会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している会社(新日本監査法人)

有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更している会社

新日本監査法人の調べによると、2015年3月期決算の有報提出会社2,720社のうち、57社が定率法から定額法に変更しているそうです。

注目されるIFRS適用との関係は...

平成27年3月期決算からIFRSを導入した有報提出会社30社のうち、27社がこれまでに定率法から定額法に変更している結果となった。このうち、平成25年3月期に17社が、平成26年3月期に6社が変更しており、当期にIFRSを導入した会社の多くが前々期または前期に減価償却方法を変更している。」

ただし、変更理由では、IFRS適用という理由は認められないのか、他の理由が多いようです。

「大型設備の新規稼働、導入の意思決定や主力事業、事業環境の変化等を契機として減価償却方法の見直しを行った結果、今後は安定的な設備の稼働や安定的な収益獲得が見込まれること等から変更を行う旨の記載事例が多くみられた。」(注:IFRS導入会社だけでない、変更した会社全体の傾向です。)

もっと最近の状況は...

定額法への変更、5年間で350社超(週刊経営財務)

「平成28年3月期第1四半期に有形固定資産の減価償却方法を変更した会社は54社あった。すべての会社が定率法から定額法への変更だった。」

「24年3月期以降、定額法へ変更した会社は累計359社に上る」そうです。その中には、東芝のように、痛くもない腹(かどうかはわかりませんが)を探られた会社もあります。

東芝不正会計問題、監査法人は本当に「騙された」のか(日経ビジネス)(再掲)

「実は2014年3月期に新日本監査法人は東芝の決算で、重要な会計処理方法の変更を認めている。有形固定資産についてそれまで定率法だった償却方法を定額法に変えている。定率法は一定割合(率)を費用として消却するため、投資して最初の段階では費用が大きく発生、後半では楽になる。

一方の定額法は定められた年数で均等に一定額を償却するため、当面の負担が小さくなる。つまり費用を先送りし、利益を大きくすることができるのだ。

1年前の決算で東芝は会計処理を変更。税金等調整前当期純利益が379億円も増加しているのである。利益を動かす目的で会計処理を変更することは認められていない。監査法人もうんとは言わないのが普通だ。」
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