金融庁の証券取引等監視委員会は、平成26年度の「証券取引等監視委員会の活動状況」を、2015年6月30日に公表しました。
会計に関係するのは、「第6章開示検査」と思われます。その概要は以下のとおり。
「第6章開示検査
開示検査の結果に基づく勧告状況
○ 8件の勧告を実施
○ 勧告事例
・売上の過大計上、貸倒引当金繰入額の過少計上、架空資産の計上、仕掛品の過大計上
・大量保有者の所有株式数や株券等保有割合を適切に記載していなかった事案
→ 多岐にわたる虚偽記載の内容について勧告
(注)勧告に至らない場合でも、必要に応じ、自発的な訂正を促している。」
勧告事案の会社は・・・
・株式会社太陽商会
・株式会社三栄建築設計
・株式会社アイレックス
・日本アセットマーケティング株式会社
・インスパイアー株式会社
・JALCOホールディングス株式会社
・株式会社SJI
このほか自発的訂正が2件あります(会社名はイニシャル)。
今後の課題として挙がっている項目のうち、気になるものは・・・
・IT化が進展する中で、虚偽記載の証拠についてもサーバーやパソコン等の電子機器に保存されている電磁的記録が多くなっていることを踏まえ、電磁的記録の保全・復元・解析・証拠化を行う検査手法・技術(デジタルフォレンジック)の更なる活用を進める。
・上場企業等の国境を越えた取引や海外の連結子会社において、不適正な会計処理等の疑義が把握される場合には、海外証券規制当局とも連携しつつ、実態を把握するための情報収集に努める。
(後者は本当にできるのでしょうか。)
検察に告発した事案のうち、開示関係は・・・(第7章より)
・株式会社インデックスに係る虚偽有価証券報告書提出事件
・株式会社太陽商会に係る虚偽有価証券報告書提出事件
平成27年度はどんな会社が登場するのでしょうか。
監督局長に遠藤氏=検査局長は三井氏—金融庁(時事)
「証券取引等監視委員会の大森泰人事務局長は退任し、後任には佐々木清隆検査局審議官が就任する。」
![]() | 霞ヶ関から眺める証券市場の風景 -再び、金融システムを考える- 大森 泰人 きんざい 2015-03-05 by G-Tools |