謀し、当社の取引業者であった株式会社 B1 (以下 「B1」という。)等の計 7 社の協力を得て、D 支店 D1 課の課長として、当該取引業者に実態の伴わない架空の業務を発注したこととし、当該取引業者において当該業務にかかる虚偽の請求書等を作成 ・交付させ、当該書類を用いて当社から当該取引業者に対して代金を支払わせる手法により、当社の資金を不正に流出させていた事実が明らかとなった。さらに、A1 らは、これに伴い、上記 7 社の取引業者から現金にてキックバックを受けるなどして、上記の手法によって不正に流出させた当社の資金を私的に着服していた旨の事実も明らかとなった(①:本件架空請求)。 」

各年度への影響額は...

四半期報告書は、提出完了できたそうです。

2024 年3月期第3四半期報告書の提出完了に関するお知らせ(PDFファイル)

ちなみに、監査人はトーマツの大阪事務所です。

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