金融庁は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等を、2018年4月13日に公表しました。
企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等の公表を受け、所要の改正を行うものです。
対象は、以下の規則・ガイドラインです。
・財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財規)
・連結財規
・中間財規
・中間連結財規
・財務諸表等規則ガイドライン
・連結財務諸表規則ガイドライン
・中間財務諸表等規則ガイドライン
・中間連結財務諸表規則ガイドライン
・四半期財務諸表等規則ガイドライン
・四半期連結財務諸表規則ガイドライン
具体的には、財規において、以下のような「収益認識に関する注記」を行うなどの改正です。
「第八条の三十二
顧客との契約から生じる収益については、財務諸表提出会社の主要な事業における主な履行義務の内容及び財務諸表提出会社が当該履行義務に関する収益を認識する通常の時点を注記しなければならない。
2 前項に規定する事項は、連結財務諸表において同一の内容が記載される場合には、記載することを要しない。この場合には、その旨を記載しなければならない。」
(財規ガイドライン8の32で「規則第8条の32に規定する注記とは、「収益認識に関する会計基準」が適用される場合の注記とし、同条に規定する顧客、契約及び履行義務とは、「収益認識に関する会計基準」にいう顧客、契約及び履行義務をいうものとする。」とされています。)
「重要な会計方針の注記」に関する規定(財規第八条の二)は変わっていませんが、財規ガイドライン案を見ると、「収益認識に関する会計基準」を適用している旨を書くことになっています。
「8の2-7 規則第8条の2第7号に規定する収益及び費用の計上基準には、ファイナンス・リース取引に係る収益及び費用の計上基準等、財務諸表について適正な判断を行うために必要があると認められる事項を記載するものとする。また、財務諸表提出会社が「収益認識に関する会計基準」を適用している場合には、その旨を記載するものとする。」
「売上高」という科目名は変わりません。しかし、財規ガイドライン案72-1では「規則第72条第1項に規定する売上高については、各企業の実態に応じ、適切な名称を付すことに留意する。」とされています。
財規ガイドライン改正案を見て、少し気になったのは、売上割引や仕入割引が従来どおり営業外になっていることです(財規自体も変わっていない)。金利要素を収益から除外する新基準と矛盾しないのでしょうか。
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