エイシアンスター(ジャスダック)のプレスリリース。
RSM 清和監査法人から、限定付適正意見のついた監査報告書を 2022 年3月 30 日に受領したとのことです。
「限定付適正意見の根拠」は...
「会社は、特定の不動産入札案件に関して、共同事業者に共同事業遂行に必要なデポジットを支払い、当連結会計年度末の連結貸借対照表に流動資産その他(預け金)として計上している。当監査法人は、監査報告書日までに明示的な入札公告が行われていないことから、入札案件の実在性を確認できなかった。また、共同事業者におけるデポジットの保全状況や返済能力に関する情報も入手できなかった。この結果、当該預け金 150,000 千円の評価について、十分かつ適切な監査証拠を入手することができず、この金額に修正が必要となるかどうかについて判断することができなかった。この影響は、特定の勘定科目に限定されており、他の勘定科目や注記事項に影響を及ぼさないことから、連結財務諸表全体に及ぼす影響は限定的である。したがって、連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。(以下省略)」
結局、「入札案件の実在性を確認できなかった」ということは、150百万円は使途不明ということでしょうか(共同事業者にだまされた?)。150百万円もの支出であれば、書類もそろっていて、社内の承認手続も行われているのが普通で、監査人はそれにより実在性を確かめることができるはずです。それとも、使途不明ではなく資産としての実在性はあるけれども、評価のための情報が入手できないというだけの話なのでしょうか。監査報告書の記載は曖昧な感じがします。
財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ(PDFファイル)
内部統制報告書で重要な不備ありと記載したそうです。これを読むと、引当金の計上プロセスの問題ということのようです。
「当社は、特定の不動産入札案件に関して、共同事業者に共同事業遂行に必要なデポジットを支払い、当連結会計年度末の連結貸借対照表及び当事業年度末の貸借対照表に流動資産その他(預け金)として計上しております。しかしながら、監査報告書日までに明示的な入札公告が行われておらず、共同事業者におけるデポジットの保全状況や返済能力に関する十分な情報も入手できませんでした。この結果、会計監査人である RSM 清和監査法人より、当該預け金 150,000 千円の評価について十分かつ適切な監査証拠を入手することができず、この金額に修正が必要となるかどうかについて判断することができなかったとの理由で、連結財務諸表及び財務諸表について限定付適正意見を付した監査報告書を受領しております。
上記の事実をふまえ、決算・財務報告プロセスにおける貸倒引当金の検討過程において、営業債権以外に貸倒引当金を設定すべきものがないかどうか十分な検討がなされていなかったことを認識し、債権の回収に重大な懸念が生じる可能性について、当社として十分な検討がなされていなかったことが開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。」
是正方針として、与信管理体制等の見直しや引当プロセスの改善を挙げています。それも大事でしょうが、まず実態を把握して、この150百万円の回収方法を考えなければいけないのでは。
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