金融庁は、モジュレ株式会社(当時ジャスダック上場)が、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書を提出し、また、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたとして、同社に対する課徴金納付命令を決定しました(2016年11月29日付)。
課徴金の金額は、1,956万円。
「サーバー等の販売において、循環取引などを行うことによって、架空売上を計上した」とされています。影響額は、「当期純損益が28百万円であるところを103百万円と記載」(2015年3月期)です。
調査報告書が公開されています。
第三者委員会による調査報告書(中間)の受領に関するお知らせ(モジュレ)(PDFファイル)
サーバーだけでなくソフトウェアの架空売買も行われていたようです。外部の会社との間で正常取引と同じような資金の流れが実際にあり、監査で発見するのは難しい面もあったのでしょう。
不正のきっかけは...
「平成27年2月頃、対象会社が期首に策定した事業計画の進捗が思わしくなかったことから、a氏より、期末までに売上高2億円及び利益4000万円を必達する旨の目標が掲げられ、従業員に対しては、事業計画の達成に向けた強いプレッシャーがかけられていた。しかしながら事業計画に対する進捗は芳しくなく、従業員らの営業活動によって事業計画を達成することは困難な状況にあった。」
しばらく前に監査人の辞任が報じられていましたが、その後どうなったのでしょうか。
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当サイトの関連記事(モジュレの監査人辞任について)
同社は2010年にも虚偽記載で課徴金を課せられています。
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当サイトの関連記事
モジュレ株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について(2010年4月)(金融庁)
11月1日に上場廃止とのことです。
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上場廃止に関するお知らせ(モジュレ)(PDFファイル)
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