ザ!世界仰天ニュース 23億円を横領!真面目な男の転落 後編
長野県建設業厚生年金基金の巨額横領事件を取り上げたバラエティ番組の動画の後編。(前編はこちら→当サイトの関連記事)
15分ほどの長さです(前編は20分ほど)。再現ドラマが中心ですが、よくできていると思います。
各企業から預かった金額と保険会社に預けた金額に大きな差があることを上司に追及されると、企業の要求で返還したとうそをついてごまかします(そんな説明で納得してしまうとは)。厚労省の特別監査を受けることになりますが、企業に振り込んだという銀行の振込受付書を偽造して一時的にしのいだりしています。
後半は、海外逃亡や逮捕、裁判の様子など(一部当時のニュース映像を使っています)。
結局、この厚生年金基金は、資産運用の失敗(運用会社から接待を受けるなど、横領の犯人も絡んでいます)もあって、解散を余儀なくされます。
YouTubeでも見られます。
動画の最後の方でもふれていますが、この事件だけの影響ではないのでしょうが、事件後、厚生年金基金の新設は停止されています。ただし、今も存続している基金はあります。
厚生年金基金は当面存続へ 強制廃止はせず 厚労省審議会(2024年3月)(朝日)
「厚生年金基金をめぐっては、12年に「AIJ投資顧問」に運用を委託した資金が消失した巨額詐欺事件が発覚。それを契機に、多くの厚生年金基金について、代行部分の資金が不足する「代行割れ」が問題化した。
民主党政権下では10年で厚生年金基金を廃止する方針だった。しかし、自公政権に戻った13年に基金財政を健全化するための法律がつくられた際、新設は認めない一方、「十分な積立金を持って適切に運用している基金まで強制的に廃止は問題が大きい」(当時の安倍晋三首相答弁)として廃止を見送った。」
公的年金の運用の一部を企業が肩代わり(「代行」)し、うまく運用して差額を稼ごうという仕組み自体に無理があったのでしょう。代行部分の退職給付会計上の扱いをどうするのかも、かつては議論になっていました。